左手と右手
今月結構お芝居を観に行く機会が多いのですが、なかなか大満足の舞台に出会えずしょんぼりしている寿司子です。
それにしても打率低い。
さて。
今回は名前は知っていたけどおそらく初めて観た劇団小松台東の「左手と右手」です。
わたしは知らなかったのですが、小松台東って宮崎の地名なんですね。
主宰で作演出もしている松本哲也さんが宮崎のご出身ということでおそらく縁がある土地なのでしょう。
はい、前置きはこのくらいにしていきます。
ちなみにネタバレありです。
宮崎出身の作演出がいる割にはみんな宮崎弁下手じゃない?
今作は舞台が宮崎なのもあり、ほとんどのキャラクターが宮崎弁で話すのですが、すごい下手なんですよ。なんか。
いわゆる静かな演劇ジャンルのとつとつとした話し方させる演出スタイルなのですが、宮崎弁の特徴と合ってない。あと、めちゃくちゃ音痴な宮崎弁の出演者の方もいて、まぁまぁ何かありそうで何も起こらない序盤のシーン、ただただ下手な宮崎弁を聞かされてるだけの時間が冒頭から結構な長さ続きます。
いや、シンドイわッッツツツ!!!
しかも意味深でなにかありげなポエムのような台詞の応酬と、なんとなく陰鬱な表情の登場人物たちばかりなのですが、多くは語られないスタイル。なんやねん、マジで。
意味不明にただ不機嫌な人を見るほど不快なものはありません。
淡々と進む作品って人気あるよね、分かるよ、面白いもん。ドライブマイカーとかさ。でも結構計算された台詞、言葉を紡いでいかないと、むしろそれがポーズに見えちゃうんだわ。あと淡々とテンション上げずにっていうのと不機嫌って全然違くて、前者は丁寧な印象を受けることが多いが、後者はむしろ不躾なんだわ。なんでお金払って不機嫌な人を見て不快にならなきゃいけないんだわ。と思うんだわ。
その後次々に登場してくるキャラクターも基本人を不快にさせるような人物設定。しかも不快にさせるだけでなく、その陰鬱な気持ちをこっちに押しつけてきて、わかってほしいみたいな欲求を感じるんです。始終ポエムを吐きながら。いや、知るか、マジで。私は失礼なおじさんが出てきた時に、「あ、もう帰ろうかな」と思うほどでした。
そんな中で東京から来た2人のキャラクターが出てきたときは安心しました。演じた俳優のポテンシャルかもしれないけど、基本的には周りの人達の陰鬱さを受けて、明るく返そうとしていたり、気を遣っていたりするから少しホッとするんです。
演出と本の問題かな。
それにしても、あんなに自分が不機嫌なことを他人、ましてや初対面の人に大っぴらにぶつけるかな?その理由はなんなの?そこに本音と建前のシーソーの揺れがないから全然共感できない。下手か、本。
それから終盤、もうこれ以上大きな出来事は起きないであろうという段になって、2回くらい暗転挟むんですよ。暗転ってお客さんの気持ちが少し落ち着いちゃうんです。畳み掛けてった方がいいところで気持ちが少し落ち着いちゃうと、なんか体感として長く感じるんですよ。下手か、マジで演出。
あとどーでもいいけど、「あ、トンボ」って台詞ダサいよね。
なんかダサ台詞多いし、あと、主人公の女の人が忘れられない2つの情景があるみたいなこと言い出して、1つを語った後、もう1つをなっかなか語らないんですよ。話すねって言って、餃子食べたり、結局なに?って聞いても、いつか話すみたいに焦らしてくるんです。いや、餃子食べてんじゃねーよ!と全力ツッコミですわ。(ちなみに終演後、寿司子は餃子を食べました。え、影響されちゃってんじゃん、なんか)
それでもって結局なんやかんや話すんですが、そんだけ焦らしといて言ったその忘れられない出来事とやらは、「私たちが出会った日のこと」とかいうザックリした答えなんですわ。
オオオォォォォォォォオオオオイッッ!!
断片でもいいからもっと具体的かつ印象的なこと言えや!思いつかなかったんだろ、書いてる時に。正直に言え。な。楽になるぞ。
ラストのこれに集約されているように、思わせぶりで意味深なこと言っといて、結局大した中身もなければ、なんなら伏線回収されずに終わった。という感じでした。
あとあれ、ラスト手繋ぐところ、繋ぐ前に繋ごうと近づく動きで分かっちゃうから繋いだ瞬間のモーメント殺してるで。考えろや、演出として。
あとね、設定も意味不明。主人公はバツイチででも今一緒に住んでる男とは前も付き合ってて?その男は東京に行っちゃってて?今男の実家に住んでんの?いや、分かりづらいし、ちゃんと誰か説明せい!!
とにかく、松本さん、作演出でメインキャストで出演もするって結構限界なんじゃないの?
今日もワサビ効きすぎちゃったかな!
寿司子でした!
「左手と右手」
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