見出し画像

プロローグ3-4(ソック、家を追ん出される!)-サイレント・ネオ-boy meets girl-

「お客さん、閉店ですよ!」
どれくらいたったかわからないが、店員にうながされるとソックは目をさまし、千鳥足のまま居酒屋を出た。

そして、完全に酔っぱらったソックは前後不覚、記憶も全くないまま、気付くと薄暗く怪しげなスナックにいた。
ソックは店に入った覚えもないが、会計表を手渡された。
その料金は非常に安く、ソックは満足げに「近頃ぼったくりのバーも多いと言う話だけど、この店は良心的だねえ。また近いうちに来るからねえ」
と機嫌よくチップまで奮発し、店をふらふらと出た。

後ろから新人で入ったという若い女性が、ソックを送ろうとついてきた。
何でもリムリ国境の村からキングダムにやってきたというあか抜けない女性である。

「お客様、タクシーが見つかるまで送ります」
「ああ、ありがとう、でも大丈夫だよ」
ふらふらのソックの周りでは景色がぐらぐらしていた。
すると、女性が急に口を押えて調子が悪そうにした。
「き、君、大丈夫かい?」
「ちょっと、気分が悪くなっただけです・・・ちょっと、そこのホテルで休んでいきたいです」
「ほ、ホテル!?」

ソックは女性からいきなり言われて、びっくり仰天。
晴天の霹靂とはこのことであろうか…などと思いながら、ホテルに直行した。

しかし、ここからすっかり記憶がなくなってしまった。
酩酊して酔っぱらったソックは夜明けに目を覚ますと、ホテルのベットで1人寝ていたのだ。
若い女性はいつの間にか姿を消していた。
ソックの頭にとど子が激怒している様子が浮かび、さすがにまずいと思ってあわてて外に出ると、タクシーを拾って一目散に家に帰ったのだった。

その後、ソックは何とか家にたどりつき、着替えもせずに1階のソファーで寝てしまった。
次の日、時計は10時頃をさしていた。
「あなた、そろそろ起きたら、どう?」
いつもなら休みの朝でも7時には、グローブのようなとど子の手でたたき起こされるところだが、この日はずいぶんと大目に見てくれていた。
しかも、いつものがなり声とは違い、何とも優しい物言いだ。
夏のボーナスが支給されたため、とど子は非常に機嫌が良かったのだ。
まだまだ、つづく…本日も2本立て!

プロローグ:3-1 3-2 3-3

新作情報

BGM



いいなと思ったら応援しよう!

遥ナル
ご覧いただきありがとうございます!