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こころは万華鏡のように

絵本作家のわたなべはるかです。

なかなか梅雨明けせず、さっきまで青空だったのに土砂降りになったり、一日の中で天気がめまぐるしく変わってなかなか落ち着かないですね。

天気や気圧に左右されるのか、気持ちも驚くほど変わることがあって、自分でもついていけないことがあります。そんな時に、Instagramでセーラームーンのコンパクト型モバイルバッテリーの広告を見かけました。もうそれから頭の中では、あの有名なオープニングテーマ曲がずっと流れて続けていたので、なんとなく歌詞を検索していたらこのフレーズに目が止まりました。

“ハートは万華鏡” (ムーンライト伝説/歌:DALI)

小さい頃に数え切れないくらい歌って、今でも口ずさめるほど覚えているのに、歌詞を改めて文字で見ることがなかったのですが、綺麗な言い回しに思わずテンションが上がりました。

移ろいやすい心って、あまり良いイメージがなかったんですが、万華鏡という言葉を使うだけで、その時の感情は、偶然の出来事が重なって二度と起きない奇跡のカケラのように感じました。

万華鏡の中にあるカケラは、決まったものしか入っていないのに、混ざり方や光の加減でいく通りにも変化していきます。昔、万華鏡の中に入っているものを見て、このビーズがこんなに綺麗な形を作っているなんて信じられないと思ったことを覚えています。

つい変わっていく感情や状況を切なく感じてしまうこともあるのですが、自分の心の中を万華鏡だとおもってのぞき込めば、コロコロと変わっていく気持ちを美しいものだと思えたら良いなと思ってこの絵を描きました。

『揺らめく万華鏡』/わたなべはるか

人より些細な事に気付いてしまう事は、実生活の側面からみたら傷つくことが多いので損だと思ってしまいがちです。でも創作をする上では、他の人が気づかなかった些細なきっかけを、想像力で膨らませて作品にすることができます。万華鏡パーツのように、ひとつひとつの感情は輝いていなくても、合わさるともしかしたら綺麗なものが見えるかもしれない。そんな願いも込めています。


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