ムサシ、月歌に到着1 サイレント・ネオ-boy meets girl-
最北にあるアストラルは月歌唯一の地球(テラ)領で、規模は小さく拠点レベルだった。
とはいえ、栄えた場所ではないけれど、かといってさびれた場所ではない。地面は赤土で、風が吹くたびに砂埃が舞って、視界をさえぎった。
地球(テラ)、月歌(げっか)、両国の貿易商人たちが集まり、人型兵器であるCAや軍事物資、工芸品、食べ物などの取引をしている。
アストラルにある宇宙ステーションは地球からの観光客や商売人の受け口で、こじんまりとしているが、周りには地球の客目当ての食堂などがちらほら開店していた。群雄割拠まっただなかの月歌にあって、地球からの観光客というのはほとんどいなかったのだが…。
ムサシの乗った旅客船は乗客自体が少なかったが、旅人と呼べるのは彼だけで、ほとんどが仕事で訪れる者ばかりだった。そそくさと乗客が旅客船を降りる中、あてもないムサシは最後に船を降りた。
宇宙ステーションから出ると、ついに月歌に足を踏み入れたのである。
地球ではしばしば武者修行をして旅慣れしているムサシは、縦長のボンサック一つを肩にかけているだけだ。まるで、近場に1泊2日の旅に来たかのようないでたちだった。
そんなムサシを戦艦ドックで働くメカニックや作業員は、物珍しそうに見ている。
取引に忙しい商売人たちはムサシを一瞥しつつ、倉庫やコンテナの方に足早に向かっていく。
-登場人物-
テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?
ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機落としを達成、スーパーエースに認定された。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。
サイレント・ネオ-boy meets girl-(先行配信)
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