"知る歓び"に満ちた場所
息子の誕生日だった昨日は、家族三人で国立科学博物館へ出かけた。妻は、久しぶりで、前に行った時は"地球館"がなかったというから、どれくらい前なんだろうか。息子とぼくは、半年前に初訪問して以来だ。
半年前の訪問では、ぼくもちょっと(こんな場所があったのか! と)興奮気味だったが、もうどんな場所かはわかっているので、少し冷静に見て回れた。とはいえ、息子が一緒の時は息子中心主義(?)なので、ぼくが見たい場所を思うように回れるわけではないが、あ、こういうことを見たければ(知りたければ)そこに行くといい、ということが、いろいろわかった。
宇宙がどうやって出来て、地球がどうやって出来て、生命がどうやって生まれて、どんな進化をたどって… どうやっていまの地球が、この世界があるのか。そういった探求、研究を、博物館全体を使って見せてくれる。
ぼくには、子供時代の自分が(息子のように)恐竜に夢中になった記憶はないが、小学生の頃には昆虫が大好きで、中学生の頃には天文に夢中だった。
昨年、ぼくは「オトナのための文章教室」を知らせるチラシで、人には誰でも"表現欲"というものがあると思う、と書いたけれど、その隣(?)には当然、"知識欲"というものもある。
人生には、知るという歓びがある。
博物館には、知る歓びが満ち満ちている。ぼくはそれを浴びて、幸せな気持ちになる。そして、もっともっと学びたいと思う。この気持ちが、10代、20代の自分にあれば… と思うが、学ぶことはいつから始めても遅くはないだろう。
昨日、息子は、「地球環境の変化と生物の進化──誕生と絶滅の不思議」の階で、太古の動物、たとえば、この写真の下の方にいる骨格標本を見て…
「ディメトロドンだ!」と言う。
彼はカタカナは読めないはずだ。なになに? と見てみると、たしかに、ディメトロドンなのである(ぼくにはなかなかおぼえられない)。恐竜のコーナーで、ティラノサウルスとかトリケラトプスを指して大喜びするような段階はすでに飛び越えているようだった。
でも、ま、偶然かな… と思っていると、次から次へと、これは◯◯、これは◯◯だよ、と紹介してくれる。おいおい、いつおぼえたの? と思うけど、ぼくが見せた映像を見て知っているのだ。しかし、骨格標本でよくそれとこれの違いがわかるね…?
いやはや、子の成長ははやい。こちらの成長はおそい。しかし、そのどちらをも面白がれるいまの自分、ちょっといい感じかも、と思わなくもない。
(つづく)
「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"、1日めくって、3月 13日。今日は、その、骨格標本の話。※毎日だいたい朝に更新しています。