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テディ・Dと親友フローニ4-サイレント・ネオ外伝-

全編(全17話)はこちら※一部シリアス、ショッキングな内容も含まれます。

「124番、こっちに来るように…」

とフローニを飛ばして、点呼を続けた。
フローニはその場に立ちつくし、肩を震わせている。


テディ・Dはそんなフローニのことを、とても珍しい子供だと思ってみていた。この研究所に来る子供はみんな一様に、素直で大人しく従順な子供が多かった-少なくとも職員たちの前では…。

しかし、フローニはただ一人反抗的で、子供たちが本当は思っていることを代弁した。すなわち、”番号で呼ばれるなんてまっぴらごめんだわ、私たちにはちゃんとした名前があるのよ!”と。それは、新入りだからまだルールを理解していないだけなんだわとテディ・Dは思った。
そんなテディ・Dはすっかり自分の名前になど興味を失って、98番と呼ばれることに慣れていたからだ。名前を名乗ったり記入することがあれば、98番と言ったり書いたりすればよかった。

フローニ以外の新入りの子供たちが整列を終えると、エルザはフローニの方に近づいた。

「123番、これが最後ですよ。あの子供たちのいるところに行って、後ろに並びなさい」

エルザはフローニを上から見下ろしながら、厳かに低いトーンで言った。それは最後通知だった。しかし、フローニもキッとエルザを見上げて、睨み返していた。

「フローニ、早くエルザさんの言うことに従って。大変なことになるから!」

テディ・Dは手すりから身を乗り出して、思わず声をかけた。

14話まで先行配信中

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遥ナル
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