「高卒でのプロ入りしか見ていない」笹修大(札幌大谷高校)の魅力
北海道のサッカー界に今後の行く末が楽しみな選手が多数出てきている。本日はその中の1選手を紹介したい。
札幌大谷高校3年 笹修大。
メインポジションはボランチ。ベンチプレス110キロをあげるという高校生離れした筋骨隆々の身体。50-50の状況の多くでボールを奪い切るデュエル能力やプレーディスタンスの広さ。また、攻撃に移ると、僅かなスペースでも、前を向き、確実に味方にボールを付ける背番号10のプレーぶりを見ていると、リヴァプール・遠藤航 味を感じさせる選手だなと感じていたが、笹に憧れの選手を問うと、「守備では遠藤航選手のような相手を潰せるボランチ。前を向いた時は、デ・ブライネのようなチャンスメイクをできる選手になりたいです。」との言葉で合点がいった。
笹は今年、U-17日本高校サッカー選抜に選出されるなど、世代の注目選手として大きく頭角を現している。笹の成長を語る上で欠かせないのが、小学生年代から中学生年代の進路選択。
当時、北海道コンサドーレ札幌U-12に所属していた笹だが、希望していた北海道コンサドーレ札幌U-15への昇格を見送られ、若干12歳で大きな挫折を味わうこととなる。だが、進学した札幌大谷中学で彼にとっての転機と言える出会いが待っていた。
川高監督の下で、メキメキと力をつけた笹。第52回全国中学校サッカー大会では、札幌大谷中を全国ベスト8に導くと、大会の優秀選手にも選出。札幌大谷高校に進学後もチームで早々にスタメンに定着するだけでなく、北海道コンサドーレ札幌U-18の現3年生の主力選手たちと共に参加した第77回国民体育大会で北海道をベスト4に導く原動力ともなった。
一見、札幌大谷の5年間で順調な成長を遂げ最終学年に上がったように見える笹だが、本人に芽生えた感情は危機感だという。
プリンスリーグ、対北海道コンサドーレU-18戦でのプレーを見て、昨年とは明らかに身体に分厚さが出ているのは目に見えて分かったが、数字を聞いて驚いた。
この日の札幌大谷の先制点も笹のセカンドボールの回収を起点としたものだった。その後も、〝かつての仲間たち〟を相手に、攻守において、違いを示していた笹。特に高校選抜での活動を経て、今、取り組んでいるという狭いスペースで前を向く力は着実に向上している姿を感じさせられた。
そんな笹は高卒でのプロ入りを熱望している。昨今、大学を経由したプロ入りを志す選手も増える中、早期のプロ入りに拘る理由がある。
実際に今後、Jクラブへの練習参加も予定しているというが、今の彼のプレーや振る舞いを見ていたら、そのチャンスを勝ち取れるだろうとの確信めいた思いがある。自分の考えをしっかり言語化できる能力を持っていて、チームの関係者の方が「笹はサッカーに対する趣も高くて、人間性が抜群。プロの世界でもっともっと伸びていくと思う」と語ってくれた通り、この選手ならきっと、上のフィールドに行って、揉まれることで順応できるだろうと感じた。
そして7月にには、待ちに待った札幌大谷高校で挑む全国大会・インターハイ2024(高校総体)がやってくる。※初戦は7/27 VS富山第一
笹修大。是非今からの彼の今後に注目してほしい。
きっと、この男は自身の夢を掴み取るだろう。
挫折をバネに、成長を遂げた選手は強い。
そして、まだまだ上へ、駆け上がる予感をさせる。