手フェチを拗らせた私が手相鑑定士になることになった
あれは中学生の時のこと。
乙一著作の『GOTH』で手を切り取る事件を扱った話を読んだことがきっかけだったか。
手という部位に異常なまでの美しさを感じるようになった。
電車に乗れば人の手を眺めて好みの手が無いか探し、おそらくはネイル練習用の手のシリコン模型を買って手を繋いだり抱きしめて眠る日々、「願わくば壁から腕が生えてほしい」と本気で思っていた。
大学生の時、妹に連れられて横浜ベイスターズの応援に行った。席は後ろの方。筒香選手の応援の際、観客らが一斉に腕を上に挙げる場面がある。あまりに美しすぎる光景にうっとりしながら「刈り取りたい…」と思っていたら鼻血が出た。
犬や虎や熊の前足も好きだ。
死ぬ時は熊に殴られて死にたい。肉球でかいし。
好みの手の友人には死んだら手をくださいと頼みながらも、死体損壊罪になるよなぁと悩んでいた。
大学生の時ジョジョ4部を読み、吉良吉影という手フェチこじらせキャラを知って仲間がいた!と思った。あのスタンド便利でいいよな。綺麗に手が拾えて。
ホラーゲームで手が落ちてる演出には喜び、マネキンの着せ替えで腕がもがれていると「理想的だ…」というような人生。
そんな私が、なんやかんやあって手相鑑定士になることになりました。
見てきた手の数だけでいうとスタートラインの立ち位置バグってら。
占いは前からカードリーディングを趣味程度にちょろっとやっていたのだが、ついになんかすごそうなおじいちゃんに弟子入りすることになった。
おじいちゃん。本業はコンサルをやっていて、高校生と大学生に柔道を教えていて、本業の片手間で今までに2万人以上占ってきた人らしい。
最初に教わるのは手相鑑定。
フワッと聞いた話だと西洋のではなく東洋の気血色の流れを汲み取った鑑定っぽい?
私の今世の人生、気功だったり漢方だったりあまりに東洋に引っ張られすぎだろ。
研修は1/25です。
手フェチの手相鑑定士、この世に誕生していいのか?