卒業式にあたり #芯家族
普段、私が出勤前に階下へ行くと、娘はきまってテレビを観ながら朝食を摂っています。私はテレビの前に立って、娘の邪魔をします。これも、いつもの光景。
昨日は、テーブルの上にあった卒業アルバムを手に取り、「カドで殴っちゃうよ~」と笑顔で囁かれました。こんなことを毎日飽きもせず繰り返しています。
この時点で、私の子育ては「小さな成功」を手に入れました。
家の中では、親子の間では自由にモノを言わせる。外で言わないなら何を言っても構わない。
完璧な「いい子」はいません。どこかで何かを気にして自分の気持ちにフタをすれば、その歪みが別のところで顔を出します(教師もそうですよね?)。
好きなことを言っていい。
言える場所といえない場所があることがわかっていればいい。
このことが伝われば、私の中ではOKです。
私はいわゆる「子育て」にはほとんど関わってきませんでした。「教師あるある」の典型で、自分の子どもについてはよくわかっていないんです。
結局、娘をここまで育ててきたのは、妻一人です。
買い物へ行くときは娘を連れだし、
娘の帰宅後はいつも勉強につき合い、
欲しいもののニーズを聞き分け、
娘に似合いそうな髪型や服を押し付け、
自分が話したいことを話し、娘が話したいことを聞き、
ママ友と一緒に学校ボランティアに参加する。
娘の顔をまじまじと見ながら、「この子は母親からできている」と、よく思います。
妻に子育てのほとんどを負う場合、私ができることは2つです。
ひとつは、妻にいつも機嫌よくいてもらうこと。
うちでは、私が娘の機嫌をとることはありません。妻はアメとムチで娘に接しますが、私は妻に飴玉を振り撒きます。
甘くする、ということでもないし、イエスマンになりきる、ということでもありません。小競り合いはしょっちゅうです。
そうではなく、小さなストロークを常に交わす、ということです。些細なことであーだこーだと思っていることをやり取りする。その意味で、私は妻の機嫌を取っています。
ふたつめは、バカになること。
自分が家族の中で一番のバカになります。(いや、実際にそうだろ)と思いますが。
ダメな父親を演じているというよりも、単に素の自分を出すだけです。そうすることで「お父さんはダメな人」と烙印を押されます。結果的に、私は家の中では常に「妻子からアドバイスを受ける人」になれるわけです。
私には、家族の経済的な基盤になることと、家族の方向性を決めることという2つの役割が与えられていますが、同時に「家族から助けてもらう人」という役割を担う必要があります。
それは、人間関係の基本が「相互依存的」であるためです。
「助け、助けられる」関係が常に維持されていれば、庇護する気負いもなく、庇護されるやるせなさを感じることもなく、自他の存在を大切に考えることができると思います。
それに、教師は「アドバイスを受ける」機会を頻繁にもつ必要もあります。
仕事柄、外ではえーかっこしいを強いられるのが教師ですが、とりわけ社会的にある程度の硬さが期待されている仕事には、バランスが不可欠です。
こんな感じで、私は直近の12年を過ごしてきました。
昨日は娘の卒業式。
休みをもらい、妻と一緒に参加しました。
体育館のステージで卒業証書を受け取る娘の姿を見ながら、いつも同じことを思います。
(この子は、母親からできている。)
では、父親である私の役割は?
子憎たらしい顔つきで囁く娘の顔を思い出しました。
(カドで殴っちゃうよ~)
そう。これが私の役割でした。
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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!