眠れない夜(36w 6d)
なんとなく気分が悪く、眠れない夜が続いている。
また朝の4時になってしまった。
夏休み中の大学生と同じくらい酷い生活リズムだ。
おそらく後期つわりの影響だと思うが、夕食後の胸焼けがひどく眠れない日々が続いている。そのせいで昼寝をしてしまい、また夜眠れない悪循環に陥っている。
昨日なんかは、4時に寝て9時ごろ起き寝不足、けれど昼寝もできず、夕方になって眠気が襲ってきて、23時まで寝てしまったせいで夕飯が遅れさらに気持ち悪さアップという最悪のループに入ってしまった。まだ気持ち悪くて眠れない。でも頭はぼーっとする。
こう言う時は出産に向け動画を見て気分を紛らわせたり、必要なものをAmazonで買ったりしながら眠気が来るのを待つ。
これが地味にしんどい。眠たいのに眠れないし、なんか気持ち悪い。
食後2時間は横にならないよう頑張っているし、食べる量は控えめにしているし、インターネットの助言を聞くようにしているのにあまり良くならない。
いっそ吐きたいけど、程度が軽くて吐ける気がしない。よだればかりが口内に溜まっていく。
どこのサイトを見ても、最後は「もう直ぐ赤ちゃんに会える兆し!気合いで頑張れ!」みたいなことを書いてある。違うんだよ、根性論じゃなくて吐き気がなくなる対策方法を教えて欲しいんだよ。いい兆候だからって辛いものは辛いよ。
妊娠して赤ちゃんの成長を一番近くで感じられるのは嬉しいし、人から優しくしてもらえることも多いし、辛いばかりでないのは確かなんだけど、やっぱりずっと体調不良が続くのは辛いし、円靭痛や腰痛は痛いし、体力は落ちるし、食事は制限されるし、お腹の中の赤ちゃんが元気か結構な頻度で不安になるし、現段階ではまだ差し引きで辛さが上回るような気がする。
でも、支えてくれた夫もめちゃくちゃ大変だしな。仕事しながらつわり妊婦の介護もしないといけないし、あれしか食べれないというわがままを聞いて買い物に行くのも、つわり期間中、毎朝忙しい中りんごをむいてくれるのも、お出かけ中に常に私の体調に気を配らなければならないのも、多忙なスケジュールの中出産に立ち会えるよう仕事を調整するのも、配偶者が産育休に入って大黒柱にならないといけないのも、まだまだ書ききれないあれもこれも、全部こなすのは本当に大変だっただろう。それこそ、私と同等かそれ以上に。
それでも、本当に大変だね、ありがとう、一緒に頑張ろうねと言えるのは本当にすごい。立場を入れ替えた時、私にそれができたか、正直わからない。
なんかXで「妊娠出産は女にだけ負担が偏るから、その分を男は埋め合わせする必要があるので家庭内に男女平等を持ち込むのは不可能」みたいな話題が燃えているのを見かけたんだけど、これはある意味でそうなんだろうな、と思う。
ここで言う「家庭の男女平等」とは、主に金銭的な負担の男女平等を指していて、「妊娠しても家計費の折半(あるいは妊娠前と同じだけの負担)は継続。出産育児で女の収入が落ちてもそれは女が事前に貯金等をして対応するのが男女平等だ」という主張だ。
いや、その男女平等を妊娠中も継続するのは無理だよ。と私は思う。実際、我が家は給料からおおよそ同じだけの割合で家計にお金を入れていて、残った分がお小遣いという制度をとっているのだが、つわりで休業していた期間は残業代がなかったり、傷病手当だからそもそもの手取りが減ったりしたので、いつもの2/3の金額しか入れなかった。もちろん、その分家事負担を増やしたなんてこともない。むしろ夫がほとんどの家事をこなしてくれていた。その期間、私はとにかく休養することしかしていなかった。
休養に専念させてくれた夫には、心の底から感謝している。だが、つわり中に入れたお金が減っていたことや家事負担も減っていたことが「男女不平等で間違っていた」とは私は思えない。
家計費や家事分担は、2人で折半することができる。けれど、つわりは2人が子供を得るために、私(女性)だけが引き受ける辛さだ。つわりの苦痛は女にしかない。不平等だが、そういう仕組みになっている。つわりの苦痛を2人で平等に半分こすることはできない。妊娠出産で発生する苦痛は、だいたい全部そうだ。
妊娠出産の苦痛や不利益においては、理屈上平等にすることができないのだ。だから、女性が被った苦痛や不利益を、男性側が別の形で補填することしかできない。苦痛を数値化することは難しい。それに、妊娠に伴う不利益を金額に落とし込むことも難しい。しかも、人によってその程度が異なるので、一般的な妊娠の苦痛・不利益の程度を示すことはかなり難しい。
一方で、より多く負担した家計費の金額や、代わりにやってあげた家事の時間は数値化しやすい。定量的に測れるものと測れないものがあると、どうしても定量的に測れるものの方がわかりやすく負担増を示すことができてしまう。
けれど、その背後には数値にしにくい女性側の負担がまずあって、これを夫婦協力して乗り越えていくために、男性側は金銭的負担、あるいは家事負担をいつもより多く負うことでようやく妊娠時における負担が平等になる、と私は思う。
だから、「金銭的な男女平等」を家庭内に持ち込むことはできない、という意見に私は賛成だ。家庭を経営するために必要なのは負担は金銭だけじゃないから。そしてその負担を男女平等にすることができないから。負担するものも男女によって変わってきてしまうのだ。けど、多分どっちも同じくらい辛い。男性は可能な限りフォローするべきだと思うし、女性はそのフォローに甘えすぎずできることはして、休むべき時は休めば良いと思う。そもそも、夫婦は敵じゃない。「子供を迎える」という同じ目標を持った仲間のはずだ。難しく考えてしまったが、同じ目標に向かう仲間が困っていたら助ける、本来はそれだけのことのはずだ。
けれど、そもそも生きていくのは大変だし、その上、妊娠出産は男性も女性も本当に大変だから、2人とも余裕がなくなっちゃって、こういう話になるんだろう。
(ちなみに、この話題は遡ると婚活のお茶代を男が奢るべきか、みたいな話だったり、妊娠出産の価値は2000万円で、妻のみがその負担を引き受けるので夫は1000万円分どうやって補填するか、みたいなすごくややこしい話らしいが、ここでは触れないでおく)
なんて、長々と書いたけれど、我が家は家庭の男女平等でいがみ合うことと全く縁のない生活を送っている。ひとえに私の妊娠中の金銭的・家事的負担を負ってなお私を気遣い続けてくれる夫のおかげだ。書いてて夫自慢甚だしいなとおもわなくもないが、感謝しなければバチがあたるほどいい人なのだ。身体的にはやっぱりきついけど、自分の家庭と縁のない炎上にあーだこーだ言える余裕があるくらいには、精神的に余裕のある幸せな妊婦生活だなぁ。
なんて回らない頭で考えていたら、だんだん眠くなってきた。朝6時だ。胸焼けを眠気が上回った。やっと眠れそう。大学生かよ。
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