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【私の本棚#10】三行で撃つ

うんうんと唸りながらnoteを書く。特にこの本を読んだ感想を書いている今がそうだ。地道な努力と情熱なしに文章を書くと、作者の近藤氏から「なぜお前は文章を書いているのか」と問い詰められそうだ。

私がこの本を手に取ったのは、noteを書くにつれてもっといい文章を書きたいという欲求が出てきたからだ。そして何よりも本の表紙、題名から、ちまたに溢れるただの文章術の本とは一線を画していると直感したからだ。

読んでみた結果、書かれていることを全て実践できるようにしたいと思える、定期的に振り返るために近くに置いておきたいバイブルのような本でした。

プロのライターとの違いは何か。語彙力、文体、スタイル、読者に最後まで読ませるリズム感、グルーヴ感と上げたらキリがない。中でも私が意識していきたいのは、起承転結で文章を書くこと、ナラティブに書くことだ。

起承転結は、物語の進み方を意味する表現で、中国の絶句に由来する。現代の日本では、物事の構成や順序を指し、わかりやすい文章を書いたり、話したりする方法として広く使われる。私の文章はどうだろうか。noteのほとんどの記事で「転」(本題となる部分で、話や文章を展開し、一気に広がる。相手に伝えたい内容は「転」に盛り込みます。)がない。グッと広がらないのだ。本書では「転」を書くためのTipsとして5のパターンが紹介されている。

  1. 古今

  2. 東西

  3. 逆張り

  4. 順張り

  5. 脱臼

ナラティブ(narrative)とは英語の辞書を引くと「物語」「語り」「話術」などを意味する英単語で、そもそも文芸理論上の用語として「story」などと対比して用いられてきた言葉である。本書には、「人はすべらない話しか求めていない。何に感動したのか他者に伝える。自分の語彙で、自分のスタイルで、そして自分だけのナラティブで他者に通訳する。」と書かれている。

私はこれまで感情が低め安定で生きてきた。ハイテンションになることが少ない。何に感動して、何を他者に伝えたいのか。その情熱というのが極端に薄いというか、わからないまま、文章を書いてきていると思う。これまで書いてきたnoteもそうだ。noteでもこの人の文章読むのが楽しいなという記事は、作者の方の感動や感情が伝わってくるものだと気づづく。自分の伝えたい感情は何か、自分の心と向き合い、感性を磨く。そして、その感情がうまく言葉にできないときは辞書を引きまくり語彙を引き出していく。そんな地道な努力の積み重ねをするプロに尊敬の念を抱く。

うんうんと唸りながらnoteを書く。書くことは、考えること。書きたくなるわたしに<なる>ために。



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