「君は他人だ。それがどうした?」 #書かずにはいられない
本作でヒロインの「女スリ」、グレースは、物語の後半で3つの選択肢を迫られます。
・刑務所に入る
・殺される
・ミッションをサポートしてイーサンの仲間になる
不遇な幼少期を過ごし、
スリのプロとして育てられ、
自由奔放な日々を送ってきたグレースの口をついた言葉が、これ。
”あなたたちと組めば、 命を守ってくれるわけ?”
この質問に対し、イーサンの仲間であるルーサーがすぐに「イエス」と答えた、その言葉を打ち消すようにイーサンは言います。「ノー」と。
(君が仮に僕たちの仲間になったとしても、僕たちは、君を守ってあげられると断言することはできない。)
その存在が公に認められないスパイですから、当然です。
でもイーサンは、グレースの目をまっすぐに見つめて言いました。
(保証はできないけれど、この存在をかけて誓う。)
誠実に向き合う、とは、こういうことを言うんでしょう。
誰もが思います。
真実を聞きたい。
そのうえで、寄り添ってほしい。
「嘘でもいいから甘い言葉をかけてほしい」のではありません。
これは映画の世界で、
それを言っているのがトム・クルーズで、
必ずハッピーエンドに収束する。
それがわかっていてなお、心を震わせる。
そう思わせるのは、自分の命より「赤の他人」を優先する生き方にあります。
常に生死が隣り合わせの世界では、「仲間」の存在が自身の未来を左右します。その意味で「仲間の命は、常に自分の命に優先する」という考えは、妥当と言えるでしょう。
イーサンに、家族はいません。仲間が「家族」の役割を果たしています。
ところで、私が私の命より優先するのは、家族です。「家族に何かがあれば、仕事は辞めよう。生き方も変えよう」と思ったことは、過去に何度かありました。
「家族」とは、人がすべてを失ってなお「生きよう」と思わせるための「装置」です。「家族」とは「帰属先」であり、私に形を与えてくれるものです。
そもそも私を取り巻くすべての人たちに対して優先順位をつけずに接していたら、世界は安心できないものに変わります。家族と家族以外に境界線を引かなければ、人の精神は崩壊してしまうでしょう。
ただ、最近よく思うんです。
私は50代半ばまで生かしてもらいました。いつこの世を去ってもおかしくありません。そして私の大切な家族も、私の死後、必ずこの世を去ることになります。
生きる力を分けてもらうために、
根無し草の人生という不安を解消してもらうために、
「家族」という制度がある。
でもすべての人にとって、帰属先は永遠のものではありません。それは変わり続けます。天災があり、戦争があり、タイムリミットがある。
イーサンは、そう問いかけます。
イーサンの言葉は、グレースの心に届きました。その瞳は涙で潤んでいます。
彼女は目を見開いたまま、じっとイーサンを見つめて、こう言います。
グレースが待っていた言葉を、イーサンは持っていました。
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