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第五章:迷い森へ2 樫の木庵のマボ-大賢者ニルバーニアと双頭の魔女-
何とも不思議なことですが、小さな村に住む3人のかわいい子供たちが、世界の運命を背負う羽目になったのでした。それを知っているのは、小さな村の村人と偉大なる大賢者ニルバーニア様だけでした(ニルバーニアは占いを終えると、気配もないままに村から姿を消してしまいました)。
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そうこうしているうちに、森の入り口にきました。迷い森は当然ですが、外から奥を覗いてもいくえにも木立が続いているだけで、先になるほど暗くなっていて、出口などとうてい見つけることはできません。まるで、木の海原のようでした。大人の足で数日、いえ、一週間、はたまた1ヶ月歩いても抜け出すことができないほど奥深い森とされていました。ごくまれに木こりや狩人が足を踏み入れることがあるので、森の中には一夜を過ごすための小屋がポツン、ポツンと遠く離れて建ってはいます。とはいえ、人食い虎や大ヤマ猫、熊に狼に蛇に…と怖い動物もわんさか住んでいますし、妖精や妖鬼の類も住んでいると言われています。
ここに子供たちを送り出さなくてはいけない大人たちの気分は沈むばかりだったのです。そんな大人たちが頼りにできるのは、ニルバーニアが残したことづけだけでした。
”森の入り口に私の知り合いを送り込んでいる。その知り合いが子供たちを安全に森に行けるように案内するであろう。もちろん、私も2,3ある面倒な用事を片付けたのち、急いでかけつて子供たちを手助けするつもりだ”
ですので、子供を送り出す大人たちも少しは安心していました。ニルバーニア様のお知り合いならば、とても確かな人に違いない、森の中も熟知して、魔法も使え、とても強くて聡明で、それはそれは子供思いの方だろう、そう思い込んでいたのです。
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マボ:5歳の男の子。少し臆病で控えめだが、優しい子供。家は貧しく、町はずれの傾いた掘立小屋で暮らしている。
モモ:5歳の女の子。おてんば、おしゃべりで元気な子供。施設育ちで、街一、二位を争う金持ちシュールレ奥さんにひきとられている。
ネネ:5歳の女の子。お金持ちの子供で、つんとおすまししたお嬢様。
ニルバーニア:めったに人界に姿を現さない大賢者。若い娘のような顔立ちだが、老婆のような話し方をする。動物(特に鳥族と仲が良い)と話すごとができ、様々な魔法を使うことができる。自宅のログハウスでは、猫のピッピをかわいがっている。
キッチュ:エルフの女の子。愛しのバブバブ坊やを探している。人間の子供を見つけると、虫に変えようとする。
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