8月観劇記録 『家族モドキ』
普段はミュージカル界でご活躍の4人がストレートプレイを?どんな感じになるのかな?
忙しい仕事の中ようやく迎えた夏休みの最初に、シアタークリエで観た舞台。席は前から2列目。近い!
観劇日・キャスト
2023年8月10日(木)ソワレ 8月12日(土)マチネ
場所:シアタークリエ
キャスト(敬称略)は以下の通り
あらすじ
日本史(専門は幕末及び勝海舟)学者で頭のカタい高梨次郎の元に、娘・民子が3年ぶりに帰宅するという。ソワソワする次郎の自宅を何故か覗き込む不審者は、民子の同級生の木下渉だった。
不仲な親子の間に挟まれる渉。民子は妊娠中でまもなく子どもが生まれるという。口論になる中陣痛が始まり…やがて木下渉の妻・園江も加わり…
「家族」とは。血縁?こころの繋がりって?を問いかける作品になっている。
感想
テレビドラマっぽい
セット、ストーリー、演出やセリフ。
すべてが映画的でもなければ演劇っぽくもない。なんだかテレビドラマ(しかも2時間もののスペシャルドラマ)のようだった。
この手のドラマは最近けっこう多い。家族って何とか、名前のない関係でも心地よければアリじゃんみたいな、「にんげん関係の再定義系」。ポップに振ったりシリアスに振ったり、さまざまな作り手があの手この手でやっている印象である。
山口祐一郎さんがかっこよすぎる
至近距離で山口祐一郎さんを観たのは初めてだったのだけど、あまりのスタイルの良さと立ち姿の美しさに見惚れた。反則級だ。我が推し・浦井健治が霞んで見えるほど。
いやあ、素敵すぎた。多少偏屈でもなんだか許してしまいそうになる。いや、わたしなら許すね。
舞台でやる意味とは
7月に『兎、波を走る』を観た衝撃が、自分の中に色濃く残っていたので考えてしまった。
この作品を演劇でやる意味ってなんだろう。
明らかにテレビドラマでワンクールかけて丁寧に描いた方が、観る方に伝わるものも大きく、「いま」のリアルタイム性も出せて、俳優さんのお芝居も堪能できるのに。せっかく劇場に足を運ぶのだから、演劇でしか伝わらないものが観たいではないか。
いやじゃあ演劇でしか伝わらないものって何よ?と問われたら、ファンタジーとリアルの融合でしょうよ、と答えるかなあ(個人の見解です)。
俳優さんたちのお芝居について
それぞれがそれぞれに持ち味を充分に発揮していて、良かった。カンパニーの仲の良さも伝わってきた。
ただ浦井健治さんについて言えば、『キング・アーサー』『アルジャーノンに花束を』でのお芝居が強烈に突き刺さったのだけど、渉役はどうも芝居があまり刺さらなかった。何故かは分からない。優しくて良い男なんだけどね。
ただひとつだけ言えるのは、あんまり趣味に合わなかったのかもしれないなあ、ということくらいか。
終わりに
これはテレビドラマだなぁ。んで最近この手のドラマ作品やたらと多いんだよなぁ、と観ながらつい思ってしまった。あまのじゃくなもので、出来れば舞台では演劇やミュージカルでしかできないものを観たい。
テレビドラマのフォーマットの方が適しているものは、テレビドラマに任せておいたら良いと思う。