見出し画像

[Vol.192]素人が語る競馬観④-外厩って何?-

こんばんわ、御坂晴海です。

∬ ・ω・)ノ 相棒(?)の えれなふぉんだよ。

本日は久々の”素人が語る競馬観”の回となります。
最後まで目を通していただければ...と思いますので
よろしくお願いします!( . .)"

さてタイトルの通り今回のテーマへ早速参りましょう!


1.外厩(がいきゅう)って何...?

さて、皆さんは外厩というものをご存知でしょうか?
(私はこの外厩の存在を知ったのはここ半年...。)

競馬関連のニュースなどを見ていると、”放牧先のノーザンファーム天栄に到着した”とか”ノーザンファームしがらきより帰厩した”というような記事で目にすることがあると思います。

この太字にした名前の施設が今回のテーマである外厩(の1つ)です。

まず外厩とは何か...ですが、
名前の通り外部にある厩舎のことを言います。

...ということでまずは厩舎について簡単に。

通常JRAの厩舎は関東の美浦トレーニングセンター(茨城県稲敷郡美浦村)と
関西の栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)の中にあります。

所属する調教師さんにはJRAより決められた数の管理馬房(お馬さんのお部屋と思ってください)が与えられます。
しかし調教師さん1人あたりが預かれるお馬さんの数(預託頭数)は、管理馬房の2.5倍(管理馬房が20を超える場合は2倍)だそうで、
これでは厩舎に入りきらないお馬さんたちが続出してしまいます。

そこで取られる手段が牧場地への放牧と今回のテーマ”外厩”です。

外にある厩舎ということなので、言ってみれば第二のトレーニングセンター(以後トレセンと略します。)です。

ではどのような施設があるのか次の頁へ!


2.外厩にはどんな施設があるのかな?

∬ ・ω・)oo(普通のトレセンと何が違うの?)

ざっくり言うと通常のトレセンのように馬房があったり、周回コース坂路ウォーキングマシンなど調教や疲労回復に欠かせない主設備が置かれています。

トレセンと違う点と言えば、より調教施設に特化した施設の広さを活かして
一直線で高低差の大きい坂路コースがあったり、屋根付きの坂路やトラックで天候に左右されにくいといったいわば競走馬の学習塾としての側面が大きい点です。

これは調整に来るバリバリの現役馬のみならず、育成段階の若駒さんたちにとっても安定して調教が行えるメリットがありますね。

∬ ・ω・)φ 
もちろん調教施設・コース以外にも最新の医療機器や獣医さんが配置されていて、調教時の故障リスクを減らすといったところにも力を入れているよ!


3.どうして外厩が利用されるの?

ではこのような外厩施設がなぜ使われるのか。

ここでポイントになるのは最初の方に述べた
1調教師がトレセンの厩舎で持てる馬房の数(管理馬房)と預託頭数の差です。

単純に管理馬房20の調教師さん50頭(管理馬房×2.5倍の予約頭数)のお馬さんを預かっているとします。

単純計算で30頭のお馬さんが管理馬房に入れず溢れてしまいます。

外厩が名をあげるまでは牧場で放牧・軽めの調整などが一般的でしたが、
牧場地として有名な北海道までの輸送にはコストも時間もかかります。

それだけでなく、狭いところに収められて輸送されるお馬さんにとっても、長距離の移動は(個体差はあると思いますが)ストレスになることも。

こういったストレスが競走意欲を損ねてしまったり、不安定な状態での調教で故障を起こすきっかけにもなりかねません...。

そこで牧場への放牧の他で選択肢になるのが外厩です。

拠点となるトレセンから比較的近い距離に位置しているものが多く、移動するお馬さんにとっても負荷が軽減されますし、トレセンで調教を見守る調教師さんも様子を見に外厩先にいくことが出来るといったメリットがありますね。

レースを使い続けて疲れがたまったお馬さんは北海道の牧場へ放牧、そこまでではないけれど厩舎に戻したいお馬さんがいる時に空きがない時等は外厩へ...といったように厩舎個々の管理馬房を最大限に活用しながらお馬さんたちを活躍させる。
このような取り組みのために外厩が使われているのです。

∬ ・ω・)φ 
この他にもJRAではレース出走の10日前(初出走時は30日前)厩舎に戻っていないといけない内厩制と呼ばれる制度があるよ。
これを思うとお馬さんの厩舎出入りを管理する調教師さんってすごいお仕事をしているんだな~って思いました!

*内厩制に対して、外厩先からそのまま競馬場にいくことが出来る外厩制があります。日本ではホッカイドウ競馬でのみ。海外ではこの外厩制が主流だそうです。


4.外厩帰りで叩き不要で大一番へ!

レース予想をする時によく挙げるポイントに”休み明け”という要素があると思います。多くは休み明けは調子を見るために叩きのレースでしょうなどと見て評価を下げることがあります。

ですがこの外厩施設の充実によって、この考え方も変わってくる...いえ、変わってきていると思います。

(全ての馬が...ではないとおことわりしておきますが...)
近年、外厩を使って大一番を勝ち上がってきたお馬さんが増えてきているのです。
先日のジャパンカップで芝のG1・9勝をしたアーモンドアイの牝馬クラシック時であったり、2018年菊花賞のフィエールマン、同年の有馬記念ブラストワンピースなどは外厩で休養・調整をし、休み明けで大舞台へ直行して勝ち星を掴んできたお馬さんたちです。

今年のクラシック馬も牝馬三冠となったデアリングタクトオークスから秋華賞までの間、レースを使うことなく牧場と外厩を利用して三冠目のレースへとしっかり調整を進めて勝利していました。

牡馬三冠のコントレイルも2歳時のホープフルSから皐月賞への直行までの間、鳥取県にある外厩・大山ヒルズで調整を積んで三冠街道の1勝目を掴んでいます。

こうしたことから、全部が全部...ではありませんが、外厩を利用したお馬さんは休み明けであっても不安のない走りを見せてくれるパターンが大舞台~条件戦と増えてきているようなのです。


5.様々な外厩

それではどのような外厩があるのでしょうか...。
主な外厩とその所在地を見ていきましょう。

ノーザンファーム天栄(福島県岩瀬郡天栄村)
ノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市信楽町)
ビッグレッドファーム鉾田(茨城県鉾田市)
吉澤ステーブルWEST(滋賀県甲賀市信楽町)
宇治田原優駿ステーブル(京都府綴喜郡宇治田原町)
グリーンウッド・トレーニング甲南馬事公苑(滋賀県甲賀市甲南町)
山元トレーニングセンター(宮城県亘理郡山元町)
大山ヒルズ(鳥取県西伯郡伯耆町)
チャンピオンヒルズ(滋賀県大津市)*今年10月に開業したばかり

などなど、この他にもたくさん外厩はあります。

そして触れていなかったのですが、これら外厩のほとんどは
生産牧場のグループ傘下で設立されていることが多いようです。

例えばノーザンファーム天栄・しがらきはその名前の通り
ノーザンファームの生産馬(アーモンドアイやグランアレグリアなど)のお馬さんたちがメインで利用されています。
(生産牧場の関係についてはまだ勉強不足なのでこれ以上は割愛しますね)

なのでこの馬が外厩を使うならどこだろう・・・と思ったら、生産牧場と栗東or美浦どちらの所属なのか...という点から推測してみるといいかなって私は思います。

では説明としては最後になる項目へ。


6.外厩情報ってどうやって見るの?

結論から言うと通常の競馬新聞ネットの出馬表の馬柱などから、外厩の情報を見ることはできません。というのも取材する記者の方々が取材するのはトレセン内の厩舎が主で、そこで得る情報ですら多すぎてのだそうです。
情報を得るためにはネット上で外厩専門の情報サイト(有料会員制のものが多いです)やブログなどを利用するのがメインとなります。

その中でも手軽に予想の参考程度に見てみたい!という方向けの外厩情報を見る方法を調べましたのでご紹介。

ウェブ競馬新聞.comさん
全レースとまではいきませんが、主に後半レースの外厩情報を手軽に閲覧することができます。
競馬セブンさん
会員登録が必要となりますが、無料コンテンツの範囲内で社台グループの生産馬さんたちの外厩情報を閲覧することができます。
クラブの情報
こちらは一口馬主さんをされている方など。
出資馬が外厩先でどんな調整をしたか...というのも見れるそうです。
(流石に私はこれには手を出せませんが・・・。)
④「お馬さんの名前」+「外厩」で検索してみる
GoogleやTwitterなどでも出来る非常にお手軽な調べ方です。
ただ中には誤った情報が流れていることもあるので、そのへんの取捨は必要になってくると思います。

....とこのように現状は外厩について確実な情報はまだまだ広く行き渡っていない情報と認識しています。

今後様々な外厩馬さんのレース勝利実績が増えてくると、メディアでもどんどん取り上げられるようになっていき、
外厩で働くスタッフさんたちの励みにもなる日がくればいいなぁ~なんて思います。

競馬はお馬さんや騎手さん、調教師さんだけではなく、牧場や外厩のスタッフさんたち皆さんの力があって成り立っていますからね!

7.まとめ

それでは、えれなふぉんに今回のまとめをざっくりと。

∬ ・ω・)φ
・外厩とは第二のトレセン
調教師さんは限られた枠でお馬さんを絶妙に管理している!すごい
凡走からの一変には外厩の存在があるかも!
休み明けでも外厩パワーで一発勝負!
・設備も外厩ごとに様々!トレセン以上の豪華設備も?!
・改めて競馬に関わる人たちの多さを知ったよ!

重ねてになりますが、あくまで外厩情報というのはレースの予想をする上での要素の1つに過ぎません。
とても設備のいい外厩に行ったからといって、確実に好走するかというのは、”競馬に絶対はない”...という言葉があるように確約されません。

それでも「どうして前走まで不振かつ下位人気だったのに馬券に入ったんだろう・・・?」という時にはこうした外厩の存在があったのかも・・・?と
頭の片隅にでも置いておくとまた一段と競馬の面白みが深くなるかなって私は考えています。

なんだかまとまりのない内容になってしまいましたが、
"外厩"って施設があるんだってことを少しでも知っていただけたら
今回綴った甲斐があったなって思います。


8.おしまい

さてさて4000字オーバーのボリュームで、調べながらこうかな...ああかな...って悩みながら無事書ききることが出来ました。
おそらくまだまだ粗さの目立つ内容なのかもしれませんが、競馬を始めてまだちょこっとの私が私なりに理解できる範囲で綴りました。

今回のように、ほぼほぼ初めて一から調べながら書き上げる...という形は自分にとってもいい勉強になりました。これを機にもっと競馬について自分の楽しめる範囲の中で深めていけたらいいな。

それでは長々となりましたが、今回はここまでにします。

∬ ・ω・)ノシ 最後まで閲覧いただきありがとうございました!

また次号でもよろしくお願いします( . .)"

*御坂晴海*



最後まで閲覧ありがとうございました。サポートについては受け付けない方向で活動を続けていこうと思います。お気持ちだけでありがたいことこの上ありません。是非次回以降も閲覧&気に入ればスキ押しをよろしくお願いします☀