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最強クイーンたちのド派手ショウタイム! ミュージカル『SIX』

ヘンリー8世…?

イングランドの歴史はシェイクスピアの『ヘンリー6世』三部作でしか知らない。8世ってことは薔薇戦争終わった後だなという程度の認識で、どんな王様だったのかまるで知らない。

離婚に処刑に死別(しかも妻が全部で6人)って、いったいどういうことなのか・・・とは思ったものの事前学習は特にせず、六本木へ。ミュージカルというよりクイーン6人によるノリノリのライブ。全員カッコ良くて、観た後元気をもらえた。

あらすじは、いつものように主催さまのホームページから引用。

16世紀の英国、テューダー朝。長兄の早世により王位を継承することとなった弟ヘンリー。
その在位38年間、”ヘンリー8世”は離婚と処刑を繰り返し、6度の結婚を経験する。
「英国史上最も有名でスキャンダラスな暴君」として知られるヘンリー8世…
ではなく、その元妻たち 6人がマイクを握る!
王妃たちは現代に蘇り、歴史上最もパワフルなガールズバンドを結成。
しかし、誰がこのバンドの主役になるのか——
それぞれの愛と喪失、共通する悪名高い元夫の物語、
そしてこれまでの王による王のために語られてきた歴史ではない「彼女たち」の歴史を語り継ぐべく
テューダー朝のヒストリーを、力強く書き直す!

https://www.umegei.com/six/story.html
より引用

1人ずつどれほど酷い目に遭わされたかを歌い上げるのだが、歌唱はバンドのヴォーカル。いわゆるミュージカルの歌い方ではないのでミュージカルを観にきた感はゼロ。

まー、ヘンリー8世って酷い男ねと客席のこちらは思うわけだけど、クイーン全員ちょっとだけ「いや、でもカワイイところもあったわよ」という雰囲気をにじませる前半。空気が一変するのは6番目の妻キャサリン・パーの登場のとき。自身の物語をクイーンひとりひとりが歌い上げるとき、「誰かの妻の物語」は消え去り、6人分の「わたし」の物語が出現する。劇場のヴォルテージも最高潮へ。

撮影OKだったカーテンコールの写真はうまく撮れなかったけど、せっかくなので1枚だけ載せておく。

スマホでクイーンたち、自撮り中。

ギャルっぽい…

というわけで事前知識が無さすぎたところを、漫画『セシルの女王』にてあとから補完。

『セシルの女王』について少しだけあらすじを。主人公のウィリアム・セシルは12歳の時王に仕えることで出世を目論み、衣装担当宮内官である父に連れられ、初めて城へと登る。そこで出会ったのが暴虐な絶対君主・ヘンリー8世。時の王妃アン・ブーリン(2番目の妻)と出会い、歴史の大きな流れと王ヘンリー8世や取り巻きに翻弄されながら、その娘エリザベスを王女にすべく奔走していく・・・という物語。

なので、ヘンリー8世の歴代の妻がみんな出てくる。どれほど酷い目にあったのかも漫画で描かれてて分かりやすい。『SIX』の参考書としてはうってつけ。

漫画を読むまで知らなかったことがいっぱい。
3番目の妻シーモアは息子をもうけたもののその息子エドワード6世は早世し、結局2番目の妻ブーリンの娘がのちのエリザベス1世として長く国を統治することになるという話も、そのエリザベス1世をきっちり教育したのが6番目の妻であるパーであることも。

そして驚いたのが、「正妻の子にしか王位継承権が無い」つまり、江戸時代の大奥みたいに側室が産んだ子が次の将軍、というのはあり得なかったということ。まあ宗教的な理由があるか・・・当時のイングランドは。愛人が妊娠してその子供が男の子だったら、無理やりにでも離婚してそっちと結婚する、というのが当たり前だった時代の話なのかとようやく納得。

前提知識がアップデートされたので、もう1回観たらより楽しめると思うのだが・・・。いかんせん2月は観たい映画も多数あり、忙しくてもう1度EX Theaterに行くのは厳しい。2月は残り帝劇と日生劇場に何度か行く予定。

実に楽しい体験だったし、クイーンを演じてほしいミュージカル女優さん大勢いるので、ぜひ再演をと願う。


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はるまふじ
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