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2020/08/22 別のミント体験

朝から十分に暑い。日に焼かれながらトマトとバジルととうがらしとパプリカとミントとセージ と紫蘇とローズマリーとラベンダー全部に、丁寧にたっぷりと水をやった。ミントが日の当たる方向にずいぶん傾いていたので、鉢の向きをくるっと変えたとき目の前に来たミントの花が白くひかって小さな点と線で成り立つ造形を風に当てているのを思わずじっと見ると、前の家のキッチンで見たミントの花が思い出されて、そうすると、前の家でも一人でミントを育てていた時があったんだ、と思い出された。

そのときはモヒートを作る術も知らなかったけれど、じゃあなんでミントを育てていたのかしら。お茶?ただ愛でていたのかな。自分が考えていたことがわからない。

わからないけれど、ミントの花を通じて自分の人生の中にある別のミント体験が思い出されること、その、個体同士が知らないところで同じ花を咲かせるミントの種(しゅ)のネットワーク及び、自分の経験の中でそれを結びつける脳のネットワーク両方に、希望のような気持ちが生まれて、それは言葉にも似ている、単語でも似たことが起こる、此処彼処の4人で言葉を使う時もちょっとそんな感じがする、嬉しいことだと夜の花をモチーフにした制作を全員していた、それについて話をしたときに思ったことを半信半疑で書いたら通じた瞬間のことを思いながらベランダの柵越しの道を見た。腕が日に焼けていっているのを感じていた。
(半信半疑で書いたら通じる時、分からないものごとについて自分の頭で考えている時と同じような感じのことが脳味噌の外で起こる感じがする、人の脳と自分の脳が混ざる感じ)

コーヒーを入れて、パンケーキを焼いて、ウインナーを焼いて、ザワークラウトを盛り付けたら「こんな豪華な」と言われて「ね〜」という。
日の光の家の奥への入り方に不満があることを感じている。
バターを切り取って乗せるとき、この仕草を変えたいな、バターケースを買えばいいのかな。うっすらと買いもんマガジンのことを思う。
ウインナーって美味しい!と目を見張る。久しぶりに食べるとびっくりする味だね〜と言いながら。ザワークラウトはうまく乳酸発酵している感じで、美味しくできていた。ウインナーとよく合う味。「やっぱフェンネル好きだ〜」「フェンネルだっけ?キャラウェイじゃない?」「そうだ〜」キャラウェイをうまいと思う気持ちの中に大木さんが昔くれたフェンネルが周りにいっぱいついたサンロードのリンデで売ってる長いうまうパンの味の記憶がくっついている。塩とキャラウェイを入れて1日重しをしてあったかいところに置いていただけでこんな風になるなんて面白い。

制作。大きいものを狭い場所で描く環境を作る。そして描く。
筋トレもする。

夕方から興がのってくるというか、午前中がやっぱりぐったりしているというか起きた瞬間を引きずってぼーっとしているというかでうまく動けないでいてしまうのを変えたいんだけど、どうしたらいいんだろう?とちょっと思っている。あきらめて夜中制作するのもありだけど、そんなにも池田と生活リズムが合わなくていいのかな。

小川さんからもらったアールブリュットの仕事の企画書を書いてひとまず通ってほっとする。なんか、自分の自信のなさとか何をしたらいいのかわからなさとかそういうものから、ここ半年くらい、本当にじわじわとしたいろんなことを通して、少し抜けてきた気がする。何を自分がすべきかとか、制作で実現しようとすることとかがない、とか、そういう悩みというか絶望が消えた。もう少し、地道な方向にいっている。そういう意味では3月のOngoingでの展示をやらせてもらったことがやっぱ、よかったな。コロナの状況も良かった。


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