前を向くこと

退院して五日後、和歌山県海南市で開催された試写会に参加した時のことです。まだ体調が戻っていなかったのですが、どうしても参加したくて、家族に車で連れて行ってもらいました。

今回、映画のロケ地が和歌山県海南市でした。撮影に協力してくださった海南応援隊の方々や海南市の方々に、感謝の意を込めて映画を観てもらおうという会だったので、なんとしてでもお礼を伝えに行かねばと。

撮影時、二度ほど現場に行かせて頂いたのですが、海南の方たちはとてもあったかい人達ばかりでした。その時、猪鍋を御馳走になり、とても美味しくいただいた事が懐かしい思い出の一つです。今でも交流が続いていて、人との縁は宝物だなぁと大事に想っています。

久々にお会いした主演の広山詞葉さんから、ぎゅっとハグをしてもらい、またこの場所に戻れたんだなぁと嬉しくなりました。舞台挨拶、トークショーも無事に終わり、そのあとはみんなで焼肉を食べに行きました。私はそんなに食べれなかったけど、みんなの笑顔と一緒の時間を過ごせて嬉しかったです。

ちなみに、普段裏方の私は表舞台が超絶苦手で、舞台の上でマイクを持って一生懸命作品の事を話したのですが、見ていた家族から「何を言ってるか全くわからなかった」とダメ出しをくらってしまいました。

その時、テレビの番宣というものにも初めて出演させてもらったのですが、セリフが覚えられず何度もNGを出してしまいました。最終広山さんがカンペを作ってくれました。もの凄い棒読みでした。三行ぐらいのセリフが覚えられないなんて、やはり私は裏方が向いてるなぁと痛感しました。でも楽しかったです。

いかなる状況でも前を向くこと、それはとても簡単そうに見えて難しいものだと思います。前を向けない日だってあると思います。ただ、向日葵が太陽に向かって懸命に咲くように、私ももがきながらも前を向くことを諦めたくないなぁと思っています。