社会からクビになった私たち
2020年。
オリンピック開催への高まる期待、インバウンドの増加
2019年の末まで2020年の日本は活気に満ちた年になると
思っていた。
私はイベントに携わる仕事を「していた」
業界に入って15年。リーマンショック、震災、
そのたびに仕事は減り、それでもほかに出来ることもなくて
必死にくらいついてなんとか15年ほど生きてきた。
オリンピックのある2020年。
英語は話せないからそこまで特需がうけられるとは
思っていなかったけれども、
少なくとも暗い未来を描いたことはなかった。
2020年2月中旬。
ライブハウスでクラスターが起きた。
大きいイベントの開催は危ないのでは
という空気が瞬く間にひろまった。
一般企業にはそこまでテレワークも浸透してない、
満員電車は変わらずずっと動いている。
飲食店も普通に営業していた2月。
私たちは真っ先に影響を受けた。
2月三週目のイベントに参加した時、
5年連続仕事をしていたその場所は明らかに
お客様が少なく、雰囲気が例年と違った。
そして2/21を最後にすべての仕事がキャンセルになった。
震災の時も確かに同じようにキャンセルにはなった。
しかしあの時は4月まではつぶれたものの5月にはそれを
取り返すかのように動き始めた。
今回は違った。
3月になっても先々のキャンセルのメールが日々送られてきた。
半月で確定していた60万円位の仕事を失い、
先の見通しも全く立たなくなった。
少し前まで全く考えられなかった事態だった。
不要不急の外出は避けましょう。
不要不急と言われて失った私の仕事に意味はあったんだろうか。
みんなが影響を受けている。嘆いても仕方ないし、
自分でどうにかしなくてはいけない。
でも、失業者にすら私たちはカウントされない。
社会からいらないといわれてしまった気分になった。
自営業だから、働けなくなった時の備えはもちろんしていた。
何があるかわからないから。
けれどその仕事自体がなくなることは想定していなかった。
でもやっぱり私たちは失業者にすらカウントされない。
真っ先に影響を受けた私たちの仕事は取り上げられることも少ない。
去年仕事がつぶれた会社さんが今年はよろしくと声をかけてくれていた。
けれども結局感染者の増加をうけて今年もなくなった。
そして今日2021年東京モーターショーの中止が発表された。
オンラインでいろんなものが開催されているけれど、
まだまだ厳しい。
不要と言われてしまった仕事でも続けたい。でも厳しい。
誰も悪くない。ただ、厳しいなと、思う。