〜季節の手仕事と日本酒の宴〜 日本酒マリアージュ料理教室が生まれ変わります!
2018年4月からスタートした、日本酒マリアージュ料理教室。
新宿御苑前のキッチンスタジオを拠点に細々と始め、気付けば今月で丸4年となります。これまで延べ1600名以上の方にご参加いただき、本当にありがとうございます…!!
さて、そんな日本酒マリアージュ料理教室がリニューアルし、新しく生まれ変わることになりました。今回のnoteでは、どのように変わるかという具体的な内容と、そこに込めた思いを書かせていただきます。
これまでの日本酒マリアージュ料理教室
これまでのレッスンでは、毎月変わるテーマに沿って、4種類のお酒に4品の料理をペアリングしてきました。料理は基本的に全て発酵食を取り入れたもので(醤油、味噌などの基礎調味料もありますが、時には鮒寿司や自家製ザワークラウトなども)、毎月のテーマは例えば「酸」や「うま味」などの味の要素を掘り下げたり、「魚」や「肉」など食材をピックアップしたこともありました。
インプットを続けながら、毎月学びのあるレシピとペアリングを考えるのはとても大変でしたが、この教室を楽しみに通ってくださる生徒様がいてくださり、「日本酒ってこんなに美味しいんだ!」「マリアージュってすごい!」「発酵食って面白い!」などのお声をいただくのが励みとなり、4年間続けてくることができました。
そして、5年目を迎える2022年4月のレッスンより、このように生まれ変わります。
発酵室 よはくの料理教室〜季節の手仕事と日本酒の宴〜
2022年度は、「手仕事」をベースにした教室にリニューアルします。
四季の移ろいを肌で感じ、季節の訪れを愛おしみ、じっくりと味わえるような、そんな教室にしていきたいなと考えております。
もちろん、これまでと変わらず、日本酒もペアリング形式でお召し上がりいただきますが、より自由に、ゆるやかに、リラックスしてお楽しみいただけるような雰囲気にしてまいります。
そんな思いを込めて、大好きな「宴」という言葉を取り入れました。
(宴という言葉、良いですよねぇ…)
具体的なレッスン内容としては、このような形になります。
毎月「季節の手仕事」をテーマにします
味噌仕込みや梅仕事など、季節の「仕込みもの」を毎月のテーマに据え、レッスンでは、最初に「仕込みものをする」ところから始めます。
仕込んだものはお持ち帰りいただき、ご自宅で育てていただきます。
味噌のように数ヶ月後から食べられるものや、山椒のオイル漬けのように割とすぐに食べられるものもあります。育てている間に分からないことがありましたら、いつでもご相談ください。
ちなみに、仕込みを始める前にウェルカムドリンクとして、旬の素材を使った日本酒カクテルをお召し上がりいただこうと思います♪
4月は苺の日本酒カクテルを検討中。こちらもお楽しみに!
「季節の仕込みもの」を使った料理3品のレッスン
テーマの仕込みものの完成品(私が予め仕込んでおいたもの)を使って、料理3品を作っていきます。
これまでは基本的に全工程をデモンストレーション&実践してきましたが、仕込みの時間を考慮して、一部の料理はレシピのみ(デモ無し)に変更させていただきます。また、これまでは料理4品でしたが、仕込みものがあるため3品に変更させていただきます。
また、できるだけ発酵食を使った料理をご紹介していきますが、無理して使うことなく、時にはシンプルに塩だけで味付けするような料理もご紹介していくことになるかと思います。
発酵の力を取り入れながら、かといって発酵にとらわれすぎず、素材の味を存分に味わえる料理を第一にしていきたいと思います。
料理と共に日本酒を味わう「ペアリングの宴」
3品の料理は、全てペアリングの日本酒と共にお召し上がりいただきます。これまでは、レッスン冒頭にブラインドテイスティング(情報が一切ない状態での利き酒)をしていただき、日本酒の説明をするところからレッスンをスタートしていましたが、これからは試食の際にお酒の情報を伏せたままグラスにお注ぎし、ゆっくりお召し上がりいただきながら、お酒の説明をさせていただきます。
最初に日本酒の情報を詰め込んでしまうと試食時間が遅くなってしまうことや、空きっ腹でお酒を飲むと酔いが回ってしまう方がいらっしゃること。また、テイスティング用のプラスチックカップのゴミを出さないために、このような形に改善しました。
〆は季節のご飯
3品の料理とお酒の試食・試飲が終わった後は、〆のご飯をお出しさせていただきます。これまでは、有ったり無かったりだったのですが、これからは毎月お召し上がりいただく予定です。
内容は、炊き込みご飯やお茶漬け、そうめん、うどん、蕎麦など、ご飯もの全般です(炊き込みご飯の割合が多いと思います)。
ノンアルコールの枠も設けます!
そして、上記レッスンの「ノンアルコール枠」も設けようと思います。
実際のところ、あまりお酒が飲めないという方も生徒様の中にはいらっしゃり、また様々な事情でお酒が飲めない方がいらっしゃるため、そんな方にも間口を広げたいなと思いました。
まずは実験的に、4月は1日だけ枠を設けてみようと思います。
なお、ノンアルコール枠は通常のレッスンよりも500円お値引きさせていただき、日本酒の代わりにハーブティーなどをお出しします。
レッスン料について
これから毎月様々な仕込みものをしていくのですが、仕込む物によって材料費がまちまちになります。そのため、基本は7,000円(ノンアルコールは6,500円)とさせていただき、仕込みものの内容によってはプラス500円〜1000円程度いただくことがあるかと思います。その場合は毎月のレッスン募集開始時にお知らせさせていただきます。ご了承くださいませ。
土の時間に触れよう。「手仕事」をテーマに据えた理由
京都に半分移住してから、"自然と共に暮らす人"にたくさん出会いました。
以前このnoteでも紹介した、在来種の大豆でテンペを作り、野草を愛する木下実験室さんはじめ、人里離れた集落でなんでも手作りされている常本さん、山菜取りや狩猟の名人の大学生、琵琶湖の漁師さん、大原の農家さんなど。
都会の暮らしと比べてどちらが優れている、という話ではないのですが、やっぱり自然と共にある暮らしって心地よいなと強く感じました。
それでは、私が東京で開催しているレッスンでは、何ができるだろう??
それは、「手仕事を通じて土の時間に触れる場を作る」ということなのではないか、という思いに至ったのです。
先日、発酵室 よはくのPodcastラジオ「よはく採集」で、みやもと糀店の宮本貴史さんにゲストとして登場していただいた際、「基本的に"土の時間"をベースに考えている」という言葉が、強烈に印象に残りました。
現代人のスピードって、ちょっと速すぎる。大量生産・大量消費のサイクルの中で、日々膨大な情報に触れ、私達は毎日慌ただしく生活しています。
そんな人間のスピード感だけを基準に生きていると、息苦しくなってしまうと思うのです。
料理研究家の辰巳芳子さんの本『仕込みもの』(文化出版局)に書かれているこの一節は、まさに私の気持ちを言語化してくれているようでした。
なんでもお金で買える、自由で便利で安全な現代の生活は、先人たちが現状を良くしようとしてきた努力の上に成り立っています。
そして私たちは、その恩恵に預かりながらも、「自然から離れすぎてしまったことによる弊害」を抱えて生きています。
じゃあ、どうすれば良いのか。それには様々な手段がありますが、私は都会でできる主体的な行動は、「手仕事」にあると思うのです。
旬の食材に触れ、その食材が生まれた風景に思いを馳せ、自分で保存食や調味料を仕込んでいくこと。その感覚を日々の暮らしに取り入れるだけでも、何か良い流れが生まれると私は信じています。
今すぐに現状を100%変える必要はありません。自然の流れは、そんなに急激に変わる物ではないですから。ありのままのリズムに身を任せて、ゆっくり素材が美味しく変化していく時間を慈しみ、時には微生物の息吹を感じながら、ゆるやかに、軽やかに時を過ごし、暮らしに余白が生まれるような。
そんな、暮らしに余白を醸す料理教室に、生まれ変わります。
4月のテーマは「春仕込み味噌」
第一回目となる4月のレッスンテーマは「春仕込み味噌」です。
手仕事レッスンの第一弾は、日本人にとっても最も親しみ深く、手軽に作りやすい「味噌」がふさわしいのではないかと思い、このテーマにしました。
味噌仕込みのシーズンは冬のイメージがありますが、味噌はいつ仕込んでも良いのです。冬に仕込めば気温が低い状態からスタートするので、時間をかけて上品な味わいに仕上がります。春に仕込めば、温暖な気候の中で速やかに発酵と熟成が進みます。そして、それぞれの美味しさがあります。
すでにご自分で味噌を仕込まれている方も、そうじゃない方も、是非ご参加いただけましたら嬉しいです。
ミルクボーイじゃないですが、味噌って「なんぼあってもいい」ですよね。
なお、初回はスタンダードな米麹味噌ですが、今後は小豆味噌やひよこ豆味噌など、いろんなお豆で味噌仕込みをしたいと思います!
以下、4月レッスンの概要です。
▼空席情報、お申し込みはこちらから。
HPのリニューアルが間に合わないため、一時的なリンクになります。
おいおい、HPの方にも教室の説明を盛り込んでいきますね。
なお、リニューアル前最後の3月レッスンも、よろしければ是非ご参加くださいませ。春の恵みをたっぷり詰め込んでお待ちしております。
皆さまと共に、ぷくぷくと発酵するような、そんな教室を醸していきたいです。
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