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ムサシ、3都を訪問1-サイレント・ネオ-boy meets girl-

「ムサシか…若いがずいぶん精悍な面構えだ…どこかで見たことがある気がしたんだが…はて。しかし、性格はさっぱりして悪くなさそうだ。あの金額じゃ赤字だが、気に入ったから安くしてやったぜ……だが、あれは早死にしそうなタイプだな。死なすには惜しいが…」

多くの軍人と付き合いのあるゲンは、会ったばかりのムサシの顔が頭にちらつきしばらく離れなかった。

一方、ムサシは宇宙ステーションにあるトラックヤードのドックでサイレント・ネオをトレーラに積み込むと、アストラルからいよいよ出発したのだった。

トレーラーのハンドルの隣に大型モニターがついており、声に反応して地図情報をAIが音声で知らせてくれる機能があった。
早速ムサシはモニターを使って、アストラルに一番近い都市を検索した。するとミツルギという月歌最北端で、新進気鋭の提督がおさめ、飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を広げている都市が示された。
領主の名はネスタ・ブラッドンといい、年齢は20代中盤という若き提督である。ミツルギは兵強く、精鋭が訓練を重ね、優秀な人材も集まっていた。
ムサシはミツルギにつくと、すぐに提督ネスタ・ブラッドンに会いに行った。

群雄割拠の月歌ではパイロットは非常に重宝された。そのため、ムサシはすぐに政庁にいるネスタ・ブラッドンに面会することができた。
会議の間には提督の椅子に足を組んで座るネスタだけでなく、その隣に立つ参謀ドール、さらに左右の椅子に腰かけるモンゴメリー、ラップといったネスタ党の重臣が顔をそろえていた。
この中でも女性参謀ドールはまだ23歳とひときわ若く見えたが、北部では名が知られるやり手の存在だった。
もちろん、ネスタ党を率いるネスタ・ブラッドンの名は、今では月歌中に知ら渡るようになっていた。

だが、月歌の事情に暗いムサシは、ここにいる連中がどういう人間なのかもろくに知らなかった。長髪のネスタは長身でもある上に、段差がある一段高い所からムサシを見下ろしている。
その目は冷酷そのもので、全く感情が見えなかった。

続く…(先行配信中)

サイレント・ネオ-boy meets girl-(先行配信)

BGM

-登場人物-

テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?

ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機落としを達成、スーパーエースに認定された。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。

ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。

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遥ナル
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