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オリンピックと女性審判 #勝敗よりも大切な「何か」
パリオリンピックが開幕しました。
私はサッカーが好きなので、男子日本代表戦を観たんですが、予選トーナメント第2試合のマリ戦は、ブラジル審判団が担当しました。すべてが女性です。
同様に、7/24に行われた男子サッカー競技・エジプト対ドミニカ共和国の審判団は、すべて日本人女性でした。
一方、柔道の試合では、男子の試合を女性審判が、女子の試合を男性審判が担当している様子が見られました。
すべてがそうではなさそうですが、単に「審判の世界に女性進出」と捉えるよりも、「勝負の世界に女性性をもたらす」という見方の方が、私にはしっくりきます。
「女性進出」が時代の流れとするならば、「女性性を含んだ裁定」は人としての成長に寄与する明確な方向性であると言えます。
これは主観ですが、男性である私がスポーツプレーヤーであるならば、女性審判の視線は、私に「勇敢であること」と併せて「紳士的であること」を期待していると感じます。
「紳士的である」とは、礼儀正しく、フェアで、ずるいことをしない、という意味です。
そのような視線の中でプレーする時、きっと私は「背伸び」をすると思います。いつもの自分よりも少しだけ「いい人間」になろうとし、その気持ちを持ったまま勝利に向かってがむしゃらになるような、そんな気がするんです。
女性審判が首を横に振りながら笑顔で私のエラーを指摘したら、きっと私は同じように微笑み返し、気持ちを切り替えて次のプレーに移るでしょう。
心と体は熱く燃えていても、頭だけは冷静に保とうと努め、勝利への道を探り続けるに違いありません。
審判の立場にあるからと言って、女性が無理をしていかめしい顔つきでいる必要はありません。女性の笑顔は、想像以上にプレーヤーの心に落ち着きをもたらしてくれます。
審判は立場上、毅然とした態度を求められます。でも、エラーやファウルに際しては、笑顔がとても大切。その意味で、特に女性審判の笑顔は一瞬で場の雰囲気を変えるほどの力を持っていると感じます。
女性審判の進出は、「男女平等」という視点に限りません。単なる数合わせではないのです。勝負の世界に女性性を込めることによって、おそらくプレーヤーは人として成長し、かたずをのんで勝負の行方を見守っている観客も、勝利と敗北以上の「何か」に遭遇する機会を得るはずです。
審判は「裁く人」ではない。「立場上、裁かざるを得ない人」です。このことが理解されて初めて、その競技種目の結果をすべての人が受け入れられる。
そして、私たちがすべてを受け入れるためには、笑顔をはじめとした女性性が必要なんです。
競技の勝敗を裁定する行為に、男性性を欠くことはできません。
でも、そこに女性性を込めることで、単なる結果だけではない「何か」を手に入れることができます。手に入れるのは、プレーヤーはもちろん、審判自身も、そしてプレーに熱狂する側の私たちも、です。
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