緑の哲学 農業革命論: 自然農法 一反百姓のすすめ

『緑の哲学 農業革命論: 自然農法 一反百姓のすすめ』春秋社 福岡正信著 発売日‏ :‎ 2013/5/21 を読みました。

奇跡のりんごの木村さんも参考にされたということで、自然農法で有名な福岡正信さんの本を読んでみました。

文章を読んでいるだけで、かくしゃくとして説いてくる福岡さんの姿が目に浮かぶようで、正座をして読みたくなるような本でした。

また、木村さんは緑肥といって、土に栄養を与えるために大豆と麦を使っていましたが、福岡さんは巨大(ラヂノ)クローバーというクローバーと麦を使っており、クローバーという身近な植物が豆科だったこと、そしてそもそも植物を育ててそのまま土の肥料にするという知識自体がなかったので、面白く興味深いと感じました。

福岡さんのことは、以前なにかで見聞きしてインターネットでその写真を見たことがあるのですが、雑草が生え茂る畑に籾殻を撒いて歩いている姿がとても印象的で、斬新な、革命的なことをしているという気持ちを持ちましたが、本を読み、たしかにその通りでしたが、彼のなかではそれはなるべく人間を自然の近いところへ戻そうとするやり方だったのだということがよく理解できました。

農業が機械化によって効率化し、一見楽になったように見えても、実際には忙しくなるばかりでプラスマイナスゼロであり、かえって人間の仕事を機会が奪い、人間が疎外されるという結果をもらたらすだけである、という文面は、農業だけでなく、今さまざまな職業でますます色濃く出てきていることであり、1937年からこの活動をされているという福岡さんはすごい方だなと改めて感じました。

福岡さんが仰るような科学を放棄し、世界中の人が農民となって自然農法によって食べ物を作るという選択を人類がする時は、来るのでしょうか。

生温いかもしれないですが、私はまだ、人が科学を利用しながらよい在り方を見つけられる道があるのではないか、それをなんとか探したいと思ってしまいました。

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