高橋伸哉個展「IMPERMANENCE」を観て
こんにちは。はるきです。
今日は、僕も大変お世話になっている写真作家の高橋伸哉さんの初個展へ行ってきました。
そうか初やったんかあ、ということで、スタートと同時にお邪魔してきました。
↓こちらがその情報です。
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久しぶりに伸哉さんともゆっくり話せたし、言語化したいこともたくさんできたので、感想をnoteにまとめることにしました。
高橋伸哉が高橋伸哉たる所以を、僭越ながらいち写真展作家の目線から考えました。
よければ最後までご一読ください。
※これ以降出てくる写真作品は、全て高橋伸哉さんがXにて投稿したものを許可を得て掲載しております。
※若干のネタバレは含みますが、展示空間や内容を大々的にお伝えすることはありません。
"impermanence(無常)"な作品たち
まず展示作品について(いきなりネタバレしそう笑)。
本人も公言してるように、この展示では "impermanence" というテーマのもと、ポートレートだけではない作品構成で空間づくりをされています。
これはきっと今回の展示のためではなくて、伸哉さんが写真を撮り始めた時からずっと持ち続けてきた美学なんやろなあと、写真を観ていました。
夜のスナップも、ヌーディーなポートレートも、燃えるような空も、薄暗い田園風景も、流れるような鯉の群れも。
全ての作品に"impermanence"というフィルターがかかっているように思えました。
「ああ、伸哉さんはこの時この瞬間に無常さを感じてるんやなあ」と、数十枚の写真にそれぞれ想いを馳せながら、1枚ずつ写真と向き合っていきます。
自分にも共感できる写真や、新しい発見になる写真、ただただ吸い込まれていく写真もありました。全部よかった…。
伸哉さんが見た美しく無常な世界。それが一つの空間の中に溢れていました。
「余裕」と「エロス」
もう一つ、伸哉さんの写真を観て感じたこと。
それは「この人の写真には余裕がある。でもエロスもちゃんとある」ということでした。
とにかく全ての写真に余裕があるんです。心にゆとりを持ってシャッターを切っているなあ、という印象です。
それでも、ヌーディーな写真にはちゃんとエロスが存在しています。女性から、写真から溢れるエロスをも、impermanenceなものとして捉えているんですね。
どの写真も「お、ええやーん」と言いながら撮る伸哉さんが浮かんでくるんです。スナップにもヌードにも。それやのに、エロいとこはちゃんとエロい。
そこにはスーパーサイヤ人も全集中の呼吸も、120%解放形態もありません。
ただただ道端に咲いてる花を綺麗だと言ってるような、好きな映画を家で観ているような、そんな心のゆとりがあるように感じました。
だから、必死な写真がひとつもないなと、生きてきた道のような展示やなと、僕は思いました。
「高橋伸哉」という生き方を見せてもらってるような、そんな感覚でした。
「自己満足で好きに展示してる」という伸哉さんのお言葉通り、好きなものを好きなように、子どものような好奇心のまま展開させた空間でした。
ホンマによかったです。
プリントのこだわりと、レイアウト
写真展をやるなら個人的に見てほしいところが、プリントです。僕は印刷沼に全身浸かってるので、展示に来たら紙を見る癖があります(展示を横から見るタイプ)。
あのね、伸哉さんの展示、紙もめっちゃいいんです。
イルフォード紙を中心に構成してるとのことやったんですが、僕が見てる限り4種類以上の紙を使用していました。
個人的に、今回伸哉さんが使ってるマット紙、あれえな〜と思いました!どこがいいか、というのはぜひ見てみてください。
そして、それぞれの紙質や見せ方に合わせてサイズも額装も変えて、時には展覧会のように、時には没入感マシマシに、時にはインパクトどかーんと、見にくる人をとにかく楽しませてくれるレイアウトも、めちゃくちゃ素敵でした。これ全部ほぼ感覚でやってるからすごいなあ。
そうやって、作品はもちろんプリントやレイアウトにもたくさんの好きやこだわりが詰まっていて、何なら撮影スポットまであって、ホント楽しくて、2時間ぐらい滞在しちゃいました。
今日が初日で、日曜まで続く写真展、どうか体調だけはお気をつけください…笑
まとめ
いかがでしたか。現在絶賛開催中の高橋伸哉個展「IMPERMANENCE」。
表参道のAQspace 表参道というところで、12/3(日)まで開催しています。
時間は平日12:00〜21:00、土日は10:00〜21:00が開廊時間です(長い!)。
遊びに来たついでに、お仕事終わりに、伸哉さんにぜひ会いに行ってみてください。
来場者全員に声をかけて、みんなと写真撮って写真の話をして、ホスピタリティ満載の伸哉さんとお話できる貴重な場所でした。
また30日にふらっと寄ってみようかな。土日は混みそうなので、できるだけ平日に行くのがゆっくり見られて話もできてオススメです!
ということで、伸哉さん、素敵な空間を作ってくれてありがとうございます。
この気持ちが冷めないうちに一気に書かせていただきました。
また、他の記事でもお会いしましょう。
では。