FF16・英語で読むヴァリスゼア 番外編②(青年期/それぞれの想い~クリスタルの牢獄)
この記事の趣旨については初回を参照してください。
今回は番外編、ちょっと面白い表現集です。青年期後半、いってみましょう。
青年期
それぞれの想い~
隠れ家サブクエスト「隠れ家で暮らす人々」(牢番)
お弁当配達クエストで、とっってもお腹を空かせている牢番さんのセリフ。いったいどんな音なんですかね……。クァールを使った表現はたびたび目にするのですが、ヴァリスゼアでは身近な(?)魔物なんでしょうか。そんなに頻繁に遭遇するようなものでもなかった気がしますし、正直言って結構強いのですが……。シリーズでもおなじみですが、毎度辛酸をなめさせられるので見かけると逃亡したくなります。ブラスターゆるすまじ。
ネクタールとの出会い
言葉が通じない苦悩のあまりぽんぽんを壁に打ち付けていたと言うネクタール……痛そう……。風に運ばれたとかいうちょっと詩的な表現もなんだかおもしろいですね。英語でもしっかりクポクポ言ってくれます。かわいい。
ロストウィングの村人二人組
ロストウィングで酒場の方へ走っているとよく聞こえてくる会話……なのですが。英語版はいったい何の話をしてるんですかね……。ここまでまったく違う話をしてるのは結構珍しいです。
grocerというのは頻繁に見かける単語ですが、缶詰や瓶詰、干した野菜などの保存食や乳製品、せっけん、ろうそくなどの日用品を扱う商人のことだそうです。
ジルとの再会(クライヴ)
やっと目を覚ましてくれたジルとの再会で、ぎゅっと抱き合うふたりにプレイヤーもほっとひと息。ところで気になりませんでしたか。知らなかったとはいえ思いっきりボコボコにしちゃったあげく足蹴にしたことについて(怪我はないって言ってたけど)、ごめんとかないの? って。ちゃんとありますね。英語版では謝ってます。Forgive me です。
日本語版はなぜ……尺の都合ですか……。きっとロザリアへの道中で謝り倒したことでしょう。英語版もさらっとごめんって言っただけですしね。ジルも容赦なく魔法ぶち込んでたから謝りたいだろうし、ごめんの応酬になりそう。
ジルとの再会後のオットー
ジルと話した後に話しかけると「目に生気が戻ったな」って喜んでくれるオットー。
最初に言いましたがこれを書いているのはクライヴとジルに人生を狂わされている人間なので、英語版にはたいそうにやにやさせてもらいました。そういうわけで載せておきます。日本語のセリフもいいですよね。大切にしてあげましょうね。
望郷~
バーナードさんを回収して戻ったあと(マーサ)
ロザリア人がFounderとよく口にする、ということはちらっと書いたと思いますが、その一例です。グエリゴールもいろいろバリエーションがあるように、これも似たような表現がいろいろあるようで、マーサの宿なんかではしょっちゅう見かけます。
修道院へ行くことになったあと(クライヴ)
生まれた子がベアラーだったとお怒りのお母さんを見かけたあとのセリフ。英語版をみると、クライヴ自身とアナベラ様のことを言っているのかな、という気がしますね。
マーサの宿でシドと遭遇(シド)
おそらくベネディクタのこと? を話すシド。英語では「好いた女」とは言わないんですね。個人的にはベネディクタがシドの「好いた女」というふうには見えてなくて(とても大事にしていたのはわかるんですが)、ここでえっそうなの? ベネディクタのこと言ってんの? と惑わされたのですが、英語版を見てさらに結局どうなんだよ~となっています……。どうなんですかね……ベネディクタのことでいいんですよね……?
ここでシドの言う「難儀な生き方」というのは、運命に縛られ翻弄されていることを指している、というのが英語版でははっきりわかります。ベネディクタは結局そこから逃れられず、望んだように人として死ぬこともできなかったんですよね……悲しいです。
続いてジルに向けて。そういえば、ここが初対面になるんでしょうか。クライヴがジルと話して医務室を出た時には、もうシドはロザリアに行ったって言われますから。それを考えると、ジルとシドが一緒にいて言葉を交わしたのって、ほとんどオリフレムに潜入した時くらいになるんですね。それでも壮年期にはシドを懐かしむようなことを口にし、少なからず信頼を寄せていたように見受けられるのは、やっぱりクライヴがシドを信頼していて、シドもクライヴを気にかけているのがわかったからなんでしょう。
ロザリアサブクエスト「腹ぺこチョコボにご用心」(行商人ローワン)
チョコボに絡まれてる商人さん。ベアラーと思われてるから仕方ないとはいえ、態度にちょっとイラっとしつつ、まさかその後も何度もお世話になるとは思いませんでしたね。
空っぽの手より……というのは、猫の手も借りたい的なことわざなんでしょうか。似たような表現が実際にあるのかどうかは、ちょっとわかりませんでした。
北へ~
マーサに「マーサについて」聞く
いろんな人の協力を得てベアラーを助けてるんだ、という話をしてくれるマーサさん。「letting the coeurl out the bag」は直訳すると「クァールを鞄から出す」ですが、「Let cat out of the bag」という「うっかり秘密を漏らす」という意味の表現があります。これは袋に入れた猫を豚だと偽って売ろうとした(そしてバレた)という話からきているそうで……ヴァリスゼアではクァールを袋に入れて売ろうとしたんですかね。……入ります? 仔クァールなのかなあ。
ヴァリスゼアではちょくちょく犬を見かけますが、猫はいないなと思っていた方もおられるかもしれません。かたくなにcatという単語を使わないあたり、ヴァリスゼアのネコ科の生き物はクァールとかパンサーみたいなデカくて凶暴なのしかいないのではという疑惑が深まります……。
フェニックスゲートへ続く道で
日本語だとかつての景色を見たことがないみたいに言うのに、英語だと覚えていると言うクライヴくん……。
イーストプールへ入るときに、将軍とここに来たことがある、と言うのは日英共通なので、知らないような口ぶりの日本語の方がちょっと妙かもしれません。
真実の在り処~
フェニックスゲートの遺跡脱出後
めちゃくちゃストレートに君がいなくちゃダメと言い出すクライヴ。励まされる、なんて言葉の裏になにやら重めの感情が見え隠れしますね。何度も言いますがこれを書いているのはクライヴとジルを推しに推しまくっている人間なので、こういうのは積極的に取り上げていきます。
上に続いて、昔と変わらないと言うクライヴに自分は変わったと答えるジル。落差がひどいですが。
「彼女がしたこと」というのはつまりジルがこれまで鉄王国でしてきたことを指しているわけですが、クライヴが自分のしたことをどこか他人事のように思っていたと言っていたように、ジルも過去を受け入れられていないということなんでしょうか。……などと言いつつ、英語では遠回しな表現をする時に三人称を使ったりすることもあるようなので、そこまで意味が込められているのはどうかは……どうなんでしょうね。
生かされた意味~
ベネディクタの件でお怒りのフーゴ
そんな具体的に言わんでも……表現がえぐいです。これは英語版の全体的な印象なんですが、わりとみんな口が悪いと言うか、日本語に訳すとえらく攻撃的に聞こえたり、ここのフーゴみたいに妙に具体的にえげつない表現をしてきたりというのは散見されます。Branded(印持ち)のような蔑称を多用したりとか。英語圏の文化にそう詳しい訳ではないのですが、日英でとらえ方が違うということかもしれません。
傾く世界で~
マザークリスタルを破壊する計画を聞く
シドにマザークリスタルの破壊に協力するか問われての返答。
シドはクライヴの話を信じてドミナントを捜してくれたり、さんざん暴れても好きにしろって言ってくれたり、プレイヤーがシドを信頼できるのも、シドがクライヴを信じてくれるがゆえなのでしょう。と、しみじみ思いつつも、日英どっちにしろちょっと遠回しな言い方なのが面白いですね。素直じゃないクライヴくん、若いです。そしてすかさず突っ込むガブも面白い。
ラウンジの詩人
「己を受け入れる」クライヴのことを歌う詩人さん。クライヴを薔薇って言ってるのとても良いなあと思ったので。ロザリアといえば薔薇ですから。
しかしこの詩人さん、いつも何もかも知っててちょっと怖いです。本当に誰にも話してなさそうな例の海岸の件も歌にしてきますからね……。クライヴはどんな顔して聞いてるんだろう。
イーストプールで村人を埋葬しているドリス
ロザリアでの祈りの言葉のようですね。生まれ変わりの概念がありそうです。rebornは復活や再生という意味もありますし、フェニックス的にはそっちの方が近いように思いますが、火葬が一般的らしい様子も見受けられますので、肉体というよりは魂の再生なんじゃないかなあ。
グレードモン修道院の院長
日本語では死者に、英語ではアナベラ様に対して祈っています。同じような違いは壮年期にもあって、ジルが修道院で死んだベアラーたちが安らかに眠れるように、と日本語で言っている部分が、英語では黒騎士たちに対して彼らの女神の慈悲がありますように、となっているんですよね。英語圏的には罪を犯した人へ祈るという方がわかりやすいのでしょうか。
マーサの宿サブクエスト「戦斧のなき間に」(ブラッドアクス傭兵団)
ロザリア式敬礼をしてくれる傭兵団の人。
英語版は控える気なさそうです。ロザリアやロズフィールド家に思い入れがあるんだなあとわかりますね。
イサベルに人捜しを頼まれる(クライヴ)
13年捜してた相手が自分だったことを言ってる? 急に笑えないことを言い出すのやめてほしいですね……。
ブローチをくれるイサベル
またhandsomeなお顔です。やたらとイケメン扱いされるのなんなんでしょうね。
サブクエスト「壁を越える欲望」(ハーブ屋)
闇取引クエストでハーブ屋さんとブツを交換した後、話しかけると言われます。nightshadeはナス科の植物全般を差し、特にベラドンナ等の有毒種のことらしいですね。実にハーブ屋さんらしい脅しです。怖い。
gruelはお粥、主にオートミール粥(穀類を牛乳または水で煮た流動食)で、ところどころで会話に登場するのを見かけるので、一般的な朝ごはんなのかもしれません。ところで牛を見かけた記憶もありませんが、牛乳あるんですかね。
オリフレムの門前にいる兵士
門は通れないと言うクライヴのつぶやきを無視して突撃してみても、すげなく追い返される……のですが、英語版を見るとクライヴのことを「This Branded」と言い、「彼が主を伴っていれば」などど、クライヴに向けて話してないんですよね。この後ももう少しセリフが続くのですが、ずっと隣の兵士に向かってしゃべってます。一応クライヴに向けて立ち去れって言ってくれる日本語版が優しく感じてしまいますね……。
マクルデュロワ丘陵サブクエスト「命の重さ」
ムーア付近で受けられる、ベアラーで遊んでるイヤ~な親子のクエストで、一緒に埋葬してくれる人(レイモンドさん)のお祈りの言葉。
この重荷が取り除かれる、というのは、壮年期にクライヴが修道院のベアラーたちを弔う時に言う、「この水によって 重い荷が洗い出され 魂が次の世へと運ばれますように」という祈りの言葉にもあります。水に流すという弔いがザンブレク人である院長様のやっていたことであることも考えると、このときクライヴが口にするのもザンブレク流のお祈りなのかもしれません。あんまりロザリアっぽくないですしね。
マクルデュロワ丘陵サブクエスト「少女が失くしたもの」(クライヴ)
犬に話しかけてるクライヴくん。ロストウィングでは日本語版でも話しかけてましたね。いっつもトルガルとかアンブロシアに話しかけてるからなんでしょうか。かわいい(クエストの内容はまったくかわいくないですけど……)
タチエヌの遺体を見つけたあと(クライヴ)
捜していたタチエヌとヤニックの遺体を見つけて、ザンブレク兵となんでこんなことに? と話している時のセリフ。ヤニックが真面目に結婚を申し込むつもりだった、と考えてるクライヴがちょっとかわいい。
兵士には結婚? と聞き返されて、戻ってくるつもりはなかっただろうと否定的なことを言われるし、日本語版でも連れ去るつもりだったのかもな、という話で落ち着くわけですが、なんだか育ちの良さというか人の良さというか、ちょっと垣間見えますね。
ところで、そう思ったってことは櫛を贈って求婚する習慣でもあるんですか? どうなの? ハンナさんは指輪してたけど、やっぱり指輪なのかなあ。とても知りたい。
クリスタルの牢獄~
ドレイクヘッドコア
顕現しようとしたシドのひとこと。壮年期もクライヴに苦労させられているのが伺えるタルヤさんですが、本当にお疲れさまです……。
今回で青年期まで終了です。次からは壮年期。まだまだ先は長いですが、気長にお付き合いください。
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