長崎遠征記 中 ~大村車両基地を見学する~
今回は、前回の続きとして、今回の旅のメインである大村車両基地見学をまとめていきます。
前回↓
※一部自分の予想で書いています。なので不正確な点もあるかもしれません。ご了承ください。
大村車両基地へ
前回、大村に着きました。大村駅からは、シャトルバスで大村車両基地に向かいます。
シャトルバスの前に大村駅を少し見てみると、待合室にこんなものが。開業までのカウントダウンのボードです。
西九州新幹線開業は、大村でも一大イベントとして期待されているみたいです。
バスに乗る前、受付でこんなのを貰いました。今回の見学の参加証です。このアングルの写真は、めっちゃカッコいいです。
行きに乗ったバスは、少し古めの三菱ふそう·エアロバスでした。長崎県営バスの車両です。
大村駅からの移動中、外に新大村駅が見えました。撮影を試みたものの、上手く撮れませんでした···
大村駅から約15分かけて、大村車両基地に到着。ここから見学の始まりです。
大村車両基地に入る
バスから降りると、大きな坂を登ります。その坂を登り切ったら、まず西九州新幹線を建設した「鉄道·運輸機構」の横断幕がお出迎え。
鉄道·運輸機構は、上の写真のようなことを行っているようです。あまり名前は聞かないものの、けっこういろいろなことに携わっているんですね。
台振庫
まず最初の見学スポットは、「台振庫」と呼ばれる建物です。台振庫とは、新幹線の車体と台車を分けるための建物です。
これがある理由は、一部検査を九州新幹線の熊本総合車両所で行うためだと思います。大村車両基地は小規模なため、できる検査も限られています。なので、一部の検査は熊本まで持っていってするそうです。
台振庫の中は、こんな感じになっています。中央にあるいくつものジャッキが特徴的です。これで車体を持ち上げ、台車を外すようです。
ジャッキは近くで見るととても大きく、何でも持ち上げられそうだなと思いました。
線路には、何やら見慣れない円形のものがありました。これはたぶん、台車の向きを変える装置です。
こんな感じで使われるものなんだと思います。台車を移動させることで、台車の検査も容易になります。
人の目につかないような小さな機械も、けっこう大きな役目を果たしてるんだなぁと思いました。
左奥には、さっきまでの場所とは違うことをしそうなスペースがありました。人が立てるところが地上ではなく、高いところになっています。
そのスペースがある線路の上には、架線が外から延びていました。1枚目も見ると奥にもゲートがあるため、この建物を超えて外まで走らせられそうです。
各車両の軽い点検をするときなどに使えそうな気がします。実際どうなんですかね。
仕交検庫
次の見学スポットは、「仕交検庫」。仕交検庫は、車両の検査を行ういちばんメインの建物です。
この中には、お待ちかねのN700SのY1編成がいるようです。
仕交検庫に入ってすぐY1編成はいたものの、しばらくは撮影禁止となっていました。
撮影禁止エリア内では、ふつうホームとかにいても見れない床下機器や台車、ダンパがよく見えました。
まだ本線を高速走行していない車両の床下は塗装がきれいな赤色。これも営業運転が始まると泥などで汚れてしまい、どうしても茶色っぽくなってしまいます。だからこそ、今のうちにきれいなところを見れてよかったと思います。
撮影禁止エリアを抜けると、ついにそのお顔と対面です!
か、かっこいい!
運転台窓周りとノーズ先のエンブレムの黒、床下部分の赤。今まで見たN700Sとはまるで別の新幹線車両かのような装飾に、とても興奮しました!
まだピカピカな車体には周りの電灯の光もきれいに反射して、まだ新しいことを示していました。
N700Sのデザイン
東海道·山陽新幹線にもN700Sは走っています。なので、デザインの比較をしてみましょう。
違う点を挙げてみると、
運転台窓周りの黒い塗装の有無
ライト周りの黒い塗装の有無
床下部分の色
鼻先のエンブレムの有無
鼻先の文字の有無
側面からのラインの有無
などがありました。前面のデザインだけでこんなに差があるとは···三戸岡さんすげぇ。
外観
そんな三戸岡デザインが凝縮された西九州新幹線用N700S。その外観の写真です。
とても特徴的なデザインでしたね。ここからは、ついに車内に入っていきます!
今回見た車両は、自由席の4号車と指定席の3号車です。
自由席(4号車)
まずは4号車です。
車端部のLCD(液晶)表示器です。九州新幹線のN700はLED表示器なので、N700よりも一度に表示できる情報量が多くなり、進化してるなと思いました。
N700Sの特徴ともいえる、大型の荷物置きも車端部に搭載されていました。武雄温泉も長崎も観光地なので、キャリーバッグを持っているお客さんには嬉しいですね。
荷物置きの側面には、号車案内とかもめロゴが貼られていました。こんなにたくさんあることから、このロゴをいかに大切にしているかということが分かります。
座席は黄色いモケットが張られていました。テーブルは白いようです。
N700Sの座席の特徴の、全席に付いている充電用コンセントです。もちろんこのY1編成も例外ではありません。
ひじ掛けに付いているのは、N700系のように側面下に付いているより便利です。
床の柄は、通路と座席部分でガラッと変わります。ただ灰色なので、柄がありつつも落ちついた雰囲気です。
車端部にはSOSボタンと緊急通話装置もあります。車内の安全性がより高くなりましたね。
デッキ
次はデッキ設備です。
トイレです。基本は白と黒の2色で統一されていて、とてもおしゃれでした。
ここにもかもめのステッカーが貼られていました。
車椅子対応トイレです。こっちは床以外はほぼ白で、ふつうのトイレとはまた少し違う印象を持ちました。
多目的室です。ここのシートには指定席のモケットが張られていました。ここはほぼ完全に白統一です。
デッキを抜け、指定席の3号車に入っていきます!
指定席(3号車)
自由席は日本語だったので、こっちは英語で。やっぱLCDはきれいだし、色もはっきりしています。
3号車の荷物置きは、広告スペースも付いていました。その代わりにロゴは省略されています。
座席です。木の質感が生かされています。
指定席は号車ごとにシートの色が違います。3号車のはベージュでした。
座席背面です。何か足りない気がしませんか?そう、テーブルが付いていません。その分すっきりしている印象があります。
背面テーブルが無い代わりに、隣との間のひじ掛けを開けると、ミニテーブルが出てきます。出すだけとはいえしっかり固定されるので、載せたものが落ちる心配はありません。
ただ、パソコンや駅弁などを置くには少し小さいかなと感じました。
座席背面のポケットは、それなりに容量がありそうです。他と違うのは、網状じゃないところですね。その分、かなり耐久性は高いと思います。
それにしても木の色に黒は映えますね。
外から
今回の展示では、1両だけ外に出ていました。それが見える場所は撮影スポットとして、多くの人が撮影をしていました。
やっぱりカッコいいですね!
外に出ている部分は仕交検庫で見たときより遠くから見えるので、ラインの感じなど、いろんなことが分かりました。
こちら側は尾灯ではなく、前照灯が点いていました。こっちは前に進む感じがあって、また違う印象がありました。
車内にも車外にも三戸岡デザインが多数ちりばめられ、独特のイメージを創り出していたN700SのY編成。今回の見学では新車ならではの輝きと匂いを放つ、普通では見られない姿を見れてよかったです。
普段は見れない線路
見学の順路の中には踏切もあり、線路をじっくり見られました。なので、ここからは線路の写真です。
ふつうだったらレールをこんな間近で見る機会なんて無いので、なかなか貴重だと思います。しっかり観察できたので、とても満足です。
ここまでで一連の見学は終了です。
この後、参加者はグッズを買うなどして、またバスに乗って大村市街へ戻ります。
帰りのバスでは大村バスターミナルまで向かいました。
帰りのバスは、いすゞ·ガーラ。こちらも長崎県営です。行きのエアロバスよりも新しい車両でした。
まとめ
大村車両基地見学では、ふつう入れないような建物の中や、まだ出来立てのN700SのY1編成の車内などを見る貴重な体験ができました。博多総合車両所でも「新幹線ふれあいデー」というイベントが開催されますが、その時とはまた違う楽しさがありました。
西九州新幹線は9月23日に開業します。それと同時に博多-武雄温泉間に「リレーかもめ」が走りだし、在来線の特急「かもめ」は新幹線にその名を譲ります。
また、並行在来線である長崎本線の肥前山口(江北)-諫早間は上下分割となり、肥前浜-長崎間は電化も廃止されてしまいます。
新しい歴史が始まるのは嬉しいことですが、それとは反対に何かが消えるのはしょうがないことでもあります。ですが何も悪いことはありません。なので、その現実から目を背けず、起きることを認めるのが大事なのかなと思います。
長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。次は長崎遠征記 下 でお会いしましょう。