1冊の本ができるまで
『嘘泣き女王のクランクアップ』(Gakken)が発売となりました🎉
2024年最後の単著となります📖
今作のテーマはずばり「涙」。
そういえば本ができるまでの流れとか、あんまり書いたことがない気がしたので、簡単にふり返ってみます🌟
◆打ち合わせ
Gakkenさんとはアンソロジーで既に数冊お仕事させていただいていたのですが、改めて声がけいただき打ち合わせしました。去年の七月くらい。
その際に、例として提示いただいたテーマが「男の涙」。
実は普段から興味のあるモチーフやテーマを手元にストックしているのですが、「男の涙」もその中の一つとしてあった&丁度読んでいた本にも出てきていた話題でもあったので、そちらで進めることに。
「涙」というテーマなら「演技」と組み合わせるのがいいのではないか、と前から思っていて手元のアイディアでは演劇部が舞台になっていたのですが、演劇部は『カーテンコールはきみと』シリーズで既にやっており。
どうしようかなと考えて出てきたのが「映画撮影」でした。演劇関連の勉強してると、舞台演技と映像演技という言葉が出てくることもあって、興味あったのですよね。
そんなわけで、映画撮影をする中学の部活が舞台&涙をテーマに!という方針で決まりました。男の涙を書くなら女の涙、嘘泣きなんかも入れたらいいのではと考えながら組み立てて企画書に。大筋はこの企画書段階から変わってないような気がします。
嘘泣きが得意なあざとかわいい女子をヒロインにできて私は大満足です。
◆取材も!
実は十年以上前、シナリオセンターに数年通っていた時期があるにはあるのですが、映画撮影自体は素人。というわけで、お友だちに協力を仰ぎました。アマチュア時代からのお友だちで映画監督もやっている舟崎泉美さんに、昨年十月、映画撮影についてインタビューしました🌸
事前に自分でも下調べはしていたのですが、いざ訊いてみると思ってたのと違ったり、こんなところに気を遣うのか~みたいなのがわかって面白かったです。本当にありがとうございました! おかげで、作中でも映画撮影についてのあれこれを具体的に書くことができたかなと思います。
なお、舟崎さんとはアマチュアだった頃(もう10年くらい前?)からの付き合いで、改めて商業の場でご一緒できてちょっと感慨深かったです。
ちなみにインタビューでは担当さんも同席し、立派な議事録を作ってくださってこちらも大感謝でした。
あと今回作中にシナリオパートがあるのですが、これはシナリオの勉強をした経験が活きました。かつて学んだことを活かせてよかったです。
◆以降、詳細プロット~執筆もろもろ
取材の内容も踏まえ、詳細なプロットを作成。それをもってGOが出たあとは執筆です。今年の2~3月に原稿作成→担当さんと何度かやり取り、9~10月でゲラ作業して校了、11月に発売に辿り着きました🎉
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こんな感じで、初回の打ち合わせから本になるまでにかかったのは、1年3ヶ月ちょっとくらい。1年以上かかったというと長く感じる方が多いかもですが、私の感覚だと児童書単行本としてはだいぶ進行は早め。
児童書単行本、話をいただく時点で「2年後の刊行を目指して~」ということも少なくないのですね。各社刊行点数も多くなかったりするので、先々まで刊行予定が詰まっていることも多いですし。
今回、最初の打ち合わせ段階から来年秋目指して、という話で、その目標どおりに出たのですごいです(目標も後ろにずれること多々なので)。
そんな感じで、1年以上かけて丁寧に作ってきた本になります!
萩森じあ様による装画が青春全開で美しく本当に素敵です✨カバー下のデザインも推しポイント🌟
モノクロの挿絵もあってそちらもカバーに負けないくらい素敵なので、ぜひお手にとって頂けたら嬉しいです🐰
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