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ウイングスパン、ウィングスパンではない

 こんにちは、たまもです。
 今回は鳥獣保護区に鳥を呼び寄せるゲーム、ウイングスパンを紹介します。
 このゲームは180種類の鳥が出ます。他のボードゲームだと同じカードが複数枚入る事が多いですが、ウイングスパンは全てがユニークカードです。
 というのも、作者であるエリザベス・ハーグレイヴが自ら記した900超の種から厳選された170種(+プロモーションカードの10種)の北米に生息する鳥カードがあります。
鳥カードは大きく分けると4つの能力でプレイヤーを助けます。
1.能力を持たない代わりに勝利点が高い
2.鳥カードを場に出した時のみ効果が発動する
3.特定の行動をする度効果が発動する(茶色い帯)
4.他のプレイヤーが効果を発動する度(1巡に1回のみ)効果が発動する(ピンクの帯)

 鳥カードには生息地、捕食対象(カードをプレイするために必要なコスト)、勝利点、巣の形、産卵数が記載されています。
 このカード群の素晴らしいところは嘘がないところです。卵の個数こそ他のカードとの比例ですが、例えば木の洞(うろ)に産む、とか、翼長だとかは現実を忠実に記載されています。
 ゲームとしてはまず、鳥カードを5枚、餌トークンを5種類各1枚、ボーナスカードを2枚うけとります。その後、要らない手札を0~5枚とボーナスカード1枚を捨てます。この際両方とも同時に確認出来るので必要な物を手元に保管出来ます。また、手札に残した鳥カードと同数枚餌トークンを捨てます。つむり、手札に残した鳥カードと餌トークンの総数が必ず5になります。
 こちらが個人ボードです。
 プレイヤーは左側に書かれている4つのアクションの内1つを選択して実行します。

デカいです

 1つ目は「鳥カードのプレイ」です。コストを支払う事でその鳥の正しい生息地域にカードを出す事ができます。

 アメリカヤマシギを例にすると、草原か森林(黄色か緑の枠)の空いているスペースの中で1番左側にプレイできます。コストは無脊椎動物(虫アイコン)が2つと種子(麦アイコン)が1つ必要です。対応するアイコンがない場合、もしくは使いたくない場合は任意の餌トークン2つ(同種でなくともよい)を代替する事ができます。また、プレイする場所によっては卵が追加で必要になります。

 1番左にプレイする場合は要りませんが、2羽目、3羽目の枠にプレイする時は、自分の場にいる鳥が産んだ卵が1つ、4羽目、5羽目の枠にプレイする時は卵が2つ必要になります。卵は後ほど説明する「鳥カードの上に産卵」のアクションで獲得できます。
 2つ目は「餌箱から餌を獲得」です。
 餌箱にあるダイスを取り除き、同じ絵柄のトークンを受け取ります。個数は個人ボードに書かれている個数です。

画質悪過ぎる

 この場合だと餌ダイスが2個描かれているので2つ餌を取る事になります。この際餌箱にあるダイスが全て同じ絵柄の場合、獲得前にリロール(全てのダイスの振り直し)する事が出来ます。プレイされた鳥カードの枚数によっては、手札の鳥カードを1枚捨てて更に餌を1個獲得する事が出来ます。
 その後、起動時効果(茶色い帯のあるカードの効果)を右から順番に処理して終わります。
 3つ目は「鳥カード上に産卵」です。
 個人ボードに描かれている個数、プレイ済みの任意の鳥カードに自由に産卵出来ます。
 注意点としては、各鳥カードに描かれている上限数までしか産卵出来ない事、複数羽の鳥に分散して産卵出来る事の2点です。また、鳥カードのプレイ枚数次第では、手持ちの好きな餌トークンを1枚捨てる事でもう1つ追加で産卵出来ます。
 その後、起動時効果(茶色い帯のあるカードの効果)を右から順番に処理して終わります。
 4つ目は「鳥カードの獲得」です。
 個人ボードに描かれている枚数、場に出ている鳥カードを手札に加えられます。取り方としては、場に表で出ている鳥カードを取るか、山札から裏向きに取るかの2択で、自由に組み合わせて獲得出来ます。
 注意点としては、表向きのカードを取っても即座に山札から補充する訳ではなく、手番の終了時に補充する点です。従って、表向きのカードを全て取った場合は山札から裏向き出取る事しか出来ません。また、鳥カードのプレイ枚数次第では卵を1つ捨てる事で追加で1枚鳥カードを得る事が出来ます。
 その後、起動時効果(茶色い帯のあるカードの効果)を右から順番に処理して終わります。
 以上の4つのアクションを規定回数(8~5回。全4ラウンド。各ラウンド毎に減っていく)行うとラウンドが終了します。ラウンド終了後には以下の処理を行います。
 1つ目はラウンド終了時の小目標の精算です。

毎試合ランダムに変わります

 注意点としては、同じ条件でも卵の数と卵を持っている鳥の枚数のように参照する項目が違う事です。同率の場合は特典を折半し、次点はいないものとします(1ラウンド目で1位が2人、2位が1人の場合、1位の2人に2点ずつ、2位は該当なしで繰り下がり0点)。また、目標を達成出来なかった場合は必ず最下位になります。該当する順位に手持ちのキューブを1つ置きます。
 2つ目は残ったキューブを個人ボードから全て取り除きます。
 3つ目は表向きの鳥カードを全て捨て札にして新たに3枚表向きにして配置します。
 4つ目はスタートプレイヤーマーカーを左隣に渡します。
 これを4ラウンド繰り返し、勝利点を競うゲームです。

 鳥カードに書かれている素点(鳥カードの羽根マークの横に書かれている数字)、ボーナスカードの得点、ラウンド終了時目的の達成点、卵の個数と鳥カードの上に蓄えた餌の個数と鳥カードの下に入れたカードの枚数(それぞれ1つ1点)を合計した点数を競います。万が一同点の場合は獲得した餌トークンの個数を比べます(滅多にないです)。
 文字に起こすと難しいゲームに思われるかもしれませんが、実際にはアイコンを見る事で簡略化出来るのでスイスイ出来ます。また非インタラクティブ(相互干渉が少ない)ので、自分だけの戦略をまとめあげられます。逆に言うと非インタラクティブなせいでソロゲー感が強いのは欠点と言えるかもしれません。
 とは言え、拡大再生産(生産ラインを増強し、更に強い生産ラインを作る)ゲームとしてとても分かりやすくメリットを感じられるゲームですし、アートワークも素晴らしく、フレーバーテキスト(ゲームには関与しない説明文)も素敵です。
 はるかぜでももちろんプレイ出来ますが、定額の各種デジタル版と、月額及び年額のブラウザで遊べるBGA版が出ているのでそちらでも遊べます。併せてお楽しみ下さい。

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