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先延ばしてるあれ、今この瞬間からやり始めるのが一番早いよ

タイトルで話はほぼ終わっているのだが、先延ばしについて。


先延ばし(Procrastination)について

人間はさまざまなものを先延ばしにする。

すぐに返事しなかったLINEのメッセージ、うやむやにして手をつけていないタスク、疲れて帰ってきた時のお風呂…誰にとっても思い当たる節が何かしらがあるだろう。

しかし先延ばしにすればするほど、その罪悪感が染み付いていき、次に思い出した時にはもっとやりたくなくなっている。そういうものだ。

だからしんどくならないためにやるべきはこれだ。
・すぐできることはすぐにやる
・先延ばしに気づいた瞬間にやる
・今やるのが一番早いタイミングだと再確認する
・自分を責めるより、雑でもいいから始める

一番しんどそうに見えて、その気になった瞬間に気合いでやるのが一番楽だ。我々は過去には戻れない。「あの時やっていれば」と人生で何度思っただろうか。誰もドラえもんを連れてきてはくれないし、悩んでいる間にも時計の張りは進んでいる。どんなに事態が悪化していても、どんなに手遅れのように感じても、今この瞬間から始めるのが一番早いのだ。それを「今はいいか」で片付けると、もっとしんどい未来が待っている。

とはいえ、精神論でゴリ押ししても無理なものは無理だ。

学術的には、先延ばしは時間管理の問題というより、むしろ感情調整と深く関わっていると考察されているようだ(Sirois & Pychyl, 2013)。自己批判ではなく自己を許すこと(self-forgiveness)が重要だと指摘されている。気持ちがしんどくならないように自己批判を避けるのは、一見自己中心的なようで、その方がタスクが終わるのだから結果的に利他的な作用となる場合もあるのだろう。

具体的にどうすれば良いのか

tipsはある。これもできることからやる。

・ルールを作ってタスクを溜めない
 ∟ 5分未満にできることならその場で着手
 ∟ それ以上かかるものはカレンダーの時間をブロックする
 ∟ if-thenルールを徹底する

・やり方を細かく書き出す
 ∟ ゴールまでの必要な作業をできるだけ細分化する
 ∟ 「机の上でノートを開く」くらいのレベルで細かくする
 ∟ とにかく書いて、やって、消す気持ちよさを知る

・なんでもいいから手を動かせるようにする
 ∟ 紙でもnotionでも、書けるものを常に身近に置く
 ∟ 作業興奮を引き出すために、なんでもいいから作業を作り出す
 ∟ 「これをやりたくない理由は〜〜」と紙に書き殴るところからでもいい

尊敬する上司の一人が「仕事を溜めないコツは、溜めないことだよ」と言っていたが、これは理にかなっている。なるべく仕事を溜めないように最速で捌いていく、期限より前のめりに終わらせていく。意思決定の重さにめげない。深い思考が必要なら、その時間を確保する。そのためには、一瞬で判断できるものを放っておくべきではないと。「すぐにやる」という技術は当たり前のようでかなり奥が深いと思う。

この姿勢を続けると、頭の中が常にスッキリした状態になる。真っ白な大型のホワイトボードのようになる。複雑な思考が必要な時にも、たくさんのスペースを使って考えごとができる。

自分にとって難しい問いに取り組むためには、スッキリした頭が必要だ。悶々と悩みイライラが募る時間を避けたいなら、せめてさっさと終わらせられるタスクだけでも即断即決即行動。

とはいえ、一番重要なのは「過去にやらなかった自分を責めないこと」かもしれない。先述した通り、その罪悪感が先延ばしを悪化させるのだ(Wohl, et al., 2010)。

とりあえず今やってみる。終わらせる。
改善のために振り返りはする。自責はしない。

一通り読んで、思い当たるタスクがあるのではないか。
今すぐやろう。一緒に楽になろう。

引用文献

Sirois, F., & Pychyl, T. (2013). Procrastination and the priority of short‐term mood regulation: Consequences for future self. Social and Personality Psychology Compass, 7(2), 115–127. https://doi.org/10.1111/spc3.12011

Wohl, M. J. A., Pychyl, T. A., & Bennett, S. H. (2010). I forgive myself, now I can study: How self-forgiveness for procrastinating can reduce future procrastination. Personality and Individual Differences, 48(7), 803–808. https://doi.org/10.1016/j.paid.2010.01.029


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Haruka Noda
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