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持続可能性を再定義する食品アプリ: ビジネスと環境への影響①

こんにちは、はるきです。

前回は世界の食品ロスに立ち向かう食品ロス削減アプリ「Too Good to go」について書きました。

今回のブログは、①と②に分からており再度食品ロスが世界に与える影響と、食品ロスアプリでの好事例やToo Good to goから学ぶマーケティング戦略を考えたいと思います。




世界的な食品ロス問題と環境への影響

過去の私のブログでも食品ロスが世界に与える影響を書きましたが、今回は更に深掘りをして地球温暖化,水資源,税金の3つの視点から食品ロスの問題を書きたいと思います。

-地球温暖化

食品の損失と無駄が増えることで、温室効果ガス排出も増加しています。食糧の損失による温室効果ガスの排出は全体の8%〜10%となります。世界全体の温室効果ガスの排出は510億となります。

食糧損失の中でも農場段階の食糧損失を減らすことへの焦点が欠けております。

そこには、農場段階で失われた食品や、様々な理由により食品廃棄になってしまったものがあり測定するのが難しいなどという理由からだと考えます。

農場では腐った食材や動物のゲップや糞などによりメタンガスが発生しており深刻な問題となっている。

特に、動物のゲップや糞はどの様な場所で育てられどの様な餌を与えらたかによってメタンガスの排出量が変わってきます。

農場での食品損失は12億tと言われており、全体の食品損失の中で一番多く私的にはこの数よりも多くなると思っております。

食品損失から温室効果ガスが発生して気候変動が促進されば世界ではあらゆる問題が多発されております。

先進国での引き起こした問題が、発展途上国の人を間接的に苦しめていることになり人間同士で奪い合いをしています。

温室効果ガスの問題は食糧廃棄だけの問題ではないが、早急に手を打つ必要があります。

地球温暖化は多数の本が出版されており、読むのが難しい本も多いが私的には下記の本が分かりやすく国民、州、国の視点から何をすべきか書かれているのでおすすめです。


-水資源の不足


私達が日々食べている食材は当たり前ですが、人の手によって育てられ多くの水が使われています。
なので、食材を捨てるということが水資源も無駄にしているということです。

以前、私のブログでも書きましたが「仮想水」という考え方があります。

仮想水とは
輸入された食品も含め全て国内で生産したと仮定した時、必要な水量を算出したものが仮想水となります。目には見えない潜在的な水ということです。

仮想水に関しては私の下記のブログを見て頂ければと思います。


私達のような先進国に住む人は水不足を感じることはないと思いますが、中東諸国では飲料水などのアメニティが不足しているため社会的混乱が多発しており水不足に抗議しています。

中東諸国も元々は水資源も豊富にあったが、気候変動の影響により気温が50℃を超える気温を記録し水資源に多大な影響を与えている

「日本語翻訳」

すでに中東のいくつかの川は、過去50年間で年間流量のほぼ半分を失っています。

同じ時期に、いくつかの湖の表面積はかなり縮小しました。例として、イランのウルミア湖は、1990年代の5,400平方キロメートルから2,500平方キロメートルに半減しました。一部は、盆地にダムを建設し、湖内の水の流れが減少し、一部は気候変動によるものです。

中東全域で、一人当たりの水量は毎年ますます少なくなっており、多くの人々は「未来の戦争は石油よりも水をめぐって戦われる」という古いことわざが、この不安定な地域ですぐに恐ろしい現実になるのではないかと恐れています。

出典:Water crisis could lead to conflicts in the Middle East(日本語訳)


-税金

日本では、ごみを廃棄するのにおよそ2兆円もの税金が使われていおりそのうちの40%食材による廃棄になります。

ご存じの方もいてると思いますが、小売や外食から出る食品ロスや食品廃棄に関しては私達が収めている税金から支払われております。

多くの方が「事業ごみは事業者が全部負担していて税金は一切使われていない」と誤解している現状。

ゴミを廃棄する際の法律やどの様に捨てられているのかは私のブログでは記載しないので気になる方は下記のサイトをご覧ください。


ゴミは埋立地に運ばれ最終的には埋められます。
日本の埋立地は世界で一番多く、1000箇所以上あります。

しかし、環境省の発表によると埋立地の残余年数は20年ほどと言われております。

仮に埋立地が使えなくなった場合、至るとことにゴミがあり更なる土地の減少や生態系への被害が出るかと思われます。


食品損失を削減する国の施策


食品ロスは世界で深刻な問題とされており、各国で食品ロスを削減すべく様々な取り組みが行われています。

-日本

日本には食品ロス削減推進法と食品ロスリサイクル法の2種類があります。

食品ロス削減推進法

食品ロスの削減を国や地方公共団体の責任として明確にし、社会全体で取り組むことを目的とした法律です。

食品ロス削減推進法の目的は事業系食品ロス量を2000年度比で2030年度までに半減させることです。

食品ロスの普及や啓発、食品ロス削減を推進する飲食店の登録や認定、地域学習会の開催、フードバンク知識などの民間団体の活動支援などが挙げられます。

主体的に取り組むことや、まだ食べられる食品は廃棄せずに活用することが重要とされています。

食品リサイクル法

食品の売れ残りや食べ残しなどで発生する食品廃棄物に関して、最終処分量の減少や再利用の基本方針を定めた法律である。

発生抑制が最も優先度が高い項目であり、食品ロス削減とともに、発生した食品廃棄物のリサイクルを推進している。

食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用等に責任があり、毎年報告が必要であり、基準に満たなかった場合には告発や公表、命令など言われることがある。

また、登録制度や認定制度が設けられています。虚偽の報告や命令に違反した場合は罰金となります。

-アメリカ

2030年までに国の食品廃棄物を50%削減するという目標設定をしている。その目標を達成するためにUSDA (アメリカ農務省)と EPA(アメリカ環境保護庁) は、「Food Loss and Waste 2030 Champions」というプログラムを実施している。

このプログラムでは2030 年までに食品ロス・廃棄量を 50%削減することを公約した企業を紹介している。

しかし、具体的な行動指針がなくユーザーへの良い印象を与えるのが企業の狙いではないかと思います。

そして、州ごとにも食品廃棄に関する法律や税制度などがあり各州毎に食品廃棄削減に力を入れているのか入れていないのかが分かれています。

州による食品ロスの取り組みを見てみましょう。

カリフォルニア州食品廃棄物法

カリフォルニア州の責任保護法は、最終受領者に配布する人が食品を健全であると考える限り、食品が賞味期限を過ぎている場合を含め、包装および表示法に関係なく、人間の消費に適した食品を対象としています。

この保護の延長は、他の州よりもはるかに大きく、ラベルの悪い食品の問題に取り組むのに役立ちます。

税制上の優遇措置の面では、カリフォルニア州は、州内のフードバンクに寄付する新鮮な農産物の適格価値の15%に相当する農家の税額控除を提供しています。

さらに、州内で農産物を加工、配布、または販売する非営利団体に行く農作物の輸送費の50%の税額控除があります。

カリフォルニア州はまた、すべてのビジネス(非営利団体を含む)からの有機廃棄物生産の段階的な削減を必要とする、米国で最も厳しい有機廃棄物リサイクル法のいくつかを導入しました。

これは、2016年の週8立方ヤードから2017年の週4立方ヤード、2020年の週2立方ヤードに修正されました。

この法律は2016年に強化され、すべての不動産所有者が適切な収集サービスに加入し、堆肥化可能な材料を処分するための適切な容器を提供するという要件が付けられました。


コロラド州食品廃棄物法

コロラド州は、食品廃棄物を削減するための2つの税制上の優遇措置を提供しています。まず、飢餓救済非営利団体に寄付される農作物、家畜、卵、乳製品の卸売市場価格(年間5,000ドルを超えない)の25%の税額控除。

第二に、C-corporationsから慈善団体に寄付された作物や家畜の卸売市場価格(年間1,000ドルを超えない)の25%の税額控除。

さらに、コロラド州では、不動産所有者と管理者は、ゴミ箱と同じくらい使いやすくなければならない堆肥化可能な材料のオンサイト収集を義務付けています。

なので、アメリカとして国としてみるのではなく州として食品廃棄が削減しているのかをみる必要があると感じた

出典:12 States with food waste legislation(日本語訳)


下の図は州毎にどれくらい食品廃棄に力を入れているかの図です。

出典:消費者庁諸外国における食品ロス削減に関する 先進的な取組についての調査業務


アメリカとしては、州毎に食品廃棄に関する取り組みや税制度も違うので国として食品廃棄削減数をみるのではなく、州毎に見る必要があるのではないかと思います。

-中国

中国では2021年4月に可決した食べ残しを禁止する法律「反食品浪費法」があります。

どのような法律かというと、過剰な食べ残しをした客に飲食店側が食べ残した処理費用を請求できる法律です。

また飲食店側に関しても客が適量を注文するように促さなくてはならず、大量に注文させた際には最大で1万元(約16万円)の罰金となります。

客の方に食べ残しの処理費用を請求できるのは、世界で初めてではないでしょうか?しかし、飲食店側が適量を注文を促したのにも関わらず、客が過剰な食べ残しをした場合はもちろん客に責任があるが、客が「適量の注文を聞いていないと言えば」揉め事になると思います。

なので、例えばモバイルオーダーを導入しているお店は客が注文をする前に「定員から注文を適量を注文するような案内はありましたか?」などを注文前にタブレット上で答えて頂きそこからタブレットで注文ができるようにする必要があるのではないかと思います。

-今後の日本としての取り組み

各国の食品廃棄に関する法律を書きましたが、日本としては食品ロス削減推進法の見直しも必要ではないかと思います。

中国の様に、罰金でがんじがらめにしなくても事業者に対してどれくらいの食品廃棄を出しているのかを明確にする必要があるのではないかと思います。

日本の食品ロスの算出方法をブログで書きましたが、そもそも算出方法が適正ではないので食品廃棄が減っているかどうかがわからない。

まずは、事業者、都道府県での食品廃棄の量を明確にする所からが出発点ではないかと思います。

②へと続く。

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