![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27255050/rectangle_large_type_2_37f9809832fc919f8d8eb54cdf6978ed.jpeg?width=1200)
プロローグ3-6(ソック、家を追ん出される!)-サイレント・ネオ-boy meets girl-
「あなた、また戦争になんてならないわよね。せっかく久しぶりに家族で旅行に出かけられるというのに…」
「うーん、どうだろうな…我々もシャギ党に関してはあまりよくわからんのだ。特に新提督のシャギという男は仮面をして表情もわからないそうだ。
不気味だよなあ…残酷で容赦ない人間だと聞くし…」
「全く迷惑な話よねえ…」
トド子は大きめのまんじゅうを一口で半分食べ、ほおばりながらいった
「まあ、大丈夫だろう。シャギ党は北閥の同盟国だから、夏休戦(なつきゅうせん)に違反するようなことはないと思う。それにまさか、ララに攻め込むこともあるまい…広い砂漠を超えるのは難儀だからな…しかし、何があるかわからない世の中だから、下手をするとララに行ったら帰れないかもしれないな…」
「そうねえ、そしたら逆に温泉宿でゆっくりできるかもしれないわねえ」
「どうなるんだろうなあ…」
ソックが深いため息をつくと、トド子は「いけない」と思い出して、カレーをにこんでいる鍋のある台所に向かった。
それから家族そろっての昼食となった。
「うん、今日のカレーはしっかり煮込んであるな。このカツもうまいな!」
ソックは満足そうにうなずきながら、カレーライスを口に運んでいる。
「このカツは特別にとんかつ△大王で買ってきたヒレカツだからね」
「そうか専門店のかつなら、うまいわけだ!」
とソックは上機嫌である。
食欲旺盛な子供たちもあっというまにたいらげて、おかわりをしていた。
そして、食事が終わると、ソックは明日の準備とばかりに鏡の前でララにきていく服に着替えてみた。
アロハシャツに麦わら帽子、ビーチサンダルに短パンといういでたちである。ソックのコンセプトはちょい悪おやじらしい。
着替え終えたソックは洗面所から居間に戻ってきてたずねた。
「おい、どうだ、ほれなおすか!? このサングラスがポイントだ」
「そうね、そうね、なかなかいいわよ」
トド子は適当にあしらう。しかし、着替えたことでテンションが上がったソックは、最近始めたばかりのウクレレも持ち出して、ポロンポロンと引き出した。とても聞けたものではない下手の横好きであるが、
「どうだ、決まってるだろ!」
と気分はすでにリゾートにいた。
「ところであなた、そろそろ、あれを出してくれないかしら…」
トド子はうんざりしたような表情で言った。
「あれ?」
「あれっていったら、あれしかないでしょ!」
「ああ、そうだよな…」
ソックは壁のハンガーにかかっている昨日着ていた背広の内ポケットをまさぐった。
「あれ、おかしいな…ここに入れたはずだが…」
ここからトド子の顔が急に曇り始め、雲行きは怪しくなっていく。
「あなた大丈夫よね、いくらなんでも…他の人は振込だっていうのに、あなたは現ナマが一番って口癖のように言ってるけれど…」
「シャリーン、私だってばかじゃないんだ…こんな大事なものなくすわけないだろ…カバン中かな…」
つづく…ソックの運命やいかに!?
企画/ソック×ボイスアクター/プロローグ3に登場する、ソックの4つのセリフ(黒文字で表記)を実際に声に出してもらっています!※Cocommuより
→へいさん
→プロローグ:3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 3-7
新作情報
BGM
いいなと思ったら応援しよう!
![遥ナル](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85013899/profile_bddd0589157e62a411be94d9daa247f7.jpg?width=600&crop=1:1,smart)