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仮面ライダーオーズにどハマりしている30代後半女一児の母の話 ネタバレあるかも

仮面ライダーオーズにハマったきっかけは突然であり予期しないものだった。
普通に生きていたら、30代後半女性が仮面ライダーの類にハマるきっかけにはほぼ出会わないだろう。
ましてや仮面ライダーオーズは2020年の作品である。
平成の仮面ライダーの中で仮面ライダーオーズは3本の指には入るレベルの名作との評判だが、それであっても令和の現代に世に出回る機会はほとんどないはずだ。

きっかけは夫のコロナ感染だった。
濃厚接触者である私と3歳の息子は、5日間の自宅内隔離となった。
わんぱく小僧を自宅に軟禁しながらワンオペで過ごす日々で精神をすり減らしていた私に、
Amazon primeがおすすめしてくれたことから目に留まって見始めた。
(息子がウルトラマンにハマってよく見ていたため、戦隊系がじゃんじゃんおすすめに出てくるようになった)

最初はわんぱく小僧の癒しになればと思い見始めたが、癒されたのは母である私だった。
とんでもなく丁寧に練り上げ割られたストーリーと、キャラクターの心情描写にどハマりしてしまった。
10年以上前の作品とは思えないくらい、鮮度が高い作品だと感じた。

この作品は人間の欲望をテーマにしている。
800年もの間封印されていたメダルの怪人「グリード」という種族であるアンクと、
後に仮面ライダーに変身することになる無欲の青年、映司が出会うところから物語は始まる。

無欲だが目の前の人を救いたいと願う映司と、自らの欲望に忠実に行動しそのためなら人の命を犠牲にすることもいとわないアンク。
一見相対する2人だが、利害の一致を見て、なんとも危うい相棒としての関係をスタートさせる。

以降ハマったきっかけを分解してみる。
①ストーリーのテンポがよい。
前半はグリードの命とも言える「コアメダル」の奪い合いを主軸に描かれる。
(コアメダルが9枚手にしたグリードは完全態としての力を手に入れることができるため)
そのメダルがまあテンポ良くいったりきたりする。
全然9枚集まらないじゃーん、と思いながらも、
えー今誰がメダル持ってるのー??
続きが気になるー!となってしまう。


②映司とアンクの対比
後半のハイライトはこれであると言ってもいい
前半の映司はこれぞ正義のヒーローというか、まともな青年というか、映司が出てくるとほっとするところがあり、とても安心感がある。
一方でアンクは、服装や髪型もトリッキーだし、なんかあったらすぐ裏切りそうだし、こいつ大丈夫?みたいな要素がたくさんあって、異常性が際立っている。

だが、後半になると、映司の様子が少しずつおかしくなってくる。
とある理由で体内にコアメダルを入れられてしまい、少しずつグリード化していくが、
怪人に近づいていく自分の体に恐怖心は覚えつつも、
決してそれにより行動がブレたりはしない。
葛藤や迷いは一切ない。
むしろ自分の目的を達成するためには好都合だと、ナチュラルに怪人化する自分を受け入れている。
周りの人にえ?お前大丈夫?みたいなこと言われても、大丈夫大丈夫ー!みたいなリアクションをするのだが、
え、いや全然大丈夫じゃないでしょ、あんた怪人化してるんやで。。(心の声)
全然周りの忠告も聞かない。
異常性が垣間見えてくる。

一方でアンクは、まるで人間かのように葛藤していく。
グリードでありながら人間と行動を共にすることで新たな視野を手に入れたせいなのか日々葛藤し、行動にもブレがある。
映司の敵になったり味方になったりする。
人との会話の中で新たな気づきを得て、それにより自分の考えや行動を変えていく。
結果、本来の自分の目的と照らし合わせるとあり得ないような行動を取ることになる。
ただそのことで、映司はアンクに救われる。

映司とアンクの異常性が交差していく。
これがものすごくうまく作品を通して表現されている。


③アンク役の彼(三浦涼介さん)
アンク役の彼がステキすぎた。

後半になるにつれて、
アンクの苦悩
アンクの気づき
アンクの決断
アンクの笑顔(今まで見せてない)
が、作品内でとにかく際立つ。
三浦涼介さんがアンクをものすごっく丁寧に表現している。

アンクはちょっとワルっぽく振る舞うところがあるので、
お行儀悪く立膝とかするんだけど、
その膝の角度が尋常じゃなく美しい。
膝の角度に意思を感じる。
神は細部に宿るんだな、と心底思った。

そしてアンクの異常性に隠れがちだが、
三浦涼介さんは
顔がとんでもなく美しい。
顔が小さい。
足が長い。

以上。

映像コンテンツにここまでハマるのはかなり久しぶりだし、俳優さんにこんなにときめくのは私的には15歳で森山未來さんをテレビで見た時以来のことだった。

母になり、自分の見たいものを思う存分見るみたいな機会は減ったけど、子どもに付き合ってみていたつもりのコンテンツの中にもこんなにハマるものがあるとは思わなかった。

人生塞翁が馬である。
常にオープンなマインドで、世の中を見ていきたいと思った。

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