3,920円かけて函館にハンバーガー食いに行ったのに休業日だった
◆高速バス 札幌→函館
2/20(月)。
『函館特急ニュースター号』、片道3,920円(最安値)で向かう。
生憎の空模様である。早朝に出たため道が除雪されておらず、手間取った。
旅にアクシデントはつきもの。これもまた旅行の醍醐味である。
コンビニのおにぎり2つとグミを食べ繋ぎながら到着を待った。
PAを2か所中継した。
函館に行くのは2回目だ。前回の旅行では知り合いの家と五稜郭、そしてラッキーピエロに寄った。その時の味をもう一度思い出しに行くためだった。
バスに6時間ほど揺られ、13時半頃函館の地に降り立つ。
赤い人間のオブジェが出迎えてくれた。
下にいる者を庇う体勢を取っている。初見はブリッジに見えた。
駅構内には飲食店や土産屋、ロッカーや休憩所などある。
あとイカも。
◆ラッキーピエロ 函館駅前店
今回の旅の目的は二つある。一つ目、それは『ラッキーピエロ』にハンバーガーを食べに行くことだ。
時刻は14時。ホテルの予約まではあと1時間ほどある。ここでゆっくり舌鼓を打ってチェックインまで時間を潰そうという完璧な計画である。
このために、朝食もおにぎり2個と軽めにしたのだ。
胃が上下に揺れ動き、腹の中のゴールキーパーがいつでも来いと言わんばかりに音を鳴らしている。
方位磁針が北を指し示すように、はやる足のその指先が店の方へと向く。
そして、店の前。
外は寒かった。
◆ハセガワストア 函館駅前店
『ハセガワストア』は、函館発祥のコンビニだ。
そしてハセガワストアの『やきとり弁当』は函館名物の一つである。
気を取り直し、プランBに移行した。
旅にアクシデントはつきもの。これもまた旅行の醍醐味である。
駅前にちょうど店舗があったので、さっそく入店する。
スペースはそんなに広くなく、小ぢんまりとしていた。他社弁当チェーン店舗の広さを想像していただければよい。
①台で注文書を書く、
②カウンターへ持っていく、
③番号札を渡され、番号を呼ばれたら受け取る。
……念のため、後続の客を先駆けとして行かせ、その動きを真似して注文した。学ぶは真似ぶ。
『やきとり弁当(中)』を注文。迷ったら真ん中。
注文書の「中」に○をつけ、数量に「1」と記入する。丸書いてちょん。
先客が数組いたが、それでも10分ほどで商品を受け取った。
時刻は14時過ぎ。ラッキーピエロでは肩透かししか食らえなかったため、お腹はペコペコである。
ようやく食事にありつけそう、と考えたところだった。
「……どこで食う?」
後先考えずに行動することは良くない、という典型例である。
イートインスペースが用意されている店舗もあるようだが、ここには無かった。駅のベンチで弁当を膝に載せて食べるのは人目が憚られる。
この氷点下の屋外で飯を食うバカはいない。
ホテルのチェックインは15時。
さっきは肩透かしを食らって、今度はお預けを食らっちゃったよトホホ、という小者の小粋な小話である。
◆ホテルオールインステイ函館
楽しい楽しいお食事をこれ以上遅らせるわけにはいかないと思い、本当に15時に訪ねていいのかホテルに電話で確認した。
するとなんと、掃除が終わってるのでもう来ていいとのことだった。
捨てる神あれば拾う神あり、である。
函館駅からほんの少し歩いた所。ほんのり寂れている。曇り空がやけに雰囲気を醸し出す。
徒歩5分で到着。
2階のフロントで受付をする。
料金前払い。2,800円
国で行われている『全国旅行支援』の期間だったので、
・宿泊費 20% 割引
・2,000円分のクーポン(要はそのまま2,000円もらえる)
の恩恵を受けた。
いいお部屋。シングルを予約したのだが、空いていたのかツインにしてくれたようである。嬉しい誤算だが、広すぎて少しソワソワした。
ここでもう一つの旅の目的だが、
それは「ちょっといいホテルでゆっくりすること」だ。
日常から逃げ出してきた者の小さな願望である。
やきとり弁当を食べた。
箱の手前側に溝がついているので、焼き鳥の串をここにセットする。
もう一度フタを閉め、軽く押さえつけながら串を引き抜く。
そうするとご飯の上に具が乗っかる。
「焼き鳥から串を外すとは何事か」などと宣う賊たちが現れそうなところだが、このシマではこれが通例である。
肉が旨い。ネギも旨い。そしてなによりタレが旨い。ご飯と海苔と絡み合う。これだけかと思いきや、ナスとししとうも入っていて飽きさせないメニューになっている。
散々やきとりやきとりと書いているが、肉は 豚肉 だ。
やきとり弁当でも豚肉だ。店員が盛り付けを間違えたとかではない。
ルーツは知らない。美味しければいい。
食べた後は、寝た。
◆函館山ロープウェイ
起きたら夜。
駅前ではイルミネーションが点灯していた。昼間とは違う景色にちょっと得した気分。
バスに乗って函館山へ向かう。
勘違いして1つ前のバス停『十字街』で降りてしまった。
真っすぐ伸びゆく坂を上る。
そのおかげで猫に会えた。横切られる形とはなったが。
坂の上まで歩くとロープウェイ乗り場が見えてくる。
これに乗る。
中でチケット(1,500円)を購入。100万ドルと比べれば安いものである。
ロープウェイで上へ。山の上は風が強かった。つまり寒さも強くなる。
冷たいのに気づかないふりをしてカメラ(スマホ)を構えた。
以下はテレビ写真動画等の各種メディアで散々載せられているいつもの景色である。初見のはずなのに。
海と陸との境目がはっきりと分かれている。人工の光の暖かさと、全てを吸い込むような暗い海の対比が幻想的であった。
寒かったが、帰りは歩いて帰った。
◆HAKODATE NOODLES 炎陣
旅行に行った際は必ず1回以上は麺を食うと決めている。
散歩で冷えた身体を温めるのに、ラーメンを食べる以上の手段はない。
交通費の節約という面もあるが、そのためにわざわざ函館山から歩いて来たのだ。マッチポンプ。
というわけで、函館駅前の『HAKODATE NOODLES 炎陣』へ。
旅にアクシデントはつきもの。これもまた旅行の醍醐味である。
◆はこだて塩らーめん しなの
なにもラーメン屋が一つだけということはない。
いくつかある候補の内から炎陣を選んだまでのこと。プランAが破綻したのなら、プランBに切り替えるまでのこと。
というわけで『はこだて塩らーめん しなの』へ。
駅からホテルに戻るまでの道にあるので都合も良い。
……。
閉まっていた。
写真も撮り忘れた。
旅アク、旅行醍醐味。
◆その辺のラーメン屋
結局その辺のラーメン屋へ入った。
函館は塩ラーメンの町なので、それに倣って塩ラーメンをいただいた。
その店のは特に美味しくもなかったので店名は伏せるが、「U」が関係する。
まあ、そんなに美味しくないラーメンもまた、旅行の醍醐味である。
◆1日目終了
その後はコンビニで適当に飯を買い、ホテルの部屋で豪遊した。
そしてシャワーを浴び、寝た。
散歩の途中でセイコーマートにも寄った。
北海道に旅行に来たときは、余裕があればセイコーマートに寄り、ホットシェフとラスクを買うといい。
◆ラッキーピエロ 函館駅前店
朝になった。駅前へ向かう。
さて、昨日は休みだったが、まあ翌日行けばいいのである。
特に昨日の貼り紙にも「21日より平常通り営業致しますので」と書かれていたため、さすがに盤石。今度はフリではない。
店に行くとちゃんと開店していた。2階に続く階段を上り切ったところまで人が並んでおり、奥を見るともう少し人がいた。駅前ということもあり、朝から繁盛である。
相変わらず、赤と黄色の主張が凄まじい。
貼り紙の文章からはどことない不思議の国のアリス感、あるいはUndertale感(Motherシリーズ感?)を受ける印象。
人気順で上から4つを頼んだ。(値段は税抜)
『チャイニーズチキンバーガー』400円
『ラッキーエッグバーガー』460円
『トンカツバーガー』420円
『ラッキーチーズバーガー』460円
ホテルで手に入れたクーポン2000円分はここで使い切った。
ラッキーエッグバーガー1つだけイートインで、残り3つはテイクアウト。
あとはこれらのハンバーガーを今日一日ゆっくり食べようという魂胆である。
一日をハンバーガー4個だけ、と言うとやや少ない印象を受けるかもしれないがそんなことはない。
成人男性の広げた手にピッタリ収まるくらい。比較対象が左手しかないのは申し訳ない。要するに、「大きくて "重い"」ということが伝わってくれれば幸いである。
見た目はこう。ソースがちょっとこぼれているが。
バンズ、パティ、エッグ、ソース。
カバのように大口を開けて一口目をいただいた時、ようやく函館に来たことを実感した。お預けを食らっていた分、味覚から脳へ、衝撃がダイレクトに伝わる。朝ご飯とラッキーエッグバーガーの相性や良し。
ちょうど一つ食べ終わったところで、店員が持ち帰りのハンバーガーをテーブルに届けてくれた。
というわけで、無事にラッキーピエロでハンバーガーを食べることができた。
タイトルを読んだ方の中には、食べられずにノコノコ札幌に帰っていく悲しい人を想像された方もいたことと思う。
無事にハンバーガーを食べてしまったことをここにお詫びする。
今回は本当に申し訳ございませんでした。
以上、ラッキーピエロのハンバーガーは美味しいよ、という話である。
ぜひ現地に行って、ハンバーガーのその "重さ" を確かめてみてほしい。
ハンバーガーも胃に収まった。ここからは消化試合のため、軽く書き連ねていく。
◆函館市熱帯植物園
バス1本で 湯の川 にある『函館市熱帯植物園』へ。
ここの名物は「温泉に入るサル」だ。正直、植物園のほうがオマケになっている雰囲気を否めない。
入場料は300円。安い。サルに上げる用のエサは100円(買わず)。
園内で流れているナレーションによると、檻の中のサル達は3つの派閥に分かれているらしく、争いの渦中でそれなりのケガを負うこともあるらしい。
帰り際、複数のサルの怒号が飛び交う喧嘩を見た。カメラ起動が遅れてしまい映像に収めることは叶わなかったが。
サル達は殺伐とした環境に身を置いているようだった。
スズメ達はエサのおこぼれを啄んでいた。
あとは植物と、魚などの生き物たち。
思ったよりも見ごたえのある植物園だった。
熱帯の植物園なので、なにより館内が暖かくて良い。サル温泉共々、冬に来ることがオススメされる。
◆散歩、公園、温泉 他
植物園を出た後は、散歩して、公園に行って、温泉に入った。
昼食を食べられそうな場所が無かったので、仕方なく公園でトンカツバーガーを食べていたら知らぬ間に猫がいた。
近づけば遠くへ行き、戻ればまた近づいてくる。触れることはできなかった。
その後は温泉に入った。
温泉に入った後は市電に乗って駅へ。
◆帰路
夕方17時半ごろ。既に空は暗くなっていた。
バスに乗る前にラッキーチーズバーガーを食べた。
座席に座って、眠ったり時計を見たり、後ろに通り過ぎていく暗闇を見つめたりしている内にいつの間にか札幌に着いていた。
自宅に無事に着いた。もう遠くに行ってしまった函館を思いながら、持って帰ってきたハンバーガーを自宅で食べた。本当に一日ハンバーガーで持った。
チャイニーズチキンバーガーに歯形がガッツリ残っていたので写真は伏す。気になる人は食べに行くといい。
◆合計金額
【高速バス代 往復】¥7,840(¥3,920 ×2)
【宿泊費】¥2,800
【バス市電その他移動費】¥1,000 およそ
【ラッキーピエロ】¥220(クーポン使用 本来は¥1,894)
【ハセガワストアー】¥630
【セコマ】¥662
【コンビニ等その他食費】¥1,208
【お土産代】¥3,338
【函館山ロープウェイ】¥1,500
【函館市熱帯植物園】¥300
【函館 湯元啄木亭】¥1,150
全部込みで大体20,000円。その内半分はバス代と宿泊費。
10,000円で函館を満喫した。コンパクト。
以上、報告とさせていただきます。