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miii16358
順番がある。夕べの祈り。
朝、犬にご飯をあげると食べない。
起きてきた夫が「食べないの?」と声をかけても、壁に半身を寄せて右後ろ脚を伸ばして横座りするいつもの形で
ん~っと
と言う。
「ほら」と夫が一粒口に入れてやる。そのままぽろっと落とす。
いえ、ちがうんです
と言う。
「病気かな?」「病気じゃないよ」と人間が会話する。
夫がヨーグルトドリンクを飲み終わって、グラスをなめさせてやる。なめ終わると、犬はそのままタッタッタと食事に向かった。
あ。順番があったのか。
昼:自家製きつねそば。
「お弁当いかがですか~」マスクの下で、ひきつった微笑みを受かべながら頑張っている飲食店…。
その間を、歩いて帰る。
夜:食べ支えのためにレストランで食べている間、十何台もの空車のタクシーが行き過ぎる。それも何回も何回も何回も。
神様、私たちはこのような事態に値することをしたのですか?という思いが初めて湧く。
豪雨の中、実の妹が自分の傍らであぶくを浮かべながら死んでいく・・・それに値することを私達はしたのですか?自分の身に起こったわけではないのだけれど、光景が頭を離れない。