旅好きが満足するサロン、「リーマントラベラーサロン」に潜入。その魅力とは?
会社員として働きながら週末は各国を旅する「リーマントラベラー」東松寛文さん。自分の旅の合間には、オンラインサロン「リーマントラベラーサロン」を運営している。旅好きな人、旅に興味がある人々が集い、情報交換やイベントを行なうリーマントラベラーサロンとは一体どのようなものなのか?
※2020年3月掲載記事
そもそも東松さんがオンラインサロンを始めたのは「旅行好きのガス抜きの場を作りたい」という思いからだった。
「会社を休んでいる時点で後ろめたいから、年齢を重ねるほどなんとなく旅行好きと公言しにくいという声を、よく聞いていました。旅好きが羽を伸ばし、旅で人生がもっと楽しくなるようなコミュニティを一から作りたくて始めたんです」
実際に東松さんのサロンに参加してみると、参加者は20代~40代の男女と幅広く、業種も航空系、サービス系、金融系と様々。いずれも平日は会社員として働きつつ、休日の使い方を工夫して旅を楽しんでいる人ばかりだ。参加理由も、「旅好きの友人を増やしたかった」「旅についての情報を得たかった」など、東松さんを崇拝する人が集う場所、ではなく、あくまでフラットな目線で旅について語り合えるコミュニティという印象だ。
先月入会したばかりという商社勤務の愛子さん(29)は「10年くらい旅をしてきて、さすがに行きたい国も尽きてきました。もっと新しい視点で旅を続けたいなと思って入会したんですが、みなさんトルクメニスタンとかウズベキスタンとか、思いもよらなかった国に行っていて、話を聞くだけでワクワクします」と目を輝かせる。
旅の情報をいくらでもネットで調べられる時代。だからこそ、もっと生の声が聞きたかったという。
「サロンでのコミュニケーションは、ご飯が美味しくなかった、ここは良くなかったなど、いい情報だけでなく悪かった点、リアルな情報を直接聞けるのがいい。他の方の話を聞いて、まだまだ勉強不足だなと痛感することも多いです」
これまでなかなか自分のような弾丸旅行好きに出会えなかったという愛子さん。サロンメンバーから刺激を受け、「今まで以上に仕事を効率的に終わらせて、休みは思いきり旅行に行こうと思いました」と前向きだ。
一方、旅好きになったのは、彼に振られたことがきっかけという金融関係の関東さん(37)。
「5年前に5年半付き合った彼と別れたんです。32歳の時で、もう結婚できないなって思いました。でも見栄もあるので『結婚できない』ではなくて『結婚しなかった』と言われるために何か打ち込める趣味を探して、旅行にハマり始めたんです」と打ち明けた。もともと歴史好きで旅では遺産を巡るのがメイン。この日も、旅行帰りに参加するなどアグレッシブな一面をのぞかせた。
「金曜に羽田を出て、土曜朝にマレーシアについて1日過ごして、深夜便でパースへ行き、そこから2日半滞在してシンガポール経由で帰って今朝、出社。そのままサロンに来ました(笑)」
この日も、海外旅行帰りでサロンに参加した関東さん。
関東さんは、サロンに入会したことがきっかけで、自身のセルフブランディングを考えるようになったという。
「東松さんに言われて、SNSで旅好きをよりアピールするようになりました。会社の人とSNSで繋がることで、『次はどこへ行くの』と話しかけられることも増えました。『旅好きの人』というイメージを確立したので、休みやすくなったし旅行もしやすくなった。そのぶん普段の仕事はきちんとっていうメリハリが大事ですけどね」
旅は意外な副産物を生むこともある。「結婚できない」と言っていた関東さんだが、なんと旅によって伴侶を見つけることができたのだ。お相手はモンゴルのウランバートルで出会った日本人。旦那さんも旅好きだ。
そして、もともと東松さんと知り合いだったというメーカー勤務の宮下さん(28)は、同じような価値観を持った人と繋がって、より旅の目的意識を強く持てるようになったと話す。
「休み方の意識は変わりましたね。東松さんもよく言うんですけど休日に活動的に行動することで、かえって心が休まるんですよ。これまで『休む』は体を休めることでしたが、休みを活動の場として捉えられるようになりました。サロンに参加して、旅が逃避ではなく投資に変わったんです。知見を広め、何かを持って帰ろうと思う意識が大事」
この3人だけでなく、東松さんのサロンメンバーたちの満足度は高く、一様に「参加してよかった」と声を揃える。和気あいあいとした空気が自然と生まれているのは中心となる東松さんの人柄はもちろんだが、「旅が好き」という共通点があるからこそだろう。
東松さんは今後のサロン展開をどのように考えているのだろうか。
「参加してくれる人にはやっぱり楽しんでもらいたいので、こういうオフ会を開いたり、動画作りのスキルアップをする動画塾を開催したり、半年に1回くらいのペースでメンバーとの海外旅行も企画しています。でも、メンバーは1人でも100人でも、規模はそんなに気にしていません。あまりかっちりルールを設けず、旅好きの人が繋がる場所にしたいですね。」
会社でも家庭でもない第3の居場所、東松さんのオンラインサロンは緩やかだが密なコミュニティを築いていた。旅好きだけでなく、自分の休み方を変えたいという人も、この場所なら、何かヒントが得られるかもしれない。気になったら、参加してみてはいかがだろう。
写真:南方 篤
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