Polygon Tokyo Hacker Houseに参加して
7月1日〜3日かけて原宿のWeWork アイスバーグにて開催されたPolygon Tokyo Hacker Houseに参加してきましたので感想等をまとめていきたいと思います!
エンジニアとしてはもちろんのこと、様々な角度から非常に有意義な3日間になりました。
Polygon Tokyo Hacker Houseについて
感想等を述べていく前に簡単に概要をまとめると、DeFi、メタバース、NFT、Gamingの4部門のいずれか向けにPolygonネットワーク(メインネット、テストネットいずれかにスマートコントラクトをデプロイしておくことが条件)上で起動するプロダクトを作ったのち最終日にデモを行い、審査の後それぞれの部門で最も優れたチームが表彰されるというものでした。
ただ、今回のハッカソンについては上位3チームに特別な特典が用意されており、IVS Cryptoへの招待券も用意されていました。
IVSと言えば、起業家の登竜門と言われるピッチコンテストですのでクリプトの世界で起業を目指す人には絶対に外せないハッカソンとなリました。
公式サイトは下記になります。
IVS Cryptoの詳細については下記になります。
それでは、いよいよ本題です。写真等を交えながら皆さんと共有していければと思います。
ちなみにですが筆者のスペックはざっとこのような感じです。
社会人歴: 4年目
勤務先: セキュリティ専門企業
仕事内容: SE(として働いているが、Web3の開発にどっぷり浸かったり、新サービスの企画もやったりと色々と手を広げている状態)
Web3の世界に入り込んだ時期: 2020年10月
UNCHAINのメンバーになります。(2022年6月から参加)
過去のハッカソン参加回数: 0回(今回が初)
ハッカソンの雰囲気
原宿にある WeWork アイスバーグにて開催されました。メチャメチャおしゃれな場所だったので今後も使ってみたいと思いました!
初日は、簡単な概要説明とトークセッションが開催されました!
本番は2日目からで、午前中にトークセッションがあった後に
本格的な開発タイムがスタートしました!途中、UNCHAINのメンバーとも初めてリアルでお会いしてお話させていただきました。(Discord上ではお話したことがなかったので皆さんと話せて光栄でした!こういう繋がりを作ろうとしていく姿勢の重要性もコロナで改めて考えさせられました。)
当初はチームではなく、個人で事前に開発していた医療系のDAppの機能を強化したものを開発しようと考えていたのですが、途中でプライベートなデータをオンチェーン上で管理するDAppを作ろうとしている@TeaTuberMametaさんに声をかけていただき合流させていただくことにしました。(医療データなどのデータをオンチェーンで管理するかオフチェーンで管理するかという点は人によって割れそうですね・・。ここ解決すればSBTやDIDを活用したサービスが爆発的にヒットすると考えています。)
Lit ProtocolというWeb3アプリで管理するデータにアクセスコントロール機能を付与してセキュアな状態でデータを管理することができるライブラリがあり、こちらを組み込んだ DAppを開発しようと奮闘いたしました。(これはハッカソンに参加しなければ出会うのにかなり時間がかかった可能性大)
ツイッターでも一緒に開発している風景を投稿していただきました!! 感激です!!
2日目の途中からだったのでキャッチアップにソースの読み解きとかなりタイトなスケジュールとなりました笑。ただ面白かったので全く苦にはならなかったし、もっと知りたいという気持ちの方が強かったです!
会社だったらこんなギリギリのスケジュールでやったら絶対に怒られるなと思いつつ、こういうやり方を通してくれる環境も必要なのではないかと感じました。(ただし期限までには何かしらの形で成果物を出すことは大前提で!)
開発したプロダクトについては、フロントエンドはReact.js、バックエンドはtruffleを使ってスマートコントラクトを開発したという流れになります!!
時間が無い中でできる限りのことに取り組みましたが、こうなってくると求められるのがやっぱりコーディングで自分の中にテンプレがあればあとは呼び出す関数の名前が違ったり引数の数が変わったりするだけなのでここをいかに自分のものとして引き出しにしまっておくかが鍵になると感じました。
PinataのAPIを利用してファイルを分散型ストレージにアップロードできるボタンの作り方などまた一つ新しいコンポーネントの開発スキルを自分のものにできた点は大きかったです!!
そんなこんなで迎えた3日目!!
なんとか形にして発表するところまで持っていくことができました!しかし、もう少し自分にも力があればさらに良い形にできたはずだと感じているので鍛錬が足りていないと反省しています・・・。
とはいえ、期限までに間に合わずに発表できません!!ということにはならなかったのでチームに貢献できてよかったと感じています!
他のチームのデモの発表も凄くて、参加していたエンジニアの皆さんに尊敬の眼差しを送ると同時に「負けていられない!」という思いも強くなりました!
人生初ハッカソンの感想
初日はかなり緊張していたのもあったのですが、オープニングセッションの内容を聞いている内に解けていました。
Polygonネットワークがゼロ知識証明を使ったプロダクト開発にかなり力を入れていることについて説明があったのですが個人的にはPolygonに限らずWeb3の世界で重要になってくると感じました。特にゼロ知識証明を利用して実現させようとしているPolygon IDなどは要チェックの技術だと考えています。1日目はトークセッションと概要説明が中心で終了となリました。
人生初ハッカソンだったので勝手が分からず最初は慣れるのに苦労しましたが他の人が愛用している VS Codeの拡張だったり関数の書き方だったり見たことないライブラリだったりディレクトリ構成の作り方だったり、知らないことにたくさん出会えた3日間でした。
チームで発表した資料の表紙のみになりますがYudaiさんのツイートで展開されています!
そしてまだまだ自分の開発力が足らないことも痛感しました。 React.jsやSolidity、truffleはもちろんのことReact NativeやTypeScriptなども駆使してモバイル向けのアプリを開発できるようにならなければならないと感じました。
さらに、開発力だけではなくWeb3アプリを自社だけで作成することは今の状況だと難しいのでいざという時に協力していただける様にネットワークを構築する必要があると感時ました!(暗号資産業界は逆風の真っ只中だからこそ、Twitter等で業界の方の投稿を見ると団結して乗り切ろうという意気込みが伝わってきます。)
また、 Web3の可能性に気づけている人は増えてきているものの、その領域に対してどんなビジネスが展開できるのか?
どのように自社のサービスを進化させていけば良いか?どのようにWeb3人材を増やしていけば(社員を教育していけば良いかのか?)といった課題を一緒に解決してくれる人を社内に増やしていく必要があると感じました。
そして、一番重要な要素として「新しい技術を学んでサービスという形にしたい!」、「失敗やリスクよりもとにかく挑戦しよう」という空気を作り出す努力もしていきたいと痛感しました!これはIT企業に限った話ではなく日本社会全体に言えることだと感じています。経済の衰退、止まらない円安、不安定な国際情勢、、社会にはどうしようもない閉塞感が漂っていると考えています。
特に日本社会では失敗について厳しく言及・批判する習慣が根付いてしまっているので大企業や安定した地位にいる人達は変化を望まない(わざわざ挑戦する必要はない)と思っているのではないでしょうか。
そんなことをしていたら「失われた30年」では済まなくなるはずなので、失敗よりもいかにチャレンジすることに重きを置く雰囲気を作っていかなければならないと考えています。
それをハッカソンで痛感しました。。
誰もがリスクや失敗よりも新しいアプリ、自分達の考えたアイディアを形にすることを楽しんでいました。年収ももちろん大事ですが、やっぱりエンジニアは面白そうなプロジェクトじゃないと本気出さないと思います笑 (エンジニアに限った話ではないと思いますが・・)
だから上に立つ人達(これは従来通りの中央集権型の組織の場合)やリーダーシップを発揮してプロジェクトを推進させていく中心人物(こっちはどちらかというとDAOを意識)には、夢や希望を語ってもらいたいと思いましたしそうするべきだと思います!
リスクやシステム障害の話だけだとほんとに気持ちが沈みます!!
伊藤穰一さんの「テクノロジーが予測する未来」という本にも書かれてありましたが、これからは技術がわかる人間がトップになる(そうでない組織はそのように変える)必要があると思っています!そのような人材になるために、ハッカソンで各チームを引っ張っていたリーダー達の様な強烈なビジョンを持って行動できる様になる必要があると感じました。
あとは、有名人にたくさん会えて直接挨拶できたのは大きかったです!!社内とは180°違う意見を持っている方と話すと視野が広がるしアイディアもたくさん出てきて本当に良いことだらけですね!!
最後に
途中参加となってしまったがチームで話し合って超短期間でほとんどゼロベースから開発を行うというハッカソンの醍醐味を味わうことができたのは本当に貴重な経験になったと思っています。
普段開発をして自分の中にテンプレを用意しておくことの重要性(今回の場合は、DAppのテンプレ)やアイディアを溜め込むために常時思考し続けることの大切さを知りました。特に時間が限られているハッカソンでは事前準備としてもこの2点をしっかり押さえてそれをチームで共有した状態でいることで大きく左右されると感じました。(当然と言えば当然なのですがそれが難しい・・・・)
皆さん才能に溢れていたし、ほとんどの方が同年代か年下だったこともびっくりしたがWeb3が間違いなく僕たちの世代の技術であることも肌で感じました。
デモを見ていて色々とアイディアが浮かんできたし、セキュリティ(KYCや鍵管理)は置いてけぼりになりがちなのでそこに攻めるポイントが残っていることも感じました。
別のWeb3のハッカソン系イベントにも参加してみたいと強く思ったので、今度はしっかりとした案を持ってUNCHAINのメンバーに提案してチームメイト集めからチャレンジしてみたい!!と思いました。
本当に最後になりますが、入賞された方々本当におめでとうございます!!入賞されたことはもちろん凄いと思うのですが、そのアイディアと短期間で実現させる開発力・行動力は心から尊敬します!!
また、一緒にチームを組んで下さった@yudai007004さん、@TeaTuberMametaさん、運営の方々、そしてハッカソンへの参加権を下さったUNCHAINの皆さん本当にありがとうございました。※ UNCHAINって何??と思った方は下記サイトをご参照ください!
ハッカソンに応募して良かったと思っていますし、Polygonネットワークは僕にとって特別なブロックチェーンとなりました。
ちょうどハッカソン初日にUNCHAIN STARになることができたので今日をスタートラインにWeb3開発力に磨きをかけていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします!!
※追記※
挑戦したUNCHIAN STAR の課題は医療データをブロックチェーンで管理できるといったもので別途内容等はブログにまとめていきたいと考えているのですがアプリは公開していますのでご興味ある方は是非下のリンクからアクセスしてもらえればと思います!! (goreliネットワーク上で動きます。)