「夏の余韻」と「秋の気配」
8日後に控えた2人展「透明の温度」
今回の展示では
油彩のキャンバス作品とドローイング作品をそれぞれ10点弱展示することになりそうです。
例年とはちがう
ゆっくりとした時間のなかで
季節が移り変わるのを目や耳、肌で感じながら描いた作品。
「夏の余韻」と「秋の気配」
を感じる作品群になりました。
熱く照りつけるじりじりとした太陽は
だんだんとその角度を変え、
半袖のTシャツはいつのまにか七分袖に長袖に変わり、
マスクをときどきし忘れる鼻からは秋のひんやりとした空気が肺に入るように。
なによりも変化を感じたのは夕方の陽の落ちるはやさ。
秋の日はつるべ落としというけれど、ほんとうにあれよあれよというまに日が暮れて、
これからいよいよ冬至に向けて日照時間が短くなるのだなと、少し寂しい気もちにもなります。
変わる季節の変化が、無意識のうちに作品に反映されていたようです。
画像の作品は、
「getting dark」と題した、小作品です。
日が短くなり暗くなる時間帯、火灯し頃。
センチメンタルな気持ちになる。
この作品を描いているとき、
陽が落ちるのを見に行こうとふと思い立ち、近くの河原にいきました。
自然の好きな友人に教えてもらった秘密の散歩道。近くに車を停めて久しぶりに歩いていく…。
少し歩くだけで、すぐそこに住宅地があることを忘れてしまうような田舎の風景。
夕焼けに染まる空にくっきりと黒いシルエットを残す木々の茂み。
頭上には鳥たちが代わる代わるさえずっている。
私が聴き取れただけで3種類くらいは鳥が鳴いていたように思う。
水鳥はとっぷり陽が暮れるの待っているみたいに、ただ水面にじっとしている。
いつのまにか
足には植物の種子がいくつもしがみ付いている。
子孫を残すのに必死なのだろう。
足元の植物たちの種類は多様で、よく見るとちいさな蜘蛛や名前のわからない虫たちが風に触覚をゆらしている。
向こうにみえる鬱蒼とした茂みはさまざまな植物の種類が渾然一体となり、まるで抽象画みたいなひとつの塊に見える。
日も暮れて、夕闇のなかに溶ける景色。
私自身も自然の一部であることを思い出す。
自然のなかに色を見つけたように思い、
河原をあとにしました。
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透明の温度
天野入華×齋野ハルカ exibition
日時:2020.11.07〜11.23
11:00-18:00open
※土 日 月のみ営業
場所:iTohen
〒531-0073
大阪市北区本庄西2丁目14-18富士ビル1F
http://itohen.info
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