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私の本棚16 ぼくはイエローでホワイトで、ときどきブルー

『ぼくはイエローでホワイトで、ときどきブルー』という本、皆さんにぜひおすすめしたい一冊です。こんな面白いエッセイは読んだことがないと断言できるくらい、心に残る内容でした。


著者であるブレイディみかこさんは、イギリスで暮らす日本人。彼女のエッセイは、息子との日常を通じて、多様性や人種、アイデンティティについて深く考えさせられる内容です。この本は、そのタイトルからも分かるように、混血の息子がイギリスでどのように自分を見つめ、成長していくのかを描いています。


読んでいて心に響くのは、彼女の視点の温かさと鋭さです。例えば、息子が学校でいじめに遭ったときのエピソードでは、母親としての葛藤と同時に、息子がどのように自分を守り、友人を作っていくのかが丁寧に描かれています。また、多文化社会での教育や家族の在り方についても、深く考えさせられます。


エッセイの中で特に印象的だったのは、息子が自分のアイデンティティを探る過程です。「イエローでホワイトで、ちょっとブルー」というタイトルは、彼の複雑な心情を象徴しています。彼は日本人とイギリス人のハーフとして、どちらの文化にも馴染みつつ、自分自身を見つけていくのです。この過程は、読者にとっても自己探求の旅となることでしょう。


さらに、ブレイディみかこさんの文体は非常に読みやすく、ユーモアがありながらも鋭い洞察が光ります。日常の中に潜む大きなテーマを、親しみやすく描き出しているのが素晴らしい。例えば、息子が初めて「日本人」として認識されたときの驚きや、その後の反応は、思わず笑ってしまうと同時に、考えさせられました。


総じて、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、現代社会の多様性やアイデンティティについて深く掘り下げたエッセイでありながら、読者を引き込む力を持った作品です。まだ読んでいない方は、ぜひ手に取ってみてください。こんな面白いエッセイは読んだことがないと、きっと感じるはずです。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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