かつおを愛する女子・かつおちゃんの日々の生活と「平日時間」
※2018年11月掲載記事
平日の早朝。まだ8時過ぎだというのに、数人の人が開店を待つ一角がある。渋谷の宮益坂からほど近いエリアに構える「かつお食堂」は、朝9時からこだわりのかつお節ご飯を提供することで人気のお店。店主のかつおちゃんこと永松真依さんの“かつお”すぎる24時間って?
かつおちゃんが渋谷にかつお食堂をオープンしたのは2017年11月のこと。飲食店の経験なんてほとんどなくて、あったのは圧倒的な“かつお愛”。情熱にほだされて作ったお店は、バーの間借り。
「飲食店の経験は学生時代にアルバイトした程度です。かつお食堂はかつお節の美味しさを伝えたいと始めたお店なので、とにかく来ていただいたお客様には、食べるだけでなくかつお節やかつおのあれこれを知ってもらいたいと、とにかく喋り続けてしまいます。始めたころは、喋るか、手を動かすかどちらかしかできず手が止まり忘れごとが多かったりとご迷惑をおかけしてしまったこともありました。ごめんなさい。かつお節のように自分自身も向上していけるようにこれからも頑張ります! 勝男(かつお!)」
訪れたこの日は開店直前の朝8時。仕込みのまっただ中で、そのスタートはもっと早い。朝4:30に起床して、神奈川県の自宅から旅行トランクいっぱいにかつお節をはじめとする食材を詰めて移動。到着は6:30。そこから2時間30分をかける。
「仕込みの始まりは昆布を水に浸すところから。弱火で1時間程かけて旨味を引き出しそのあとはかつお節で旨味を合体させる。お米は一日の量を小分けにタッパーに浸水しておきます」
やがてお店が開き、朝食からランチタイムを経て、16時にはお店を出る。そのあとは色々と“回遊”。まぐろ同様かつおも回遊魚で、止まると死んでしまうのだ。
「好きなことをしているので常に24時間オンオフがなくて。仕事でも私生活も全てかつおで出来ています(笑)どこへ言っても、『あっ、これかつお節でも応用できるかも!』など全てが自然と変換されてしまいます」
回遊時間もかつお一色。築地(現在は豊洲)に顔を出したり、出汁のおいしいお店を訪れたり、かつおアイテムや“かつお服”を探しに出かけたり。「もう、ブルーを見ると何でもかつおに結びつけてしまって」というし、実際髪にもかつおライクなブルーのメッシュがある。
「だから忙しくても朝早くても、ぜんぜん苦じゃありません。でも、ふと気がつくんです。自分が人間だということを(笑)。かつおのようにずっと泳ぎ続けることはできず疲労がたまったときなんかは、場所を変えて(かつお節を)削って、みんなで美味しい輪を囲む。美味しいって喜んでもらえると一気に癒されます」
シンプルに、かつお節の美味しさをみんなに届けたい。こんな思いが、かつおちゃんの毎日の原動力。自分の好きなことを仕事にしている人にとって、オンもオフもなくて、すべてが自分のための豊かな時間。なら休日は、どんな過ごし方をするのか? 次回はさらにディープな休日のタイムラインに迫りたい。
撮影:yoshimi
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