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20歳放浪中|フォルケホイスコーレ留学記

帰国してからしばらくが経ちました。
ありがたいことに仕事、私生活共に忙しく過ごしていく中で、今では自分が海外にいたことなんて夢だったんじゃないかと思ってしまう日々。

そんな時だからこそ、1年ほど留学していた
デンマークのフォルケホイスコーレを少し振り返ってみようと。

では少々お付き合いください。


はじめに

高校3年生の夏、何がしたいか決まっていなかった私は、
「なんか専門的な勉強じゃなくて、
生きていくための、大人のための学校ってないのかなぁ」
とぼんやりとインターネットを探していました。
そんな時に出会ったのがデンマークのフォルケホイスコーレ。

その時期になんとなく、なぜかデンマークの話がいっぱい入ってきて、私はこれに行けって言われてる気がする!という物事の流れを感じて、留学することにしました。

そして、学校に直接申し込みをし、
出発の5か月前に入学許可を、3か月前にビザを取り、
2023年秋、2024年の春の2ターム、Kalø højskole(ケルーホイスコーレ)に滞在しました。

私のいたホイスコーレは、自然に囲まれたのんびりしたホイスコーレでした。
メインはデンマーク人ですが、世界約10カ国くらいから人が集まり、年齢の幅も広く、誰でも受け入れてくれる、という印象でした。

kalø højskole


そもそもフォルケホイスコーレって?

フォルケホイスコーレとは、北欧独自の教育機関です。
フォルケホイスコーレの特徴は、試験や成績が一切ないこと、民主主義的思考を育てる場であること、知の欲求を満たす場であることです。
加えて、全寮制となっており、全員が共に生活することなども代表的なフォルケホイスコーレの文化です。

フォルケホイスコーレを説明するための4つのキーワード
1、探す、見つける、追求する
2、試験なし、成績なし
3、会話、談話、対話
4、共に学び、共に暮らす

https://www.ifas-japan.com/folke/

とまぁネットから引っ張ってきた情報はこんな感じです。
ですが、正直経験してみるまでは「で?結局なんなの?」って感じでした。

そして実際に自分が経験して感じたことは、

  • 全力で遊ぶことを学ぶ場所

  • 人と一緒に生きていくことを学ぶ場所

  • 生きることを学ぶ場所

とにかく日本ではなかなか経験出来ないものだなと。
言葉はまだまだ出てきますが、私が特に伝えたいのは上のワードたち。
これから経験したこと、感じたことを交えながら綴らせてもらいます。


全力で楽しむと言うこと

趣味も特になく、熱心に打ち込むものもなかった私は、ほとんどの時間をスマホに費やしていました。
そんな私がフォルケに行って一番のショックが、スマホを触る時間が全くなかったんです。

私のいた学校のフォルケの授業は、よくある日本の学校の“勉強“ではなく、

アウトドア、マウンテンバイク、バトミントン、カヤック、陶芸、アート、編み物、ヨガ、ギター、バンド、合唱、文学、映画 etc…

と、とにかくたくさんの授業がありました。
そして、それをフォルケの先生たちが教えてくれるのですが、その先生たちもそれが好きだから、教えている。
だから、正直先生たちが一番やっていて楽しそうなんです。
そんな人たちから学ぶ授業ほど面白いものはなかったです。

そして、生徒たちの熱量もなかなかのものでした。
学校でするイベントはほとんどが生徒たちが考えたもの。中には「え、それありなの?」みたいなものも沢山ありました。でもそれが現実できちゃうのがフォルケなんです。

自分たちや友達がゼロから考えて作ったものは、もちろんいいものにしたいと思うので自然とみんなの熱量が上がる。
イベントごとに関するデンマーク人の熱量は本当に目を見張るものでした。
真剣に計画を練るし、真剣に遊ぶし、真剣にふざける。
でも、だからこそ忘れられない思い出になるんだなぁと。

全力で遊ぶことで得られるものがあるそこから得られる学びはとても貴重なものでした。

アウトドアキャンプで



一緒に生活するということ

当たり前のことだけど、これがなかなか難しい!

フォルケは基本的に集団生活であり、私は相部屋だったので24時間誰かとずっと一緒にいることになるわけです。
しかも、言語の壁だってあるし、そもそも自分は積極的とは言えないし、初めはまぁそれがもどかしくて、、。
さらにずっと一緒に生活していると、やっぱり楽しいことばっかりではないものです。
そこに文化の違いだってあるもんだから、自分の楽しいことでも、他人にとってはそうじゃなかった、なんてこともたくさんありました。

だけど、言語が違うからこそ新しい出逢いがある。文化が違うからこそ新しい発見がある。
一番大きい障害と思っていたものたちは、それらを「障害」と思わなくなった時にたちまち
新しいもの尽くしの大きな扉
へと変化しました。

言葉や文化を超えたときの喜びは、何にも代え難い思い出です。
すごくありがちな言葉だけど、フォルケに来て改めて
「人との繋がりの大切さ」
を実感しました。

4ヶ月過ごした部屋


生きるを学ぶということ

ってきっと、学生時代だけじゃなくて一生ものだと思うんです。
フォルケにいるとそれをすごく感じられました。

フォルケにいた所謂「大人」はみんな目がキラキラしていて、
言うなれば、色んな面でまるで子どもみたいなんです。
たくさんのことに興味・関心を持っていて、吸収も早い。
変化に対する恐怖心や執着心を持ちすぎず、やってみたいことはとりあえずやってみる。
子どもっぽいって、なんだかあんまりいい意味に聞こえないかもしれないけれど、子どもっぽい大人って最強なんじゃない?!って(笑)

なんとなく、
人は一生をかけて、学んでいくものなんだなと。
私たちがいる状況は変わるものだし変えられるもの。
だからこそずっと同じ環境にいるだけではなく、
新しいこと・モノに目をキラキラさせて、
変化を恐れすぎずに行動してみるって
大事なことなんじゃないかなと思いました。

偶然見れたオーロラ


終わりに

長々と書きましたが、まぁ自分がした経験を全て伝えるなんて至難の業。
経験した自分ですら、驚きや関心の量が多すぎて、全部は覚えきれないようなもんです。

だけど必ず言えることは、フォルケに行ってから
生きることが少し楽になって、
生きていくことにワクワクを抱くようになったことです。

「こうしなければならない」
「これはこうであるべき」
もいいかもしれないけれど、
「これもできるんじゃない?」
「こうしてみたらどうなるかな?」
の方が私は好きだなぁって。

このとっっても濃かった一年の
あの感動たちを忘れないように、
いい思い出で終わらせないように、
これからも自分のペースで、自分なりにやってぼちぼちやっていきたいです。

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