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山﨑さんへ #センセイを捨ててみる。

昨年4月から教員として働き始め、1年が経つ。教員は業務がとても多く、朝早く通勤しても、退勤するのは夜7時を過ぎてしまう日も多い。休日は疲れを取るために家で過ごすことがほとんどで、好きだった旅行にはなかなか行けなかった。

調べてみると、日本の教員は働く時間が世界で一番多いらしい。しかし、賃金は小学校教員は世界で18位だという。ほかの国では、教員は尊敬される職業であるというが、1年働いてみて、尊敬されていると感じることはほとんどなかった。むしろ理不尽さを感じることのほうが多い。

              小学校教員 山﨑 美桜(新潟県 23)

2024.04.07 朝日新聞「声」投稿

こんにちは。初めまして。
あなたと同じ、新潟県の教員です。

教師になって1年。
最初の1年は、戸惑うことばかりですよね。
そして何より、忙しい。

大好きな趣味の時間もとれないまま、ひたすら仕事に追われる毎日は、きっと本意ではなかったと思います。


ところで、山崎さんはなぜ教員になったんですか?
実際に教員になる前は、どんなイメージを抱いていましたか?

私は視野が大変狭い人間でした。
世の中にどんな仕事がいくつあるのかも知らず、また調べようともせず、何も考えずに教師になりました。

ただそのおかげもあって、この仕事を他の職種と比較することはありませんでした。

アパートの一人暮らしでしたが、初めての給料に20万円ももらって、「こんなにもらってもいいの?」と、ありがたい気持ちでいっぱいでした。

若い私は「先生」を気取り、生徒に対して毎日偉そうに説教ばかり垂れるような人間でした。

当然ですが、生徒に疎まれ、学級崩壊寸前を経験し、「生徒の成長に寄与できない教師」のレッテルを自ら貼るに至りました。

20代30代の頃は、自信を無くし、一方で虚勢を張り、一進一退の日々が長く続きました。

生徒の心がつかめない。
30代半ばで大学院へ行って、心理学を学びました。

部活の指導ができない。
遠征時のバスの運転手からスタートし、審判資格を取り、指導スキルを学ぶために関連書籍を40冊以上読みました。

でも、それでもうまくいかない。

ある保護者からは「1年も担任をしていて、生徒の気持ちをつかめないんですか?」と言われました。

40歳を過ぎて、2度目の学級崩壊寸前を経験しました。

昨年は、56歳にして「お前なんかに教師やってる資格ねえ。辞めろ」と、ある生徒から言われました。


でも、不思議なもので、今でも教師をやってます。

私が「教師」と「ほかの職業」をくらべるときは、教師の仕事をよくしたいと思う時です。他と比べて、いいとこ取りをする。いらないと思うことは捨てる。その意味で、私はいつも「教師」や「学校」をほかの何かと比べています。

待遇について特に思うところはありません。どんな仕事でも、いい点と悪い点があるものです。

私も、山﨑さんと同じように「生徒に尊敬される教師」になりたかった。
さいわい、そういってくれる生徒に恵まれた時期もありました。でもそれは、教師になって何年も経った後のことです。

「理不尽さ」は、あまり感じませんでした。「教師って、そういう仕事だから仕方ないよな」って思ってました。教育に高い期待が寄せられるのは当たり前だし、目の前の生徒は発展途上の存在ですから。自分が未熟だったから、よくわかります。

確かに今のままでは、日本の学校教育には明るい展望が見えません。教師の仕事はもっともっと忙しくなると思うし、網羅する領域も多岐にわたる。勤務時間は表面的にはまともになるでしょうが、見えないところにしわ寄せがいくのは避けられないと思います。

でも。
教師って、「この仕事を通じて、ちょっとでも立派な人間になりたいな」と思う人に向いている仕事のような気がします。

実際、私には、その思いしかありませんでした。
自分のダメさ加減にあきれ果てているから、少しでもよくなりたいんです。
次世代の成長に伴走できて、自身の成長も見込める。
こんな仕事はなかなかありません。

「長さ」自体に価値はありません。
ただ、私は30年続けてきて、やっと自分で自分を認めてもいいかなと思えるようになりました。

教師という仕事は
結論が出るまで、長くかかる仕事です。

いえ。
結論が出ないまま終わる可能性の方が高いと思いますが。


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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!