【レビュー】福井県の酒米新品種「さかほまれ」の日本酒を飲んでみました!
5年ほど前のちょうど今頃、私が日本酒の沼にどっぷりハマり始めた頃のこと。
ある日本酒のご縁をきっかけに、福井県農林水産部の方と出会い、福井県の食と酒を巡る旅にご案内いただいたことがありました。
まだ駆け出しだった頃の私に対して、「未来のある若い方に福井の魅力を知っていただきたい!」と、今後の可能性を信じて丁寧にご案内していただいたことは、今でも忘れられません。
写真は、訪問した久保田酒造さんの田んぼ。当時はろくなカメラも持っておらず、大したレポートも書けなかった、あの頃の私に喝を入れたい…!!
その後、県や市のイベントで何度か料理を提案させていただき、長いお付き合いとなった福井県様より、先日メールを頂きました。
「福井県の新しい酒米『さかほまれ』で醸したお酒がデビューしました!8年もの歳月をかけて開発した最高級酒米品種のお酒です。満を持して4/19に全国一斉発売開始となったのですが、コロナの影響でお披露目会が軒並み中止となり、PRの機会が無く…。よろしければ感想を広めてください〜!」
(※実際はもっと丁寧な文面です)
おお、任せてください!!お安い御用です!!
ということで、今回は全力で「さかほまれ」の日本酒の感想を書かせていただきますー!!
そもそも、「さかほまれ」って、どんなお米??
「さかほまれ」をご紹介する前に、いかに福井県が米の開発に関して高い技術力を持っているかについて。
これは福井県の方から何度も伺ったお話なのですが、"主食用米のバケモノ"と称される「コシヒカリ」を産んだのは、実は福井県農業試験場だそうです。そして、今回ご紹介する「さかほまれ」は、そんな福井県農業試験場で開発されました。
この新しい酒米開発の目標は、福井県での栽培特性が優れ、山田錦並みに醸造特性が優れた品種。
福井県は、米の栽培も酒の醸造も盛んに行われていますが、精米歩合40%を超えるような高精白の醸造に適した酒米品種が無く、最上級酒を醸す際は酒米の王「山田錦」を選択せざるを得ませんでした。
しかし、山田錦は兵庫県のお米。
そこで、福井県の風土のもとでしか醸すことのできない、最上級酒に適したオリジナル酒米を開発するべく、全県を挙げての一大プロジェクトが2010年に始まり、なんと8年もの歳月をかけて、新品種「さかほまれ」が誕生したのです!!
つまり、「さかほまれ」は、 "山田錦並みの醸造特性" と、"福井県の風土で育てやすい栽培特性" を兼ね備えた品種ということですね。
しかも、「さかほまれ」は全量特別栽培(福井県認証、減農薬減化学肥料栽培)。収量や栽培性も、化学肥料を使用した米と遜色が無いそうです。
…ということで、ここからはお酒のレビューです!!
まだお酒を頂いてから間もないので、ペアリングについては想像中心ですが、実際の料理との相性は随時ご紹介していきますね!!
【レビュー①】越の鷹 さかほまれ大吟醸
越の鷹 さかほまれ 大吟醸
精米歩合:40%
アルコール分:16度
醸造元:伊藤酒造(福井市)
福井の米、水、酵母(福井酵母8号)で醸された、オール福井のお酒。
以前、福井市の日本酒のイベントで飲ませていただいた「越の鷹 グリーンホーク」がとても美味しかったのが印象的だったので、こちらを選ばせていただきました。
グリーンホークは青々しくみずみずしい味わいが印象的だったのですが、こちらの「越の鷹 さかほまれ 大吟醸」は、エレガントな印象。
ワイングラスをスワリングすると、ふわっと華やかで甘い香りが顔いっぱいに広がり、最初は「甘いお酒なのかな?」と想像したのですが、口に含んでみると意外と香りは控えめで、綺麗な酸を感じるキレの良い味わい。
飲み心地は軽やかなのですが、じわじわと旨味の余韻が押し寄せます。
合わせたいおつまみは、「焼きたけのことアスパラガスの出汁マリネ」。
出汁の旨味には絶対に合うし、米酢の酸味と調和しそうです。
【レビュー②】黒龍 純米大吟醸 × 荒木飛呂彦
黒龍 純米大吟醸 × 荒木飛呂彦
精米歩合:40%
アルコール分:16度
醸造元:黒龍酒造(福井市)
これはもう…荒木飛呂彦ファン垂涎の黒龍…!!
「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な荒木飛呂彦先生と黒龍酒造さんがコラボレーションしたお酒です。Twitterで紹介した際も、反応がすごかったですね。。
デザインが素晴らしいのはもちろん、さすがは黒龍酒造さん。味も一級品です。
桃のようなふんわりとした上品な吟醸香に、控えめな甘みと、キュッと引き締まった綺麗な酸。全くと言って良いほど雑味が無く、圧倒的な透明感。心地よく喉を通り抜け、またすぐにもう一口飲みたくなるような。
つまり、めちゃくちゃ美味しいです。
食事とともに味わうなら、上品で繊細な料理に合わせたいですね。例えばマッシュルームとオレンジのみそサラダが合いそうです。
個人的には、フルーツを使った料理に合わせたいですね。これからの季節、プラムを使ったサラダなんて最高かも!!
【レビュー③】早瀬浦 さかほまれ 大吟醸
早瀬浦 大吟醸 さかほまれ
精米歩合:40%
アルコール分:16度
醸造元:三宅彦右衛門酒造(三方群美浜町)
冒頭でお話しした、5年前に福井県に訪れた際には、三宅彦右衛門酒造さんにも訪問させていただきました。お茶うけで頂いた梅の甘煮、美味しかったなあ…。
海に面した美浜町の中でも、海に突き出した半島に位置する三宅彦右衛門酒造さん。海の幸とは当然ながら相性抜群なのですが、その中でも、地元名産の「鯖へしこ(鯖のぬか漬け)」との相性は最高です。
早瀬浦は、全体的にしっかりとした芯の太い酒質で、へしこの旨味とバッチリ。
「そんな早瀬浦の、さかほまれで造られたお酒はどんなお味なのだろう!?」と興味津々で頂いてみたところ…。
青リンゴのような溌剌とした香りに、キリッとしながらもじんわりと舌に広がる甘みと旨み。口に含むと、少しだけ杉のようなノスタルジックな香りがするような。
う〜ん!早瀬浦らしい芯の太さと、さかほまれ精米歩合40%の繊細さを持ち合わせた、絶妙な美味しさ。
ああ、これは鯖へしこというよりは、ストレートに生魚と合わせたいかなあ…と思い、鯵のなめろうに合わせたところ…
うん、バッチリ!!
しっかり薬味を使った味付けや、みその旨味にも負けないですね。
初鰹のカルパッチョにも抜群でした。
これは、色々なお魚料理との妄想が膨らみます…。
【番外編】あわら温泉の女将さんが造った日本酒「女将」
こちらは番外編なのですが、あわら温泉の女将さん達が造ったという日本酒「女将(甘口/辛口)」も送っていただきました。なんともストレートなネーミング。
「あわら温泉女将の会」の女将さん達は全員唎酒師の資格を持っているそうで、このお酒は、女将さん達が田植えや稲刈り、酒造り、ボトルのデザインまで手がけたスペシャルなお酒。(醸造元は福井市の久保田酒造さんです。)
元々は、あわら温泉に宿泊されたお客様向けに、旅館で提供する予定だったそうですが、コロナの影響による旅館の休業により、瓶で販売されることになったのだそう。ご注文は、各旅館にて承っているそうです。以下のHPをご参照ください。
そして、、これがまた美味しくてびっくり!!
商品は甘口/辛口の2種類を展開されており、個人的には辛口が好みでした。
これがなんとも優しい辛口で、柔らかさとキレの良さを兼ね備えたバランスの良い味わい。凛とした女将さんの姿が目に浮かびます。
ほんと、旅館の料理に合わせたいな〜と思う味わいですね。海の幸にも山の幸にも合わせたい。
早瀬浦と同様、鯵のなめろうには抜群な上、そら豆と塩豚のソテーにもバッチリ。そら豆のホクホク感と合うな〜!!
ちなみに、甘口の方はリンゴのようなジューシーな味わいです。アルコール度数が控えめで、とても飲みやすい!!
はあ……コロナが終息したら、あわら温泉でゆったりくつろぎたいものです。
最後に
今回は、「さかほまれ」で仕込まれた日本酒を3種類ご紹介させていただきましたが、一斉発売されたお酒は全17種類!!
気になるお蔵さんや、はたまたジャケ買いでも、是非お試しくださいませ。
さらに、「さかほまれ」のお酒がもらえるキャンペーンもやっているそうなので、是非チェックしてみてください!!
◎プレゼント企画概要
企画名:福の居る国から「幸せをつなぐ」プレゼント
内容:応募された方の中から抽選で新酒米「さかほまれ」で造った日本酒をお送りします。
金賞:1名様・・・17本(720ml)全銘柄
銀賞:100名様・・・1本(720ml)
応募条件:満20歳以上 おひとり様1回まで
応募締切:5月30日(土)
応募に関する詳細
◎お問い合わせ先
福井県酒造組合
TEL 0776-66-1234