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パリ旅行記2024🇫🇷⑦終 帰国後のコロナ罹患から落ち着くまで

タイトな6日間のパリ旅。
あまり身体が丈夫でない私にしては、元気に過ごして帰ってこれてよかったと思っていました。

ところが…帰国の2日後、体調に異変が起きたのでした。

パリ旅行記は、冗長な闘病記録で締めくくります。

帰国翌日は、時差ボケもなく、いつも通りにリモートワークをしました。
元気でよかったくらいに思っていました。

帰国2日目、身体に異変

葛根湯で治ると思っていたが…

10/16帰国2日目の朝、頭や喉に少し違和感がありました。
風邪かな?と思い、ドラッグストアで葛根湯を買い、飲みました。

午前中に葛根湯を飲んだのに、午後になっても効かないなと思っているうちに熱が38℃台まで上昇。

そのとき、胸のあたりが押さえつけられるような感覚がありました。経験したことのない感覚だったので、これは普通の風邪じゃないかもしれないと思い始めました。

とりあえず近所の耳鼻科へ。
咳、たんなど対症療法の薬を3種類処方していただきました。その夜、39.3℃まで体温上昇。あつくてふとんを剥いで寝ました。

そのときは、胸のあたりの違和感からして、流行しているマイコプラズマ肺炎じゃないかと思っていました。

陽性判明1日目から7日目

コロナ感染が判明、熱は2,3日で下がりましたが、関節痛や吐き気に苦しみました。嗅覚障害にも気づきました。


10/17木曜(1日目)

発熱で病欠。
朝、自宅近くの内科クリニックで検査を受けたら、コロナ罹患が判明しました。

文字の上のラインはウイルス量のイメージだそう

初めて行ったクリニックでしたが、とても丁寧な先生で療養期間のこと、薬のこと、ひとつひとつわかりやすく説明してくれました。

コロナ治療薬を服用すれば療養期間が少し短縮できるらしいものの、高額であること、持病で飲んでいる薬との飲み合わせを考えたらやめておいた方がよいとのこと。

この日は特に薬の処方はなく、帰宅して再び寝ました。

その後、39.8℃まで発熱しました。


10/18金曜(2日目)

熱は下がりつつあるものの、倦怠感が酷くて仕事はできませんでした。

午前中は膝下がとてつもなくジンジンと痛み、ロキソニンが効くまでジタバタと動かして気を紛らわせていました。

関節痛は持病で慣れているつもりでしたが、それよりもひどい感じでした。


10/19土曜(3日目) 

関節痛と倦怠感はあるものの、熱はおさまりました。1日ほとんど寝ていて、昼はピザの出前を取って完食しました。


10/20日曜(4日目)

たんの絡んだ咳が出るようになりました。
7時間以上寝ました。


10/21月曜(5日目)

3日も仕事を休んでしまったしなと、フラフラでしたが仕事を始めました。ところが、吐き気が酷くて椅子に座っていられなくなり、上司に連絡の上病欠に切り替えました。

ネットでコロナについて調べたら、XEC株というのがイギリスで流行しているとありました。

(日本語訳)
XEC変異株の特定されたパターンは、発熱から始まり、咳や喉の痛みに進み、筋肉痛や頭痛に進み、最終的には吐き気や下痢に至る可能性がある。

BristolLIVE XEC Covid strain symptoms can emerge in a specific order

発熱→咳や喉の痛み→筋肉痛や頭痛→吐き気や下痢って…今のところ、そのパターンをほぼ踏襲しています。

とにかく寝ました。


10/22火曜(6日目)

ごはんは食べないと

今日こそ仕事するぞ!と朝デスクに座って始めたら、突然下痢と嘔吐に襲われトイレへダッシュ。全身がしびれ、トイレの前の床に横になってしばし動けず。

それでも、この日はクリニックの定期通院日だったので、がんばって外出しました。

体力が落ちて駅の階段もろくに上がれず、エスカレーターを使います。電車内では、席に座れなければ倒れるかもしれないとヒヤヒヤで吊り革につかまっていましたが。たまたま前の席が空いて救われました…なんとか帰宅。


10/23水曜(7日目) 

まだ頭重感、倦怠感、鼻の詰まる感じがあります。

アロマオイルの香りに癒されようと、アロマの瓶に鼻を近づけたところ、においがしないのです。

衝動的にアロマオイルを捨てようかと思いましたが、冷静に考えたら、まだ買って3ヶ月位のオイルがにおわないってほうがおかしい。

香りがわからないことに気づきました。

コーヒーキャニスターに近づいても、まったくコーヒーの香りがしません。

恐怖。

ショック…

生活が色彩を失ったかのよう。
無味無臭の世界では、感覚がなくなってしまってピアノの練習にも身が入りません。

食べる楽しみが失せた。
いつまでこの状態が続くのか。 

嗅覚・味覚障害の影響

嗅覚味覚障害の間、焦げくさい感じというのかなんなのか、食べ物や飲み物の感じ方が変わってしまいました。

その影響で、積極的にとらなくなってしまったものもありました。 

味やにおいが変わってしまったもの

コーヒー、チョコレート、納豆
いずれも毎日欠かさずとっていましたが、苦いにおいと味が強調されてしまい、つらかったです。風味がわからないようにも感じました。

お肉
焼肉では、レバーが特にくさみを感じてつらかったです。お肉は味を感じづらいのか、積極的に食べたいと思えなかったです。ホルモンはおいしかったです。何が違うのか…

ぶどう味のグミ
口に入れた瞬間、ツーンとした香りがにおってきて、美味しく感じられませんでした。レモン味は変わらずおいしく食べられました。

口にしやすかったもの


味やにおいが期待以上でも以下でもない水を飲むときだけは、落ち着いていられたような気がします。

パン
小麦粉のにおいや微細な風味はわからないものの、食べる頻度が増えました。おそらく、味のしないごはんをもぐもぐするよりも食べやすいのだと思います。

牛乳
元々あまり得意ではありませんでしたが、味覚嗅覚がなまっているおかげで、牛乳をそのまま飲めるようになりました。
カフェラテやロイヤルミルクティーは好きで、相変わらず飲みます。

みかん・オレンジ
味がわかりづらい中でも、柑橘の香りは感じやすくて、食べた気になりました。

ヨーグルト
たんぱく質が摂れて、かつ味も変わらなかったです。キウイと混ぜたりすると、ビタミンも摂れてい感じです。

うどん
どうせ食べても味がしないし…という後ろ向きな時も、うどんはつるっと食べられるので助けられました。

お寿司
じっくりと味わうまではむずかしいものの、お刺身の味の違いはわかります。

カレー
スパイスの香りを感じやすいので、食べた気になるのがよいと思います。


陽性判明8日目から14日目

味覚・嗅覚障害に悩む日々、痰の絡んだ咳も続きました。


10/24木曜(8日目) 

嗅覚味覚の異常は続いている。まだ鼻水が出ている時点で、体内にコロナウイルスがいるのだろう。

昨日と同じアロマオイルの香りを試す。ほぼ無臭だが、ほんの、ほんの、ほんのかすかに柑橘のような香りがしたような気がして一瞬の光を見出す。


10/25金曜(9日目)

いくら味がしないとはいえ、何かしら食べないと体重が落ちる一方。ハンバーグ弁当を買って食べました。

食感とわずかなにおいでハンバーグであると認識できるけれど、味がしないというのは何とも悲しいものです。

おせんべいやフライのように歯応えのあるものを食べて、何とか食べてる気になっています。


10/26土曜(10日目)

お寿司についているわさびの辛さは、しみるほどわかるけれど、味がいまいちよくわかりません。

まだ咳とえへん虫も残っています。体力をつけなければ。


10/27日曜(11日目)

好物の五目そば。
なんとなく味がわかるような、わからないような…でも、まったく味も匂いもしなかったことを考えれば大進歩。


10/28月曜(12日目) 

くしゃみ、鼻水、咳があり、嗅覚味覚は完全に戻りませんが、毎日徐々に治ってきているのがわかります。
この日、コロナ感染以来、約2週間ぶりに筋トレを再開できました。しかも、こまめに休憩を入れなくても椅子に座ってじっくり作業できる…

先週までは、体調悪いのに無理してたんだなと思えてきました。

一方で、特別寒くないのに、手足の末端が冷えます。なんなのか…コロナウイルス。


10/29火曜(13日目) 

やたらと痰が絡むようになりました。
嗅覚味覚はだいぶ戻って、食事の違和感もそこまで感じない程度になりました。


10/30水曜(14日目)

嗅覚味覚は戻ってきてはいるのですが、感染前と比べると同じ食べ物でも味が変わったように感じます。
納豆、チョコレート、何とも違う味なのです。風味がするのかしないのか、よくわからないというか…
においも、雨のにおいやちょっとした部屋のにおいなどはまったくわかりません。
言葉にしがたい感情を、何らかの形で表現するすべがあったらなとも思います。こんなとき、作曲家ならコロナ組曲とか作っちゃうのだろうか。


陽性判明15日目から21日目

回復が見えず、落ち込みがちな日々をやり過ごしました。


10/31木曜(15日目) 

遅刻するまででもないですが、体調がすぐれず少し朝寝坊。

外を歩いてみましたが、気分転換もあまり効果なく夕方から寝ました。


11/1金曜(16日目) 

モネ、癒し


嗅覚が戻らず、憂うつな日々。
引きこもって落ち込んでいるのもあまりよくないので、夜、美術館へ行きました。体調から意識をそらせることができてよい時間でした。


11/2土曜(17日目) 

相変わらず長い時間寝ていられます。
味覚障害には、スパイスや酸味が効いた食べ物がいいとのことを知り、カレーそばを食べました。その数時間後、強烈な胃痛におそわれ、すぐに寝ました。

とにかく、今の体力でできることをやろう。


11/3日曜(18日目) 

そろそろ治ってもいいだろうに、まだ治らない嗅覚味覚。
当帰芍薬散という漢方と亜鉛のサプリメントを飲みはじめました。効けばよいのですが…

食べても食べた感じがせず、お腹に食べ物が溜まったことで食べた実感が湧くという変な感じです。

レバーとぶどうのグミが妙にくさく感じたのは、まだ治っていない証拠かもしれません。どちらも普段ならよろこんで食べるものなのですが…


11/4月曜(19日目)

お寿司を食べたら、味は薄く感じるものの、味覚そのものは元に戻ってきているような気がします。亜鉛のサプリメントが効いたのか、単に日にち薬か?

それにしても、どれだけ寝ても寝足りません。
なかなか体力が戻らないのも困ったものです。


11月5日火曜(20日目)

味覚嗅覚の鈍さに慣れつつあるのが、もどかしいです。やっぱり元の感覚まで戻りたい。

先週末あたりから、夕方になると微熱が出ることが発覚。平熱が35℃台と低いため、37℃近く出るとどうも頭が鈍ってしまいます。

そうでなくとも、感染後は思考がぼーっとするようになってしまったのに…


11月6日水曜(21日目)

フランスパンのサンドイッチを食べたのですが、ほとんど味がせず残念でした。

コロナに3回罹った方に、周りで味覚嗅覚治っていない人いないから!と励ましていただきました。必ず回復してみせます。

陽性判明22日目から28日目

後遺症外来にかかり、処方薬を使い始めました。体力と味覚はだいぶ回復、嗅覚は徐々に徐々に回復しつつあります。


11月7日木曜(22日目)

処方された点鼻薬

コロナ後遺症を診てくださる、評判のよい近所の耳鼻科を受診。治療実績に基づくお医者さんのお話に、少し希望を感じました。

味覚嗅覚が9割方戻ってくると、回復したと実感する方が多いようです。私は6〜7割くらいかな…0だった時を考えれば、徐々に回復しているということ。

亜鉛を含んだ胃薬と点鼻薬を処方され、1週間様子を見ることに。

漢方やサプリメントを買う前に、初めからクリニックに行っておけばよかった!
元に戻ると信じたいです。


11月8日金曜(23日目)

部屋の空気を入れ替えた時、少し部屋のにおいに気づきました。日常的なにおいを感じられていなかったので、大きな進歩です。

納豆がおいしく食べられるようになりました。


11月9日土曜(24日目)

馬肉のタルタル

パリを思い出して、馬肉のタルタルステーキ。
おいしいのですが、風味を十分に感じられずになんか消化不良。治ったらまたきます。

スターバックスでアールグレイティーラテを飲みましたが、嗅覚が戻っていないとなんか残念でした。


11月10日日曜(25日目)

味覚は薄いけれど、どの食べ物でも味は普通に感じるようになりました。少しは改善しているのかな。

舌について調べたら、舌のふちがわにセンサーが集まっていることを知りました。
劇的に変わることはないけれど、咀嚼するときの食べ物の位置を変えてみたりします。


11月11日月曜(26日目)

点鼻薬は1日2回。
鼻に薬を垂らすのはなかなか慣れません。

コーヒーキャニスターにわざわざ顔を突っ込まなくても、少し近づくとコーヒーの香りがわかるようになった気がします。

この日の大進歩は、おせんべいの塩味がはっきりしてきたこと。うれしかった…


11月12日火曜(27日目)

味覚はだいぶよくなってきている一方で、においがまだ感じきれないです。

ただ、におわないことへのストレスはあまり感じなくなりました。


11月13日水曜(28日目)

味が変わってしまっていたコーヒー、チョコレート、納豆は、コロナ罹患前のように普通に口にできるようになりました。

おいしいとは感じるのですが、だしとか小麦粉の微妙な違いのようなものは嗅覚が戻り切ってないからか、まだ味わい深いというレベルまではいきません。


陽性判明から29日目

11月14日木曜(29日目)

耳鼻科を受診。
亜鉛は服用をやめることになり、点鼻薬を続けて、1か月後に受診してくださいとのこと。

2か月、3か月と間を空けて経過を見るとのことです。

体力と味覚はほぼ回復、急いで治療するのはここまでと認識。あとは、嗅覚が治るまで点鼻薬とおつきあいしていく感じです。

ここからの回復はゆっくりになると思うので、日ごとの記録はここまでにしようと思います。

回復してきてわかったこと

コロナが始まってから4年後に初めての感染。
こんなに大変なものなのかと、罹患して初めてわかりました。

においがわからないときは、悪臭でさえもいとおしいというか、日々の細やかな変化に気づけないつまらなさを感じ、悔しくてたまりませんでした。

ピアノの練習も、感覚の一部を失っているショックから、音を作るとか表現を試行錯誤するとかいうレベルのことはなかなかできませんでした。

嗅覚味覚が戻り始めた20日目位から、ようやく通常の練習に戻りつつな感じでした。

軽症であっても、嗅覚味覚を失ってしまうのだから…苦しんでいる人たちのことを察するに余りあります。

ああ、やはり健康が一番。

またパリへ行こう!

ナビゴもまだ4枚残っているし

私のパリ旅行は、ようやく一区切り。

しかし、すでに帰国から1ヶ月以上。
こまかな記憶は脳から消え、ここに残した記録の中だけになりました。

Google mapでパリを調べるのはひと段落しましたが、今でもYouTubeやサイトでパリ情報を追ってしまいます。

フランスのチーズやパンを食べたり、フレンチのレストランに行ったり、美術館で印象派の絵を観たり、さらに模写までしちゃったり…なかなかハマっています。


今回の旅で行かれなかったところ、たくさんあります。ピアノのために体感したいこともあります。

また近いうちにパリへ行こう!

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