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「エンタメ」がわからない

日本児童文芸家協会の季刊誌『児童文芸2024-2025冬号』のエンタメ特集にて、座談会に参加&記事を掲載いただきました。

石崎先生にお会いでき、とても励まされるお言葉も頂き、本当に貴重な機会となりました。本当にありがとうございます🙏
鼎談自体は数時間やっておりまして、記事はそれをぎゅっとしたエッセンスが詰まったものなので、とっても濃い内容になっているかと思います。

ところで。

まぁ記事読んでもらえばわかるのですけども。
エンタメってなんなのか、私はいまだにさっぱりわからない。
正確に言うと、児童文学界隈の方々が論じてるエンタメがわからない

私はYA小説が好きで小説を書いていたものの、デビュー作はライト文芸で二冊目も児童文庫と、いわゆるエンタメど真ん中のジャンルから商業の世界に入り、その後児童文学畑に足を突っ込むことになりました。それで協会に入ったりなんだりしたところ、エンタメとは何か、みたいな話をみんながしていてびっくりしたのです。

「エンタメ」ってジャンルとか棚とか分類があるわけでもないのに

児童文庫とかソフトカバーとか、判型やジャンル、レーベルに違いがあるのはもちろんで、その違いを捉えるのはもちろんわかるのですけど。

そんな界隈の片隅で、私は「恋ポテ」みたいなわりにポップで明るめの作品を書いています。

同じハードカバーの本なのに、よそと比較されて「エンタメ系」とか「エンタメ色が強い」とか言われるわけです。

エンタメってなんやねん!

私が出した本はハードカバーのYAであって、それ以上のものでも以下でもなくない……??? 小説が楽しく読めるって普通じゃない……?

ちなみに児童福祉文化賞をいただいた『笹森くんのスカート』。

こちらもハードカバーなんですが、「これはエンタメだ」と論じている書評?みたいなものを見かけたことがありまして。

エンタメってなんやねん!(2回目)

「エンタメ」って言葉をそういう方たちはどういう定義で使ってて、どういう意図でその枠に括ろうとしてるんですかね。同じ判型で同じ棚に並んでるほかの作品と謎の線引きされてるような気分になるのは考え過ぎなのか。


小説って時代によって書き方が変わってきたものだし、今後もきっと変わっていくので、個人的には正解なんてないといつも思ってて。「小説はこうあるべき」みたいな型にはめるようなこと、あんましたくないし意味ないなぁと思います。
なお、「自分はこういう書き方が好き/嫌い」というのは個人の感想なので好きに言えばいいです。私にだってテーマや文体の好き嫌いはある。

そして、どんなに高尚なテーマを掲げたところで、小説なんてものは娯楽です。特に児童書なんて、学びがあるのはいいことだけど、それ以上に子どもが楽しく読めてなんぼじゃないですか。ジャンルがどうあれ、面白さのベクトルが違うだけで、小説なんてどれもこれもエンタメの一つじゃない??
※個人の感想です。


……そんなこんなで、エンタメについてというお題だと、私の中にはこういうもやもやが常にありまして。そういうことを座談会でもたくさん話して、記事にも書かれているのでよければ読んでください(2回目)。
それと、エンタメってなんやねんはまぁともかく、ジャンルによって書き分けるというのは技術的な話で、商業でやるなら必須。記事では技術に関する実践的な話もたくさん載ってるので、ためになると思います!

そして最後に。

私なんかを鼎談に読んでくださり、記事にまとめてくださった石崎先生、望月芳子様、『児童文芸』の編集の方々に改めて御礼申し上げます。記事では表現丸めましたけども、こんなこと児童文学の雑誌に載せていいのかと我ながら思う内容がわりとそのまま載っています。寛容だ……。

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神戸遥真
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