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Google Trendsを使ってみよう!

「ネット上でアイスクリームの検索数が最も増える時期、知ってる?」
「お葬式って2月が一番多いんだって・・」

こんな話を聞くと、「え、どうやってそんなことが分かるの?」と興味が湧きませんか?

実はそれを簡単に知ることができるツールがあります。
それが今回紹介する「Google Trends」です。
このツールを使えば、インターネット上でどんなキーワードが、いつ、どれくらい検索されているのかを簡単に調べられます。
使い方はとても簡単なのに、意外な発見や面白い情報がたくさん詰まっています。
例えば、「クリスマスプレゼント」の検索タイミングや、「金曜ロードショー」がどこの地域でより多く検索されているかなど、知れば話題作りや日常のヒントにもなるような情報が満載です。

私は普段、データ分析やマーケティングの仕事をしていますが、このツールにはいつも驚かされます。
単なる「検索データ」に見えるものが、社会の動きや人々の行動パターンを浮き彫りにしてくれるのです。
そして、使っていくうちにデータを読み解く力を自然に養うきっかけにもなる。これがまさに「Google Trends」の面白さだと思っています。

今回は、このツールの基本的な使い方から、生活や仕事に役立つちょっと意外な使い方まで、わかりやすくお伝えします。
「こういうのは難しそう」と思う方でも大丈夫。
誰でも簡単に試せるような内容を厳選していますので、ぜひ楽しんで読んでみてください!


Google Trendsの基本機能

それでは早速、このツールがどのようなものかご紹介します。
https://trends.google.co.jp/
まずはこちらのサイトにアクセスします。

このような画面が表示されます。

https://trends.google.co.jp/trends/explore?geo=JP&hl=ja

検索窓に好きなキーワードを入力して検索してみましょう。
試しに「クリスマスケーキ」を検索した結果が以下のようになります

キーワード「クリスマスケーキ」

このグラフは2004年から2024年12月上旬までの検索データを示しています。興味があれば、ぜひご自身のブラウザでも試してみてください。
カーソルを動かすと、特定の時期の検索ボリュームがわかります。

左から順にグラフをなぞると年に一度、12月に大きな山(私はこれをスパイクと呼びます)を作っていることが確認できます。
このグラフから読み取れることはシンプルです。
12月になると、みなさんこぞってネットで「クリスマスケーキ」を検索しているという事実がデータとして理解できます。

とてもわかりやすいグラフですが、少し気になる部分があります。
それは2020年の検索数が最も多く、その後徐々に下がっている点です。

赤枠が2020年12月

なぜでしょうか?
2020年には何がありましたか?

そう、コロナで日本中が外出規制にあった時期ですね。
一つの仮説として、クリスマススケーキのオンライン販売を求めて、この年はネット上での検索数が急上昇したのではないかと考えられます。
これが事実か否か検証するには他のデータを参照する必要がありますので、一旦この記事ではデータから読み取れる仮説までとします。


いろいろなキーワードを見てみよう

それでは次に、少し形状の違うグラフを見てみましょう。
「運動会」を調べた結果が次のグラフです。

キーワード「運動会」

このグラフも先程同様に2004年から2024年12月上旬時点の内容です。

先程のクリスマスケーキは年に一度、大きなスパイクが発生していましたが、このグラフは少々異なります。
年に2つの目立つスパイクが発生しています。
カーソルを当てると、それが5月と9月であることがわかります。

保育園・小学校、また地域要因を加味すると北海道と九州では気候気温の関係で運動会の開催時期が異なります。
このグラフではクリスマス同様に年に一回のイベントであっても、地域や学校種別による違いがグラフに現れる事実を知ることができます。

すこしデータの見方に慣れてきたでしょうか?
次は、少しだけテクニカルな検索とデータ解釈をご紹介します。
キーワードを2つ、かつ2種使います。「彼女 プレゼント」「彼氏 プレゼント」これらを一つのグラフに表します。

キーワード「彼女 プレゼント」「彼氏 プレゼント」

するとどうでしょうか。一見、同じ時期に2つのデータのスパイクが確認できます。このスパイクの頂点はいずれもクリスマスの約1週間前です。
しかしよくよく見ると、グラフがわずかにズレていることがわかります。

赤線「彼氏 プレゼント」のグラフの盛り上がりが先に発生し、青線「彼女 プレゼント」のグラフと同じタイミングでトップに到達します。
これは日本に限らず、他の国の大多数でも同じ結果なのですが、何か特定の予定やイベントに対して男性よりも女性の方が早くから準備を始めるという行動が見受けられます。
このグラフのデータも顕著で、クリスマスのプレゼントを男性よりも女性の方が早く探し始めたという解釈をすることができます。

少し補足します。
この男女別の行動比較に関しては私が過去にGoogleアメリカ本社にてGoogleTrendsのプロジェクトマネージャーから聞いたお話しでもあるので、信憑性は高いと解釈いただいて大丈夫です。

しかし、このグラフにも面白い部分があります。
2023年のスパイクを見てください。

2023年 プレゼントの検索の違い

この年に限っては男性と女性の行動がほぼ同じであり、また例年と異なるのはスパイクのトップ部分が女性より男性の検索数が多いのです。
これは別途私も追加リサーチをしたいと思いました。
2023年は日本国内においてジェンダー論の変革や、女性の活躍による相対的価値観・経済的事由の変容があったのかもしれません。
それとは関係なく、どこかの消費財ブランドのマーケティング効果でこのようになっているのかもしれません。
いずれにせよ、今後のデータ変動が興味深いですね。


トレンドが読みづらいデータもある

ここまでのグラフではおもに年次イベントをご紹介しました。
伴いグラフは特定の時期にスパイクが立っていて比較的見やすい、内容を捉えやすいものでした。
しかしキーワードによってはグラフ化されてもサイクルを捉えにくいものも存在します。

例えば新商品や、今まで全く世に出ていなかったサービス等はグラフに周期性が見られません。私はこの状態をカオス状態と呼びます。
そもそも検索数が少ないことと、CMやSNSの拡散が検索数に起因し、マーケットに周期性が生まれていないことを意味します。
しかし面白いのは、そのような新商品が一般認知されはじめると、グラフはキレイな周期的な形へと収束をはじめます。

カオスから成熟へ移行した事例として、「筋トレ」の検索データを見てみましょう。

キーワード「筋トレ」

データ期間は2004年から2024年12月上旬時点の内容です。
グラフ左側(初期)では、検索ボリュームが少なく、スパイクや周期的なパターンを見つけるのが難しい状態です。
しかし年月が経つに連れてボリュームが増え、周期的な形状を築き始めます。

2022年から2024年の拡大グラフ

具体的には夏前に筋トレのボリュームが増え、12月に減少するという結果ですね。言葉に置き換えるとわかりやすく、「夏に向けてダイエット・体つくりをして海に遊びに行こう」というユーザが増えたと捉えることができます。
Tシャツを着る時間が減るとともに、筋トレへのモチベーションが下がっているのだろうな、とも考えられますね。

また関連する要因としては近年格安ジムが急増したことや、SNSの普及、筋トレ系インフルエンサーの出現が挙げられます。


Google Trendsの可能性

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
少しでもGoogle Trendsに興味を持っていただけましたでしょうか?
「こんなに簡単に世の中の検索傾向を調べられるなんて!」と感じていただけたなら、とても嬉しいです。

Google Trendsは、その使い方次第で日常生活にも仕事にも役立つ、とても便利なツールです。
趣味や学校の自由研究、マーケティング、事業計画など、幅広い場面で活用できる可能性を秘めています。

今回ご紹介した事例は、Google Trendsの魅力のほんの一部です。
データは単なる数字ではなく、人々の行動や価値観を映し出す「物語」を持っています。
ぜひ探偵になった気分で、気になるキーワードを検索してみてください。
意外な結果や新しい視点が、あなたの日常をちょっと豊かにしてくれるはずです。

さらに活用するには?

Google Trendsをもっと活用する方法
この記事では基本的な使い方をご紹介しましたが、Google Trendsにはさらに多くの可能性があります。
例えば、以下のような機能を活用することで、さらに深い分析が可能になります。

  • 地域別の比較
    特定のキーワードがどの地域でより多く検索されているかを確認。

  • 期間指定の細分化
    特定の年や月に絞った詳細なデータを分析。

  • 関連するトピックやキーワードの確認
    関連キーワードやトレンドを発見。

これらを駆使することで、より専門的な視点からデータを読み解くことができます。
活用の幅は無限大です。興味を持たれた方は、ぜひ挑戦してみてください!


お知らせ

最後に少しだけお知らせです。
この記事を読んでGoogle Trendsに興味を持った方はもちろん、リサーチやマーケティング全般に関するご相談がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

データ分析やツール活用についての具体的なアドバイスをご提供します。
個人事業主様向けの活用コンサルティング、教育機関でのグループワーク、企業のデータリテラシー向上研修など、さまざまなニーズに柔軟に対応可能です。

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はるさん
まさか!まさかの!ありがとうございます!