観察する
人が着ている文字付きの洋服は、なるべく読むようにしている。
意識的にというか、無意識下だから、読んでしまうという方が正しいだろう。
この人は、どんな気持ちでこの服を選んだのか
どんな思いで、デザイナーは作ったのか
実はこの人がこのシャツを作っているのではないか
とか、想像は果てしなく続く。
最近は、レジ打ちをしているからか財布を見ることが好きだ。
特に、黄色い財布を持ってる人を見たときなんかは、興奮する。
この人は風水を信じているのだろうか?
それとも風のうわさで、黄色の財布は金が貯まると聞いたのだろうか?
比較的カラフルじゃない洋服を着ていたり、黒系のバックから出てくるその派手な財布は、私ここよ!と主張してくる。いいぞ、いいぞ、願いを叶えたれ!と応援さえする。
新品だとなお、持ち主の意思が強くなる。財布はきれいなものを新年に使い始めるの、私。とかね。
ひっそりとした、強い意志の現れがとても好き。誰に言うでもなく、毎年財布を選ぶあなたの心意気が見えるよう。
私個人的には財布は実用的なものが好きなので、小銭が取り出しにくいものを使ってると、なんでその財布を使うのか気になって仕方なくなる。
反対に使いやすそうな財布だと、いい財布ですね、とレジの向こう側から声をかけてしまう。大概、そうなの!私も気に入っているのと声が返ってくる。
お気に入りに囲まれた生活が送りたいなぁと憧れが増す。
そんなことを毎日考えている旨を同僚に伝えたら、あなたは毎日ハッピーだねと言われましたとさ。
おわり。