FF16・英語で読むヴァリスゼア 番外編①(少年期~青年期/風のドミナント)
この記事の趣旨については本編をご覧ください。
またもやスクショがめちゃくちゃ暗いですが……ここでは少年期~のちょっと面白い表現などを扱っていきます。
オープニング
ドミナント暗殺~
ジルニトラ砦での会談(フーゴ)
出陣に気をつけてね、と言うベネディクタに対するフーゴの返答。ニサ峡谷のBGMタイトルThe Lion and the Hareはここからきているのでしょう。この「獅子」については、青年期ニサ峡谷でベネディクタがフーゴをdesert "lion"(砂漠の獅子)と呼んでおり、これは日本語版の「ダルメキアの壁」に当たるようです。個人的には壁の方がタイタンっぽくて好きですね。
ところでチョコボを「馬」と呼んでいて現実世界の馬に当たる生き物がいなさそうだったり、犬はいるけど猫は見かけなかったり、どんな生き物がいるのかなかなか不明なヴァリスゼアですが、野ウサギはいるみたいですね。ロストウィングの酒場のメニューに「野ウサギのロースト」があるので一般に食べられているようです。ライオンもいるんでしょうか。狼やら亀やらカニやら、なんなら植物まで襲い掛かってくる世界、きっと凶暴なんでしょうね……。
少年期
迫る黄昏~
井戸付近にいるベアラーの主人
ゲーム開始直後、ベアラーのお仕事がどういうものか教えてくれるロザリスのベアラーの皆さん。へ~飲み水供給もするのか~などとのんきに見ていたところ、英語版でん? と思い、よくよく見てみると……その井戸クリスタルついてんじゃないの。ベアラーじゃなくても使えるでしょ。
クリスタル節約のためにベアラーで代用し、しかも主家の坊ちゃんに得意げに話してくる……ベアラーの命はクリスタルより安いというのがよくわかります。まあ、ロザリアはマザークリスタル占拠されてて輸入に頼ってるだろうし、貴重なのはわかるんですけどね……。
エルウィンとアナベラが寝室で遠征について話すシーン(エルウィン)
病弱なジョシュアをフェニックスゲートに連れて行くことを非難するアナベラに対するセリフ。swaddling clothesとはおくるみのことで、厳しい束縛という意味もあります。いつまでも赤ちゃんみたいに扱ってるんだろうなあ、ジョシュアがどう思ってるかなんて考えもしないんだろうなというのがとてもよく想像できる表現だなと思いました。
ふわっとしてる日本語版に比べて英語版は直球で批判してて、エルウィンパパちょっと辛辣です。
まだ15なんだから気にかけてやれ、とまだ15だけど立派だ、と逆のことを言っています。子どもを心配する優しいパパな日本語版に比べ、英語版は一人前の人間としてとても評価している感じがします。認めているって感じもいいですけど、幼いころから厳しい立場に立たされてきたクライヴだから、エルウィンパパには優しく気遣ってあげてほしいなあという気も。
崩壊したフェニックスゲートでクライヴを見つけた時にアナベラ(英語版)が「優れた兵士だと、夫は飽きもせずに言っていた」と言っていたり、エルウィンは普段からクライヴをほめちぎっていたようです。そういうところがジョシュアよりもクライヴを優れたものと扱っているように見えて、ますますアナベラを苛立たせたのかもしれません。
テラスで話すクライヴとジル(クライヴ)
BGMのタイトルにもなっている「My Lady」。「お嬢さん」や「奥様」といった身分の高い女性に対する呼びかけですが、なんとも響きがいいですよねえ。ちょっと気取った言い方の英語版に対して、日本語版はぶっきらぼうな思春期少年といった風でこれもまた可愛いです。
クライヴがジルに対して「My Lady」を使うのはもう一度、青年期にフェニックスゲートを目指して隠れ家を出発する時「行こうか」ってことで「Ready, my lady?」と呼びかけます。このテラスでの会話を思い出していたのか、はたまた日常的におどけてそういった呼び方をしていたからやってみたのか。どっちにしても大変美味しい。まあこの時は真顔で「Ready」と返されて滑ったみたいになっちゃうんですが……。
フェニックスゲートの宴で、クライヴの活躍を話すウェイド
めちゃくちゃ盛ってて面白かったので。これに続くセリフでウェイドは「まあ待て、これからだよ」と騎士たちに話を聞くよう促すのですが、そりゃあ盛りすぎで呆れられもするでしょうね。少年期のお調子者感あふれるウェイドも好きです。
フェニックスゲートまでクライヴを追いかけてきたトルガル(クライヴ)
英語版を読んで、確かにめちゃくちゃ心配してるよ! と思いました。クライヴやジョシュアだけでなくトルガルまで帰ってこないジルの心境といったら……。これは個人的な話ですが、日本語版では影も形もないところで突然登場した「ジル」の名前にめちゃくちゃ興奮しました。
青年期
邂逅~
ニサ渓谷でシヴァとタイタンの戦いの後を見たクライヴ
これはクライヴが度々口にする驚きの表現ですが、By Godという驚きや強い感情の表現からきているのでしょうか。あまり口語表現は詳しくないのでわからないのですが。ロザリアの人が口にするのを見ることもあります。他に国ごとにBy the Mother(マーレイおばさまが言う)、By the sands、By the lightなどというバリエーションもあるようです。
ニサ峡谷でシドに助けられた後(シド)
クライヴがイケメン扱いされてる。青年期のクライヴは本当にきれいな顔の美青年だけど、壮年期のひげもじゃ髪もさのほうがなんか魅力的だなあと思います。英語版のシドは度々クライヴをイケメン扱いしますが、代わりに(?)オリフレムの娼館でジルに美人と言うのはなくなっています。そこでクライヴがあからさまにむっとするのがいいんだけどなあ。
シドという男~
シドと会話後のラウンジ
「教えてくれた料理」がランプフィッシュのシチューだったってことでしょうか。ランプフィッシュとはダンゴウオの仲間で、北欧で食べられているらしい……もしかして北部料理でしょうか。北部出身なのかもしれません。とすると、美味しいもの食べていたようなので、ベアラーの扱いは悪くないのかも。ジルもロザリア暮らしが長いとはいえ、偏見なさそうでしたしね。
オットー登場後のラウンジ(オットー)
お礼はお酒みたいですね。次に戻ってくるときは牢に放り込まれてしまいましたが、オリフレムへ出発するまでにはおごってもらえたのでしょうか。ちょっと見たかったなあ。
サブクエスト「遺跡に囲まれた生活」(ジョフロワ親方)
ジョフロワ親方にパシらされるクエスト。White Adzeというのは木材作業所の名称なのでしょうか? Adzeは木材の加工に使う手斧などを指すようです。
ブラックソーンに装備を新調してもらいに行く(ブラックソーン)
モーグリとか、オーディンとか、モルボルだとか、ヴァリスゼアの要素を使った表現はちらほら出てきます。日本語版でもあれば面白かったのになあ。それにしてもいったいどんなひどい装備なんでしょうね。たぶん一般のベアラー兵よりはましな装備もらえてたんじゃないかと思うんですが。
ドミナントの行方~
グレートウッドでの雑魚バトル(シド)
狼タイプの敵が出てきた時に言います。そういえばトルガルの近縁……なのかな? ロアによると人に慣れたりもするようです。そういえばザンブレク軍なんかは結構魔物飼いならしていましたね。他にもシドは「狼が好きだから面白くない」などとも言ったり、トルガルを可愛がってたんでしょうねえ。ちょっと見た目は怖い気もしますが、個人的にはチョコボと並んで倒すのに心が痛むので、シドがぶつくさ言いたくなるのもわかります。
ヌシを見かけて(シド)
「in God's name」という、疑問文で使って「一体何?」と強調する表現があります。Godをグエリゴールに置き換える表現はよく見られ、もちろんザンブレクの人が主に使うのですが、シドがこういう表現を使うのは何でしょうね? ザンブレク人でもなければ神様を信じてもいなさそうですが。カンタンやイサベルとか、ザンブレク人と縁深いからでしょうか。
不穏な静寂~
ロストウィング入口でシドと別れた後(クライヴ)
手分けして仲間を探そう、ってことで別れた後の独り言。確かにね。探せって言われても困りますよね……。叫んで知らせろって言うシドにクライヴがはあ? みたいな顔したり、ここのシーンとても面白くて好き。
ウォールード兵が去った後、シドが仇を討ってどうするのかとクライヴに問いかけるシーン(シド)
復讐以外はどうだっていいと言うクライヴに対してのセリフ。とても分かりやすいなと思ったので。ザンブレク軍から脱走して奴隷の立場ではなくなったクライヴだけど、ここではまだ自分で自分の道を選べてはいなくて、それは奴隷と変わりないんですよね。
夜の底~
ロストウィングの村人(おばあさん)
全然性格違ってちょっとびっくりしました。こういう違いはどうしてなんでしょうね。
ロストウィング入口近くの屋台の店主
ヴァリスゼア特有の表現シリーズ。ザンブレクの人は、オーディンを罵り表現として使うことが多いように思います。嫌われてますね……。bumholeはholeなので正確に訳すならそうなのですが、ちょっと下品かなと思ったのでマイルドめで。いやなやつ、みたいな意味もあるようですね。ここでは「オーディンの」なのでまあそのものを指しているのでしょう。
ノルヴァーン砦出発時、ロストウィング入口付近の村人
ザンブレクの人が無事を祈ったり頑張れよ、的に声をかけてくれる際に、よくグエリゴール様にお祈りしてくれます。似たような表現で、バリエーションはいくつかあるようです。ザンブレクの人たちはよくグエリゴールと口にしますし、ロザリアの人が建国者やフェニックスと口にするのも、宗教観が垣間見えて面白いなあと思うのですが、日本語にはないのが残念ですね。
シドたちの迎撃を指示するベネディクタ
クライヴ、petとか言われてます。いわゆる愛玩動物のペットを指すほか、「お気に入りの人」という意味もありますが、まああまりいい意味ではなくひいきされてる奴、的なニュアンスみたいです。ロストウィングでベネディクタと遭遇したとき、シドに言われて兵士を追っていくクライヴは、ちょっとわんこ感ありましたね。
風のドミナント~
礼拝堂でのシドとベネディクタの口論(ベネディクタ)
シドに自分を哀れんでいると言われて。自分を哀れんでなんていないと言いたいのは同じなのですが、結構印象が違うセリフだなあと思いました。個人的には、日本語の方がベネディクタのシドに対する複雑な感情が伝わってくるような感じがします。
さて今回はここまで。セリフの収集とチェックが全然追いついていないのでのんびりペースになると思いますが、また次回もおつきあいいただけますと幸いです。
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