一章/8話 交わる伝承
…えっと、とりあえず……
「ローズさんの知り合いの方の占い?と、ラメの故郷の伝承がほとんど同じってこと?」
「うん、さっき言った故郷の伝承ね」
「私があの占い師に聞いたものとほとんど同じなのですか?」
ローズさんもびっくりしてる。
「はい。内容が『世界が魔に支配されんとするとき、1人の勇者が現れ、魔を打ち払わん』で、その勇者の見た目が、『身長が低く、桜色の長髪の少年』なんです」
「私のところの占いは『もう時期新しい勇者が生まれる』と『世界が魔に支配されんとするとき、1人の勇者が現れ、魔を打ち払うであろう』でした。あと、勇者の見た目については『身長低し』だったと思います…!」
「なるほど…不思議ですね、まあでも、共通して勇者の身長が低いってことは、やっぱり勇者はサクラくんだね!」
え、殴っていい?
「も~冗談だってば~ってかほら、あれじゃん、ローズさんいるしさ、あんまりそーゆー発言は…」
あ、そうなのか。
「いえ、全然大丈夫ですよ。別に今ここで殴り合いの喧嘩を始めていただいても結構ですし。血は見慣れてますから」
ええ!なにこのお嬢様怖い…
「お嬢様、流石に今ここではご遠慮いただきたいですね」
おお、さっきまで無口だった御者の人(使用人?)が喋った!名前は確か、ボルジアさん…だっけ。そうだよね、流石に使用人としても今の発言は止めるよね。
「馬車の中で流血するほどの喧嘩をなされたら車内が汚れて掃除が大変ですので」
そこかよ。てか流血しない程度ならいいの?なんかよくわからないけど、多分つよいひとたちだな~主に精神的に。
「えっと、とりあえず話を戻すけど、ローズさんが知ってる占いと、私の知ってる伝承がいろいろ関係ありそうってことですよね?」
ああ、そういえばその話だった。
「そうみたいですね。それで、両方に出てくる勇者がサクラさんってことですか…」
あーもう、それでいいや。
「街に着いたら、その占い師さんにも会ってみたいです!」
え~、まあ確かに気になりはするけども…
「お、なんかサクラくん地味にいやそうな顔してるね、どうしたの?占い嫌い?」
あ、ばれてる。ていうかすごいね、よくわかったね。
「そりゃ~私とサクラくんの仲だもん♪」
いや、まだ会ってから一日もたってねえよ。
「えっと、占い自体が嫌いってわけじゃないんでけど、ちょっと前にさ、僕の他の友達と、ライネリーとは別の街で遊んでた時に、占いのお店でで、その友達が占ってもらおうとしたら、その占い師さんに友達の正体がばれちゃってさー、ちょっと大変なことになったしなんか僕もおこられたし。とにかくそんなことがあって大変だったんだよね」
「ええ!?正体がって何!?正体って!!」
ちょ、ラメうるさい。
「辛辣!」