三浦春馬さん作品レビュー:ゲキ×シネ ZIPANG PANK 五右衛門ロックIII
ドリパスで観てきました。「ゲキ×シネ ZIPANG PANK 五右衛門ロックIII」。DVDを購入しましたがやはり劇場の大画面で観たかったのです。
少しだけ説明しておくと、劇団☆新感線で「五右衛門ロック」というシリーズものを3本上演しています。音楽と演劇が融合した新感線らしい、歌って踊って笑える演目で、ミュージカル・・・なんでしょうかね。舞台は太閤秀吉の時代になります。主役の石川五右衛門は古田新太さんが演じています。このシリーズ3本目が「ZIPANG PANK 五右衛門ロックIII」です。
三浦春馬さんは本作に探偵「明智心九郎」役で出演。ほかに女盗賊役で蒼井優さん、石田三成役で粟根まことさん、傾奇者前田慶次郎役で橋本じゅんさん、シャルル・ド・ボスコーニュ役で浦井健治さん、堺の商人蜂ヶ屋善兵衛役に村井国夫さん、太閤秀吉役は麿赤児さん。映像だけですが天海祐希さんも登場。錚々たるメンバーです。
作品自体は2012年から2013年にかけて上演されているもので、ちょうど「ラスト・シンデレラ」の前ぐらいでしょうか。
とにかく、三浦春馬さんがのっけから歌って踊って殺陣を披露して、大暴れです。この時すでに歌はお上手ですが、やはりその後の「春馬ローラ」を先に知っている身には、ああやっぱりずいぶん努力してあのローラを演じたのだな、という思いがよぎります。高音域の声の伸びとか、声量とか。
出演者の皆さんが歌って踊って、チャンバラやってと盛り沢山、最後はスッキリ大団円の舞台ですが、この作品で圧倒的にカッコいいのは、なんといっても主演の古田新太さん。いやあ、めちゃくちゃカッコいいです。橋本じゅんさんも、浦井健治さんも、すごくいいんですが古田新太さんが別格にカッコいい。それだけでも観る価値あります。
話を三浦春馬さんに戻します。生の舞台で観たかったというのが本音ですがゲキ×シネで観たことで、アップの画像が多く堪能できました。とにかくビジュアルが本当に素敵で。立ち姿、苦悩の表情、覚悟を決めた表情、吹っ切れた笑顔、殺陣、見得の切り方。とにかくすべてが美しくて陶然としてしまいます。思わず「心九郎さま~」と叫びそうになります。
若い頃とは言え、三浦春馬さんの歌と踊りと殺陣と演技をいっぺんに味わうことのできる、貴重な作品だと思いました。
あとやはり、特筆すべきは「声の演技」。春馬さんは本作の前半で、高めの声を出しておられます。おそらく意識的に。仮面をかぶった「探偵明智心九郎」を演じているときは、高めの声。後半に差し掛かるにしたがって、だんだん声が低めになっていきます。これは、ご自分で考えられたのか、それとも演出家の指示によるものなのかわかりませんが、良く練られた演出だなと思いました。
新感線らしい痛快なエンターテインメント作品を堪能した満足感とともに、あー面白かったなとエンドロールを眺めていたら、最後に突然
「心九郎の笑顔(キラリン)はいつも心の中に・・・」の文字が。
(泣いちゃったので後半なんて書いてあったのか覚えていません)
ダメですよ。こういう愛のある不意打ちは。泣かずにいられないじゃないですか。
五右衛門ロックIII、すごく面白かったです。もしドリパスで観られるようでしたら、ぜひご覧になることをお勧めします。リクエストしてみるのも良いかもしれません。
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