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僕が電車で席を譲れなかった根本的な原因

こんにちは、ハルログです。

少し前にこんなことがありました。


電車に乗っていた時のこと。

車内は結構な混雑で、半分くらいが立っている状態。

僕は立っていた前に座っていた人がたまたま席を立ったので、

幸運にも座ることができました。


ラッキーと思って座っていると、次の駅でお婆さんが乗ってきました。

おばあさんは僕とは離れた場所で手すりにつかまっていました。

おばあさんの手にはおそらく買い物をしてきたであろうスーパーの袋が3つ。

片手で手すりを持ちながら、重そうに袋を持っています。


目の前にはヘッドホンをしてスマホゲームに夢中になる若い男。

おばあさんに気づいていないのか気づいていたのか分かりませんが、

席を譲ろうなんて考えは微塵もないことはその態度を見ていれば分かります。


「席譲れよ!」

と僕は心の中でその若者に叫んでいました。

が、やはり若者はそのまま音楽とスマホゲームに夢中になっています。


僕は席は少し離れていたのですが、重そうな荷物を持つおばあさんを見ていても立ってもいられなくなり、席を譲ろうと衝動的に腰を浮かせました。

が、次の瞬間腰をそのまま下ろします。


その時僕の脳裏によぎったのは、

「正義感ぶってんじゃねぇよ。

それで良いことしたつもりかよ?

偽善者が。」

という言葉です。


「自分が席を立っておばあさんに席を譲るのはおばあさんのため?」

「それとも自分の自尊心を満たすため?」

その葛藤のせいで、その時の僕は結局おばあさんに席を譲ることができませんでした。


ただ、あの時席を譲ろうと席を立っていたとしても、

その瞬間に別の人がその席に座る可能性は高いですし、

おばあさんも遠慮して断られる可能性もありました。(受け入れてくれたとしても、「いや、言ってもらってるのに断るのは悪いから。」と渋々受け入れてくれた、という可能性もあります。)


こんなめんどくさいことをいちいち思ってしまうんですよね。

これはひとつの例ですが、似たようなことが今まで何千回と人生の中でありました。


正直、こんなことをやる前から色々考えて行動出来なくなる癖を無くしたいです。

だから、ここぞという時に決断できなかったり、判断を先延ばしにする癖がついてるんだと思います。


で、この「色々考えちゃう癖」の根本原因として、

“行動に対して見返りを求める癖“

があると思ってます。


「席を譲ってあげたんだから、人から感謝されるだろう」

→感謝されなかった場合、やらなきゃよかったと思う。

→周りから偽善者だと思われたら嫌だ。


みたいな、やった行動に対して、

見返りがあるかどうか、

逆にやったことで自分が損を被る可能性があるかどうか、

それを考えることで、パッと行動ができなくなります。


仏教の用語で「利他」という言葉があります。

これは、人のために行動することという意味です。

反対語として「利己」があります。

利己的な人というと、自分の利益や得をすることしかしない、考えないという人のことですね。


電車で席を譲る、という行為は行動自体は利他的といえます。

ですが、その時の僕がそうだったように、

心の中で

「これをすればおばあさんに感謝されるかな」

「周りからも称賛されるかな」

「いや、逆に断られたり、周りから偽善者だと思われたらどうしよう」

という考えてる時点でそれは利他ではなく、利己に傾いています。


結局、行動としては利他的に見えたとしても、

自分の中でその目的が人から称賛されるためだったり、おばあさんからお礼を言われることが目的になると、それは自分のため=利己的な行動になるのです。


今回の件でも、初めは「おばあさんに席を譲ってあげたい」という利他的な想いがありました。

ですが、その後おばあさんはどう感じるか、周りはどう思うか、というところを頭で考え始めることで、自分がどう見られるかにフォーカスがあたり利己的な想いになってしまったのです。


これを仏教用語で一念、二念と言ったりします。

今回でいえば、

一念=おばあさんに席を譲りたい、と初めに出てきた感情

二念=周りからどう見られるか、という次に出てきた感情

です。

この一念の時に即座に行動に移すことが大事で、二念まで行ってしまうと邪念が出てきてしまうんですね。


この一念の状態で行動に移すことで、自分自身の利他心に素直に従うことができますし、もし仮に行動したことで周りからどう思われようと、気にならないはずです。(だって自分自身の動機と行動には嘘は無いのですから。)


反対にそこで躊躇していると、次に二念が出てきます。

邪念が出てきて、行動に移せなくなりますし、

行動したとしても、お礼を言われなかったら「してあげたのに」という想いで腹が立つこともあるでしょう。

これは完全に利己的な心ですよね。


なので、大事なのは初めの直感に従って、

ぐずぐずせずに行動すること。

こういう風に自分を変えていきたいと思ってます。


正しいと思うことを真っ直ぐにやる

間違っていると思うことに対して臆せずに声を上げる


簡単なようで、案外難しいです。

僕自身も何かをやる前に色々考えてしまう癖がついているので、

まずはそこを意識することから始めてみます。


おそらく、大なり小なり誰にでもあることだと思うので、

ぜひ、一緒にまずは意識することから始めてみましょう。


それでは、今日はこの辺で。



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